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最後の言葉
「もしも、貴方が強いなら。
きっと、貴方は弱いでしょう。」
この言葉、忘れることの出来ない時間だった。
幼い頃はよく解らなかった。
小さな頭で考えに考えたが、堂々巡りをしただけだった。
でも、確実に、明確に思った。
必ずや、貴方のために生きて見せると。
こんなにも屈辱的で恥ずかしい思いは、貴方にだけ許そう・・・。
国にすべてを捧げた王を。
優しく、強い私の王に。
そして、心から忠誠を尽くすだろう。
偉大な父のように。
寛大な主のように。
私は命を捧げよう。
祖国の母に。
戦いという名の道へ。
自ら飛び込むのだ。
不の連鎖に掴まれるように。
外すことの出来ない鎖。
逃げれない檻。
見たくない鏡。
きっと、私は弱いだろう・・・・。