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第五十九話「封印の破綻」
封印は破れ、闇は増殖する。
真実を知らぬ者に、救いはない。
だが、知ることが闇を照らす第一歩。
朽ちた屋敷の中、埃まみれの古文書を広げる。
そこには松島宗一の記録と、彼の葛藤が綴られていた。
彼はかつて、村のために“鬼”を封じる祭礼を主導したが、
自らの過ちと秘密を抱えていた。
宗一の最も恐れたものは、村人の猜疑心と憎悪だった。
封印の儀式は、ただの形だけで、彼は真実の封印を怠っていた。
それは“影”を生み、村全体に染み渡っていく。
紗夜は静かに告げる。
「彼は罪を認められず、闇を他者に押し付けた。
それが“鬼”の正体――村人自身の影だった。」
その夜、村は再び異様な叫び声に包まれた。
赤い目が森から次々と現れ、村人を追い詰める。
俺たちは最後の手段を考えなければならなかった。
次回、第60話は、
“鬼”の本当の正体と、事件の決着を描く。
シリーズのクライマックスが近づく。




