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271 起きてよ ☆
日曜日の朝。眠い。とても眠い。朝がきたのはわかっている。猫が騒いでいるからだ。しかし、目が開かない。
猫はごはんのため、わたしを起こそうと必死だ。まずは、くぅくぅと枕元で鳴く。それがダメだと悟った猫は壁で爪研ぎを始める。叱らなければいけないが、とにかく眠い。わたしが起きないと、今度はわたしの体の上に乗る。重い。しかし、やはり目が開かない。そんなわたしを見ても、猫は諦めない。今度はわたしの体の上に飛び乗ってきた。さすがに衝撃が響く。しかし、それでも起きないわたし。何度も果敢にわたしに飛び乗る猫。
そして、とうとう猫が諦めて、わたしの足元で寛ぎ始めた。わたしもようやく目が覚める。
「ごめん、ごはんにしようか」
わたしの言葉とともに、猫は尻尾を立ててキッチンへ向かった。




