163/715
163 二月二十二日
二月二十二日。にゃんにゃんにゃんの日。つまり猫の日だ。
猫の日は一年に一度。誕生日と一緒だ。お祝いをしなければ。
まずは、いつもはあげていないウェットフードをあげる。ウェットフードのカップを出し、猫に見せる。猫は美味しいものは覚えているようだ。キッチンのシンクに上り、わたしが皿にウェットフードを入れるのを見ている。そして猫は床に降り、後ろ足で立ち、「早く」とわたしを急かす。
わたしが皿を持ち、いつものごはんを食べる場所に行こうとすると、猫はわたしを先導し歩いていく。その時、わたしがついてきているか心配なのだろう。耳が後ろを向いていて、わたしの足音を逃さないようにしている。
ようやくウェットフードの入った皿を置く。猫は尻尾を膨らませて喜んで食べる。あっという間に食べてしまい、ホットマットの上で毛繕いを始める。
今年の猫の日は日曜日。だからわたしは、猫と一緒にホットマットの上で過ごすのである。




