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105 昼寝させて
わたしが昼寝をするためにベッドに横になって、少ししてからだった。
ケージで寝ていたはずの猫が、わたしのところへやって来た。
そして、鳴く。
「くぅ」
これは、ごはんの催促だ。
目を開けてはいけない。見つかったら、執拗にごはんの催促をされるだろう。
わたしは、寝たふりをした。
随分と、静かだ。
猫は諦めただろうか?
わたしは、そっと目を開けてみた。
すると、猫は、段ボール箱で爪とぎを始めた。
あぁ、気づかれてしまったのか。
うるさくて眠れない。
猫は、わたしの方を見て、爪とぎをしている。
確信犯だ。
わたしは仕方なく、ベッドから降りてキッチンへ向かう。猫は、わたしを追い越して、キッチンで待っている。
まったく、ウチの子(猫)には敵わない。




