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183 事件
わたしの身内が亡くなり、通夜が行われた。通夜の時間は夜の六時からだった。わたしは喪主側なので、皆様に礼を尽くさなければならない。精進落としも終わり、家路についた。
やはり普段やりなれていないことは疲れる。そして、気が昂っているのかよく眠れない。わたしは夜中トイレへ行った。そして、ベッドへ戻り寝転んだ。そして目を閉じた時だった。
「キーッ、ピキーッ、ピキーッ」
えっ、今の声は!?
そういえば、ベッドに猫がいない。わたしは慌ててトイレの扉を開けた。猫は凄い勢いで出てきた。わたしにぶつかるようにしながら、訳のわからない言葉を発する。わたしはしばらく猫を撫でていた。いつもなら、わたしが夜中にトイレに行っても起きないのに、何か異変を感じとっていたようだ。
やはり動物は鋭い




