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118 肉きゅう
わたしは、猫の肉きゅうが好きだ。
見ているだけでも可愛いが、触るとプニプニして、なんとも言えない幸せがこみ上げてくる。
ウチの子(猫)の肉きゅうは、三毛猫らしく、ピンクや黒っぽい部分がある。
しかし、ウチの子の肉きゅうに触るのは容易ではない。
元々、体に触られることを嫌っているのだ。
肉きゅうのような敏感な部分を触られたがる訳がない。
だから、わたしは眺める。猫の肉きゅうを。
そんなわたしが、猫の肉きゅうを触ることができるのは、猫が横になっている時だ。
猫がだら~っと横になっている時が良い。
肉きゅうが無防備なのだ。
わたしは、隣で横になっている猫の肉きゅうを触るため、手を伸ばす。
「肉きゅうボタン、スイッチオン!」
わたしは、バカな叫び声をあげ、肉きゅうをプチッと押す。
だが、肉きゅうの感触を堪能できるのは、一瞬だけだ。
何故なら、すぐに猫パンチがわたしの手に炸裂するからだ。
わたしは、少しでも肉きゅうを堪能するべく、今日も猫の肉きゅうが無防備になる瞬間を待っている。




