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愛しさの向かう先

4.




「おまたせー!」

「別にまってませんよ…って一花?」

「途中で会ったから一緒にきたの」


中庭のベンチで脚を組み目を閉じている神崎君発見!!今日も相変わらずのかっこよさ…っ!その姿を心の中でバシバシ連写してから声をかける。そして、幼馴染ちゃんの姿に目を少し見開く神崎君も素敵よー。ツンツンしながら神崎君に紙袋を渡す幼馴染ちゃんとちょっとまだ状況に追いついていない様子で受け取る神崎君を眺めながら顔には出さずにもだえる。


「…じゃ、じゃあっ…あたしはもう戻るから…!」

「…あぁ、うん。さんきゅーな」

「…もう、スグ兄は意外なとこで抜けてるから…か、彼女さんに呆れられても知らないから…っ」

「そういう一花だって―――……っと、先輩すみません、…紹介していませんでしたよね?こいつ一コシタの幼馴染です」

「……木下一花です。よろしくお願いします」

「ふふ。かわいい幼馴染ちゃんだね?私は立川悠奈です。よろしくね」

「先輩は俺の彼女だから」

「…っ、知ってるよ…美男美女カップルってものすごく噂になってるもん」

「…へぇ」


……おいおい、私があえて明言しなかったのに、わざわざ言っちゃうんだ。そして気まずい雰囲気になるってもうバカ。ほんとにもう…。


「…んーっと、せっかくだし3人でお昼食べようか?」

「……えっ?!」

「まぁ…おれはかまわないですけど」

「…あ、あのでも…っ、あたしお弁当教室なんで…!」

「そうなの?残念。じゃあまた今度だね♪」

「は、はい…」


そうして、慌てた様子のままそれじゃあと去っていく幼馴染ちゃんの姿が見えなくなり、さてお昼お昼♪と包みをほどいていると、ぽつりと神崎くんが口を開いた。


「…先輩は怒らないんですね?」

「怒るってなにに?」

「一花に対する俺の態度に。…なんか、気に障る子が多かったから先輩もかなって思ってました」

「ふふふ。怒らないよー。…神崎君の大事な子でしょ?」


にこりと、なんも気にしてないよーって顔してさりげなく問いかける私に、

“―――…はい”ってふんわり困ったように、優しく笑う神崎君。愛しくてたまらないって顔してるって気づいているのかなー…。まったく困った子なんて思いながら。

……心のどっかが少しチクッとしたのは…気がづかないふり。


「…さっ今日は神崎君の好きなベーコン巻アスパラいりだよ!食べよ♪」







(何を迷っているんだか……余計なことなんか考えないで幸せになっちゃえばいいのに)






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