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229 ごみ捨ての時
ウチのマンションのごみ置き場は、道路からマンションへ入る入り口の右側にある。つまり、ごみ捨ての時は、マンションの入り口まで行かなければならない。
私は朝早くごみ出しをする。それは、わたしが着ているもののせいである。パジャマではないが、緩いルームウエアだ。だから、なるべく人に会いたくない。
そして、ごみ捨てをするわたしを見ている者がいる。猫である。丁度出窓の下が通路になっていて、わたしがごみ袋を持って、「ごみ捨てに行ってくるね」と声をかける。
そして、わたしがごみ捨てから戻ってくると、猫が出窓から下を眺めているのだ。わたしが行って帰ってくるのを見ているらしい。
ウチはマンションの三階だ。そんな上からでもわたしのことがわかるのだろうか。その時間にごみを出すのがわたししかいないということもあるかもしれない。それで、わたしを認識しているのだろう。




