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142 眼鏡
わたしは目が悪い。外に出る時はコンタクトレンズを使用するが、家の中では眼鏡を使っている。
その眼鏡が壊れた。というか左側のレンズを止めているネジが外れたのだ。わたしはベッドで横になりながらスマホを操作していた。その時に左側のレンズが落ちてきた。
わたしは慌てて起き上がり、部屋の電気をつけた。そして、ベッド周りを探すと枕の横にネジが落ちていた。
わたしはほっとしたが、そんなわたしを見る冷たい視線があった。猫である。猫は、わたしに寄りかかって寝ていたのだ。
しかし、眼鏡は大事だ。わたしはドライバーを出して眼鏡のネジをはめ込んだ。そして、寝室へ向かうと猫が先ほどと同じ体勢でわたしを睨んでいる。少し寝ぼけているようだ。わたしは猫の機嫌をとろうとしたが、猫はベッドから降りていってしまった。
わたしは再び寝る準備をして横になった。そんなとき猫がやって来た。
......わたしが悪かったよ。だから無言で枕元にいるのはやめてくれ。怖いよ。




