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魔王が出来る3つの条件  作者: かずあ
魔王のマ!
2/29

魔王のマ!その2!



―――

――



 「――に――よ!」



 「なんで…あんなに…」



 「て―つ――だ――キ――」



 「…そういえば…でも…!」



 「あ――ち――×××と――」



 「…そか、俺となにが違うかな?」



 「そん――か――――」



 「元々―じゃなかった?」



 「あはははは――クラ―――調――」



 「…みんなも…でもあいつは…」



 「―っ!――だ――必要と、してないんだから!!」


――

―――







 夢…?懐かしい夢だな。特にリアルな。



 あーだる夢のせいもあってだる…でも水…




 「よし!」



 両ほほをパンッと軽く叩くと周りを確認してから外に出る。ま、とりあえずはオールの実だよな。



 「~~♪」



 お、あったあった。昨日までの俺じゃないことを見せてやるぜ!ジーパンのポケットから昨日取ってきたジャグを取り出し木の下に置く。拳位の大きさだけど効果があるのは説明で確認済みだ。



 「っとう!」



 助走をつけてジャンプ、着地と同時にジャグに伝わった力が跳ね返ってくる。




 「あら?おうあぁ!!」



 てんで違う方向に飛んでしまい尻から落ちる。ざっと見て1mは飛んだか?



 「リベーンジマッチだ!」




 今度は感覚がつかめたから大丈夫だとは思うが…とうっ!びよよーんという効果音がつきそうな跳躍を見せた俺は…




 「ここですかさずキャッチ!」



 ふふーん恐れ入ったかオールの木!これでお前も近いうちに丸裸だな!




 そのあとも2、3回続け、オールの実を昼飯代わりに2個朝飯に1個採った。




 オールの実を齧りながら今日はどっちの方向に行こうかと迷い、手ごろな木の棒を立てて倒そうとしたその時。



 「―――!――!」



 俺から見て右後ろ、洞から真っ直ぐ北の方角から声らしきものが聞こえた。




 「危なそうだったら逃げればいいよな…うん」



 特に俺はこの世界の常識を知らな過ぎる。どのような動物が、どうして危ないのかなど、これから知っていく必要があるだろう。




 「確かここら辺だったよなぁ…んぉ?」





 少し開けた場所にそいつらは居た。革の鎧に鉄の剣を携えた青年がなにやら、青いプルンッとしたものと対峙していた。




 (なにをしているんだ?)



 近くの木の後ろに隠れながら様子をうかがう。



 よくよく青い方を観察していると半透明だということが分かった。そしてなにやら丸い石ころみたいなのがフヨフヨ浮いている。あれはなんだ…?




  名:ブルプルー

 種族:スライム

 状態:良好

 説明:スライムの中でも一番ポピュラーな種。しかし侮ってはいけない、有酸性の身体に剣を刻もうものならたちまち痛んでしまうだろう。倒すには核を狙うと効果抜群。核以外は切っても千切っても、再生可能なのであまり効果はない。中には有酸と無酸を使い分けられる奴がいるという。捕食中は動けない。核のまわりの成分は水、どうして酸になるのかはまだ分かっていない。




 やっとらしいモンスターが出てきたな…ブルプルーね、やっぱこの目便利だわ。相手の青年君はっと…




 名:モーブ・スラット

 種族:人間

 状態:疲労 損傷7%




 む…人っぽい奴にあてた場合は説明が出てこないのか?理屈が分からん。まぁこのまま戦ってても、逃げるかどうかするだろう。さっきから核を狙っているが、絶妙に逸らされブルプルーの身体を刻んでいる。それも身体を落とさないで。




 素人目から見ても分かるほど剣が痛んでいる。



 「っの!はっ!」



 それでも懸命に攻撃してはいるが、酸にやられたのか両足から血が流れている。




 (どうする…助けるか?俺が助けに入ってすることはあるか?)




 一応外敵にとノキアの搾り汁を持ってきてはいるけど…っ!まずい!




 青年のほうを見ると痺れを切らしたのか大ぶりでブルプルーに向かう…が当然ながら避けられる。その隙を逃すまいとブルプルーが青年に飛びついてきた。




 「うっぁ…あああああああ!」




 青年は咄嗟に手をかざしたが、抵抗空しくその手を溶かされる。うわぁー見てて気持ちのいいもんじゃないな…あ、さすがにもう逃げるか。




 自分じゃ叶わないと察したのか、青年が溶かされた手を庇いながら逃げ出した。




 (結局助けに入らなかったな、まぁ情報通りなら…)




 青年が逃げた後ブルプルーはその場でプルプルしていたが、もうこないと分かったのか移動を始めた。…今だ!



 さっと身を翻しブルプルーから距離を置く。びびってるわけじゃないぞ!後をつければ

川が見つかるかもしれないからな!いい距離になったところで、青年が捨てて行った剣を拾ってジーパンのベルトを使い括り付ける。なにもないよりましだからな。



 プルプルプルと動くブルプルー…遅いっ!もうちょい早く動け!戦いではあんなに機敏に動いていたではないか!






 そして目印を付けながら後をつけること体感2時間。ようやく川らしきところを見つけた。あいやー長かった。



 感覚で言うと洞から北東?オールの木から東南東?位かな川幅は2mあるかないか。でもこれで水不足になることはないな!



 さて、あやつはどうするか…放っておくか…?でも一応検証してみるか。内容はスライム系にも痺れる毒は効きますか!?だ。



 まずは採ってきたセリリにノキアの汁を付けて…ブルプルーにシュート!吸い込まれるようにその青い身体に、セリリinノキア汁がヒットした。ズプププ、ジュウゥっという音とともにブルプルーの身体の動きが止まった。捕食最中は動きが止まる…情報通りだな。




 今のうちに水飲んどくか…あれ?生水って大丈夫か…?一気に飲むと下痢とか起こすって聞いたような…まぁちょっぴり喉潤す位で!



 「さて、ブルプルーはっと…お、ビクンビクンしてる…なんか卑猥だな…」




 時折身体を震わせその場から動かない。これで検証終了だな!今日のとこはスパンを1つとってオールの実で飯にするか。尾行中あまりにもすることが無かったので、昼飯のオールの実を平らげてしまっていた。




 えーっと、こっちでこうでこー…か?目印を頼りに洞へと急ぐ。かなりの時間尾行に使ったようだ日もそれほど高くない、急がないと本当にまずい。オールの実は無しかなぁ…途中スパンを拾い。洞へと戻り一息つく。




 「それにしてもあの青年どこから来たんだ?」



 逃げて行ったにしてもそこまで馬鹿じゃないはずだ、一日で往復できる所に村、街があるのか自分のテントなりキャンプ地が近くに在る筈。




 明日はそこを目指そう。っと月の光が差し込んでる間に、ノキアの搾り汁をとっておくか。べたべたはしないがどうも気になる…それと、風呂に入りたいな…。頭をがしがし掻くとフケがぱらぱらと…髭も伸びてきたし。



 「まぁ生きているだけマシか。モンスターと出あわないだけでかなり運がいいよな?」




 そう、こっちに来てから3日…4日が経とうとしているのに出遭ったモンスターはブルプルーのみ。まぁ明日からは川沿いに下って行って町か村を探そう。




 ノキアの搾り汁も完成し持ち物を整理する。明日持って行くのはゼルーが少しとジャグにスパン、それにケルス…投石用だな。



 「よし、それじゃあおやすみ…」



 誰に言うわけでもないが雰囲気というやつだ明日もいい日であるように…





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