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151 起きて ☆
朝がきたようだ。猫がわたしの体の上に乗っている。それはわかるのだが、目が開かない。
猫は、おそらくわたしの目が開くのをじっと見ているのだろう。猫は動かない。わたしの体の上で前足を前に伸ばし、わたしを観察しているようだ。
わたしの瞼がようやく動く。わたしは重い瞼をやっと持ち上げることができた。すると一番に目に飛び込んできたのは猫の顔だ。
「......おはよう」
わたしは、猫を撫でてあげた。猫もわたしが起きて満足そうだ。猫の要求はわかっている。ごはんがほしいのだ。
しかし、起き上がろうにも、猫が体の上にいるので重い。
「退いて。退いてくれないと、ごはんをあげられないよ」
わたしは猫に声をかけ、起き上がろうと試みる。猫はそんなわたしを察して体の上から降りていく。そして、部屋の入口でわたしを待っている。
ごはんの要求だけは、ウチの子(猫)は他の猫に負けないだろう。




