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154 トイレの水

 わたしがトイレで用を足した後、流そうとしたが水が出ない。ウチは築四十年の物件。リフォームをしてあって中は綺麗だが、時々こういうことが起こる。

 わたしはすぐに管理会社に電話をした。すると水道業者がやって来た。

 もちろん猫は奥の部屋でカーテンの隙間に隠れている。


「またですか」と水道業者。

「困りますね」とわたし。


 わたしが悪いかのような言い方にムッとするわたし。それを見守る猫。チラチラとこちらを窺っている。


 ピンポーン


 インターフォンが鳴った。相手は水道検針の人だった。なんとウチの隣の部屋で水が止まらないのでバルブを締めたそうだ。そして今は開けたので、確認しに来たという。ウチは大丈夫なので、水道業者は隣の部屋へ向かった。そういうことは先に言ってくれ!


 知らない人が来て怯える猫を宥めるため、わたしは声をかける。


「知らないおじさんはいなくなったから出ておいで」


 わたしがホットマットの上に座ると、猫が近寄って来た。わたしにすり寄った後、水道業者がいた辺りの匂いを嗅ぎ始めた。煙草臭かったおじさん。猫にとってはもっと臭いだろう。


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