136 寝る場所
夜わたしがベッドで寝ていると、猫がいつものようにやってきた。
猫はわたしの枕元へ上がり、ベッドの上を歩いていく。
そして、わたしの右足に両手をついてのし掛かる。その後わたしの足の間に入り込み、自分の体をわたしの両足の間にねじ込み、ゆったりともたれ掛かる。
あぁ、またか。何故猫は足の間が好きなのだろう。
これでは身動きが取れない。猫は、掛け布団の上からのし掛かるからだ。
わたしはため息をこらえ、寝ようと努力する。眠れる時はすぐに寝てしまう。その場合、無意識に寝返りをうっているため、猫がどう行動しているかわからない。いつの間にかわたしが横向きになり、猫と背中合わせになっていたりする。
しかしわたしが眠れない場合、片方の足を猫の下から抜いて、寝返りをうつ。
何故ここまで猫に気を使うのか、わたしは考えた。
要するに、ウチでの序列が猫の方が上だからということもある。
だが、それだけではない。猫を怒らせると、結局わたしに跳ね返ってくる。つまり、物理的に攻撃を受ける訳だ。
仕方がない。そんなこともひっくるめて、わたしにはウチの子(猫)が可愛いのだ。わたしは、猫に対して全面敗訴なのである。




