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277 起きてしまった…… ☆
わたしは朝早く起きてしまった。時計を見ると午前三時半。まずい。起きていることを知られたら、猫は黙っていないだろう。わたしはそっと布団に潜り込んだ。
しかし、猫は鋭い。わたしが起きたのを察知したようだ。わたしの体の上を歩き、顔のところまで来て、わたしの顔を覗き込む。こうなっては寝た振りも通用しない。仕方なくわたしが起きる動作をすると、猫はわたしの体の上から降りていった。すると、眠気が襲ってきた。わたしはベッドに倒れ込む。このまま寝たい。しかしそれを許してくれないのが猫だ。ベッドのマットレスで爪研ぎをしたり、微かな声で鳴く。
「くぅ~」
ああ、わかったよ。ごはんが欲しいんだね……。わたしは重い体を引きずるようにベッドから降りた。




