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184 威嚇

 わたしの身内が亡くなった。遺体を病院から搬送し、実家へ。その後葬儀会社と打ち合わせ、親族が来たりと慌ただしく過ごしている間に通夜が終わり、告別式になった。日程の都合上、告別式、初七日、納骨式を一日で行うことになった。もちろん丸一日拘束される。そして、お寺へ車での移動中、道に迷った車がいた。やっぱり、という思い。家に来るときも散々迷った従兄弟の車だった。しばらく待ったが現れず、初七日の席についた。と思ったとき、無事到着し、滑り込みセーフ。

 そして、式は無事に終わったが、まだ身内では話すことがあるので実家へ。当然帰りも遅くなった。わたしはへとへとに疲れはて、自宅マンションの階段を上がるのも大変だったので(ウチにはエレベーターなどという立派なものは設置されていない)、身内に付き添ってもらい、玄関の扉を開けた。

 猫は扉のすぐ内側にいた。わたしが「ただいま」と言うと、わたしを見たが、一緒にいた身内に対して威嚇をした。いつもなら他の人が来るだけで、部屋の奥へ走って逃げるのに、その日は違った。わたしか頭を撫でると大人しくなるが、身内を見ると威嚇する。わたしが部屋へ入ると、猫は玄関先で仁王立ち(イメージ)して、わたしとウチを守るがごとく、威嚇する。わたしが丸一日いなかったのが不安だったのだろう。身内には早々に帰ってもらった。

 それからが猫とわたしの時間だ。猫はわたしに散々すり寄り、顔を差し出した。顔を掻いてほしいのだろう。猫がようやく落ち着いたところで、ごはんをあげた。

 そして、わたしの喪服は猫の毛だらけになっていた。早くクリーニングに出さねば。


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