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124 フランスパン
わたしは、フランスパンを食べていた。
すると、そこへ猫がやって来た。
猫は、フランスパンを見て、凄い勢いでわたしに駆け寄って来た。
フランスパンを食べたいらしい。
猫は、わたしの体に爪を立て、登って来た。
痛い、痛い!
わたしのそんな様子にも、猫はお構い無しだ。
爪を出した手で、フランスパンを捕ろうとする。
既に、わたしの肩まで登ってきている。
そして、わたしの口の匂いを嗅ぐ。
わたしは、フランスパンを口一杯に頬被り、むぐむぐしている。
そして、わたしは次のフランスパンへと手を伸ばす。
猫は、それをじっと見ている。
わたしがフランスパンを口に運んだ時、猫は動いた。
わたしと一緒にフランスパンに噛みついたのだ。
しかし、フランスパンが固かったようだ。
猫は噛みきることが出来なかった。
わたしは、空いている手で、猫を引き剥がしにかかった。
しかし、猫はフランスパンに噛みついたまま離れようとしない。
なんとかフランスパンから猫を引き剥がした時には、猫の口に噛みちぎられたフランスパンがあった。
そこまでして食べたかったのか……




