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第41話

 ミュリエラの前に現れたエルフの老女は、部屋に備えつけのスツールに座った。

 すでに寝間着に着替えていたミュリエラは、ビブリンからショールを受け取って羽織り、老女の前に椅子を引き出して座り、対面した。


 しばらくして、ミュリエラが口を開く。

「……最後の最後で、ようやく信用していただけたということですかのう」

「慎重を期する必要があったのです、伯爵夫人(グラフリン)どの。ですが、貴女がわが種族の敵でないことは、この(まなこ)でしかと見させていただきました」

「……そこもとが? (じか)に?」

「はい。貴女がこの森へ足を踏み入れられてから、ずっと」

「わらわもビブリンも、そこもとの姿は影も形も察知できなんだ」

「わが種族に伝わる闘技の応用と申しましょうか。これに熟達せしめたる者ならば、人間やドワーフの意識の陰に隠れて行動するなど、わけもありません」


 識闘術(フィングリン)のことを言っているのだ、とミュリエラは理解した。

 確かに、あの技術が人間の注意や敵意の向かう先を読み取って逆手に取る技だとしたら、人の注意の陰に潜むことで気配を完全に消せるかもしれない。

 ミュリエラは、似たような技に長けたエルフの執事がチャリンド家にいることを思い出した。

 だが、腑に落ちない点がある。人である自分はまだしも、人ならぬ存在の目をも欺くことが可能なのだろうか?

 ミュリエラは、今は侍女の姿をしている魔法の道具に尋ねた。

「……ビブよ。この御仁の気配に気づいたか」

「いいえ、ミュリエラ様。気づきませんでした」

「それは妙じゃ。おぬしはいつぞや、テルフェリ邸の屋根にいたエルフたちも目ざとく見つけ──」と、そこまで言いかけてミュリエラは口を閉じた。

 人ならぬ魔法の道具に人の姿を与えてしまうと、五感も認知能力も人間並みに抑えられてしまうらしい。


 ミュリエラは肩をすくめる。

「まんまと、してやられたわけじゃな。この御仁がずっと側にいるかたわら、我らはエルフたちにその居場所を聞きまわっていたというわけじゃ」

 エルフの老女は微笑んだ。

「四六時中張り付いていたわけではございませんよ……それで、貴女はなにをこの老人にお求めですか」

「この国の往古の姿をお聞きしたい」と、ミュリエラは居住まいをただす。

「故あって、書を調べておったところ、人の書き残した記録には改竄の跡があると分かったのじゃ。そこで、永き時を生きるエルフのご老人ならば、この国──いや、この世界(バリオン)に何が起こったのか、お伺いできると思った次第」

「この国の、何が書き換えられたと?」

「魔法じゃ。魔法の存在についてじゃ」ミュリエラは単刀直入に切り出した。

 この言葉に長老が眉をひそめる。

()()()()についてお聞きになるためにここまで来られたのですか」

 部屋にさす月明かりの中、沈黙が流れる。

 ビブリンが何か言いたげにミュリエラのほうを見た。


 ミュリエラは内心、落胆しかけていた。

 ビブリンの言いたいこともわかる。

 ようやく会えたエルフの大老は、魔法の存在を知らなかったのだから。


 ──いや。

 そうと決まったわけではない。


 この世から魔力が途絶したのは四百年から六百年ほど前。

 その前後には、魔法を用いる者がわずかながら生き残っていたはずである。

 目の前にいる老人が何百歳なのかは分からないが、エルフの平均寿命である三百歳はとうに超えているだろう。

 つまり、彼女も何らかの形で魔法を目にした経験を持つ可能性がある。

 真実を引き出すにはどうすれば──?

 ミュリエラは注意深く、別の方向から話を切り出すことにした。


「そこもとはなぜ、姿をお隠しなさっていたのか、ご老よ」

「イルデとお呼びください、伯爵夫人(グラフリン)

「では、イルデ殿。お答えくださるか」

「見つからぬためですよ……王国に」

「……王国、ですと?」

「これまで度々、メーノンの宮廷ではエルフの年長者の出仕を求めておりまして。我らも当初は、求めに応じて参りました。王家に侍るのは名誉なことでございますから。ところが……妙なことが起きるようになったのです」

「妙なこと……とは?」

「宮廷に出仕した老人たちは、どういうわけか行方知れずになっているのですよ」

「なんと」

「ご存じですか、伯爵夫人(グラフリン)どの。われらエルフは人間の高貴な方々にお仕えしておりますが、昨今の宮廷ではエルフが召されることはめったにないのです」

「それは初耳じゃ」

「大昔はエルフの侍従も大勢いたと聞きますが、いつしか数を減らし、そして伝統を名目に、今や宮廷の召使いは人間族に限られております」

「……しかし、それでいて時折、なぜか年長のエルフが求められるのですじゃな」

「それが何を意味するか、お分かりですか」

 ミュリエラは頷くだけで、答えを口にしない。

 それは声に出すには忌まわしすぎる答えだった。

 メーノンの宮廷では、エルフの老人が抹殺されているのだ。


「ひとつお尋ね申すが」と、ミュリエラ。

「宮廷からエルフの年長者を召せと命が下るのは、女王の御代……具体的には、エリドレーダ一世やグロドリアネ一世の時代ではありませぬか」

「よくお分かりですね」

「そして、当代のエリドレーダ三世も然り。そこもと始めとするエルフの年長者は、これを免れんために姿を隠すこととした」

「その通りです」

「……なぜ、斯様(かよう)なことがなされるとお考えか」

「さて、どうでしょう。わが種族が叛旗を翻すとでも思われているのでしょうか。とんでもない。エルフが森に引きこもって暮らしていける時代はとうに終わっております。この森も、若いものはほとんど街で暮らし、帰ってくるのは子を産み育てる時くらいですから」

 この言葉で、ミュリエラはエルフの集落が小さすぎる理由を悟った。

 エルフの共同体は、すでにその大部分が使用人として人間社会に()()している。

 ここは単に、黒の森(ズワニューデン)種名(クノルペンナーン)に持つエルフの育児と隠居の場でしかないのだ。


 ミュリエラは考え込んだ。

 エルフの存在は人間社会と同化して久しい。

 たとえ女王(ギュネヴィア)とて、これを切り離し、根絶することは難しいだろう。

 では、なぜ宮廷の伝統を操作して宮仕えの者からエルフを排し、それに飽き足らずエルフの年長者を人知れず消そうとしているのか。古代の魔女は、エルフの何を恐れているのか。

 ミュリエラは一つの答えに行き当たった。


「……魔法の独占じゃ」

 と、ミュリエラはつぶやいた。


「女王は、何らかの方法で魔法かそれに準じる超自然的な力を得ておる。世界(バリオン)より魔力が途絶した今、その力の価値は何より勝るのじゃ。拳闘士の中でただひとり、鉄剣を振るうがごときものじゃからのう」

「それがエルフと何の関係があるのですか、ミュリエラ様?」と、ビブリン。

「エルフに生来そなわった、魔法との親和性じゃよ。魔力が途絶したとて、その(さが)は健在であった。そして、エルフ族は見事、魔力のない世界に適応し、識闘術(フィングリン)などという技を編み出してみせたのじゃ」

「われらは識闘術(フィングリン)ゆえに目の敵にされるというのですか」

 イルデが戸惑いを見せる。

「この種族が識闘術(フィングリン)を応用して、錬気する技術を会得でもすれば、魔法文化は復興するやもしれぬ。あの女が恐れておるのはそれよ。これを防ぐためには……魔法はおとぎ話で、まやかしで、宗教的に忌まわしい、()()()()の類と衆生に信じこませておく以上に巧い手立てはない。そして、エルフの年長者は魔法が実在した歴史の証人。口封じというわけじゃな」

 ミュリエラは立ち上がると、イルデのもとにかしずき、ひざに手を置いた。

黒の森(ズワニューデン)のイルデ殿よ。力を貸してたもれ。いずれ女王は、そこもとらの口を封じるだけでは我慢できず、エルフ族自体の存在を煙たがるはず。森のみならず、種族全体の危機とお考えあられよ」

 イルデは肩をすくめる。

「とは申しましても、女王は人間でございましょう。為政者が()()()だったことは過去に何度もありました。ですが、我らはエルフです。明けない夜はありません。彼らの寿命が尽きて夜が明けるのを待たずに、あえてメーノン王家に弓ひく理由があるのですか」

「かの者は≪転生ドゥナ・アーヴャルグーン≫を用いておる。ゆえに、寿命はない」


 転生(アーヴャルグーン)という言葉を耳にしたイルデの目がわずかに見開かれたのを、ミュリエラは見逃さなかった。

 やはり、彼女は知っているのだ。魔法の存在を、超自然の実在を。


「イルデ殿。そこもとがご存じの()()()()についてお聞かせ願えぬか」

「……わたくしが幼いころ、この森にはその使い手がおりました」

 イルデは話し始めた。

「あの方は火も用いず、昼より明るく夜を照らしてみせ……そしてその光はすぐに途絶えました。この世に残っている力ではこれが精いっぱいなのだ、と悲しそうに笑っておりましたよ」

「その使い手とは」

「わたくしの父です」

 イルデは目を伏せた。

「宮廷で召し抱えると伝えられて、旅立って……それっきりなのでございます」

 森の夜の闇が濃くなった。雲が月を覆い隠したのだ。

「そこもとの父御の光は」と、ミュリエラは立ち上がって言った。

「このようなものではなかったか」


 ミュリエラは意識を集中し、小さく呪文を唱えた。

 このところ毎日、閑を見つけては坐を組んで気を練り、わずかながらにも蓄えた魔力を活性化させる。

 イルデの顔に驚きがありありと現れた。識闘術(フィングリン)の熟練者には、ミュリエラの体内で未知の現象が起こっているさまが()えるのだろう。

 力ある言葉とともに差し出されたミュリエラの手から、柔らかい光の粒子がこぼれ出し、部屋を光で満たした。


「おお……!」


 エルフの老女が感極まって、光のあふれ出るミュリエラの手を取る。

「魔法使いさま……(てて)さま……」イルデの声は震えていた。


 だがやがてすぐに、輝きの渦は勢いを失い、夜が力を取り戻す。


「わらわも、これが精いっぱいなのじゃ」と、ミュリエラ。

「そこもとの父御を闇に葬った者が≪転生ドゥナ・アーヴャルグーン≫を用いてメーノンの王位にしがみついておる限り、黒の森(ズワニューデン)、いやエルフ族に安寧の日は来ぬ。わらわにも、かの者に(あらが)う理由があるのじゃよ。失った大切な人の、すでに()い友人たちの功業を無に帰せぬためという、な。どうか、わらわと立ち上がってたもれ」

「これでようやくすべての疑念は晴れました」と、イルデ。

 エルフの老女はスツールから立ち上がり、ミュリエラに相対する。

「……今の今まで、わたくしは貴女が女王の手先ではないかと疑っておりました。ですが、貴女自身が失われた魔法の使い手である以上、われらの敵の味方であるはずがございません。黒の森(ズワニューデン)は、貴女にお味方するでしょう、伯爵夫人(グラフリン)さま」

「じゃが、この同盟は、あまり(おおやけ)にできぬのう」

 イルデが苦笑する。

「残念ながら、そうですね。敵に勘づかれるわけにはまいりませんから……ですが、出来うる限りお力になりましょう。さしあたって、何がお要りようですか?」

「そうさな……」と、ミュリエラは考えをめぐらす。

 やがて、口を開いて言った。

「……とりあえず、友の木(フェアンテュド)を譲ってくれぬか」

 種族の命運を賭けた申し出とはかけ離れた答えに、イルデはあっけにとられた。


 ──翌朝、黒の森(ズワニューデン)から最寄りの町へ徒歩で向かい、駅馬車を乗り継いで一昼夜。

 ミュリエラとビブリン、そしてリリは王都カールッドへたどり着いた。

 駅馬車宿にたむろしていた伝令屋の少年に頼んでチャリンド家へメッセージを送ると、ほどなくして館から送迎の馬車が到着する。

 御者は、ミュリエラが持ち帰った多数の奇妙な荷物に目を丸くした。

「こいつは一体なんですか、伯爵夫人(グラフリン)様」

「植木の一種と申せばよいかの。貴重なものゆえ、慎重に扱ってほしいのじゃ」

「よく運んでこれましたね」

「徒歩は骨を折ったのう。そこは、黒の森(ズワニューデン)の諸兄に助太刀を願った」

 エルフの目から見ると「たわいのない」品々を後生大事に持ち帰るミュリエラの姿を、同行者のリリが怪訝な顔で見つめていた。

 本当はさらに多くの友の木(フェアンテュド)をビブリンの【道具箱】に格納しているのだが、それは秘密である。

 苦労して荷物を馬車に積み込むと、ミュリエラは手を叩いて号令した。

「さて、いざ、なつかしのチャリンド邸へ一直線じゃな」

「それなんですが、伯爵夫人(グラフリン)様」御者が申し訳なさそうに切り出した。

「ここに来る途中で分かったんですが……中央の大通りで陸軍の閲兵行進があるそうで」

「なに?」

「出征を記念して挙行する、あれですよ。ご時世なもんで、わりと多いんです」

「うむむ……。行進は凱旋を祝して行うものじゃろ。当世では(いくさ)に赴く前から祝って練り歩くものなのか」

「そんなわけで、一直線というわけにはいきません。遠回りするか、行進が通り過ぎて落ち着くまでお待ちいただくしかないです」

「それは仕方ない。待たせてもらおうぞ」


 馬車が大通りへ近づくにつれ、人出が多くなってくる。普段の賑わいとは違う、祭りに近い人の多さであった。

 御者の提案通り、大通りの脇に馬車を停め、行列が終わるのを待つことにした。

 やがて、煌びやかな赤と緑の軍服に身を包んだ兵士たちが、短槍に似た武器を掲げて行進してくる。──いや、短槍ではない。あれは確か、(ボマラス)というこの時代の兵器で、≪火炎波ドゥラ・エリディ・ヴーヴァ≫に似た効果を発揮する道具だ。先端に短剣を装着しているせいで短槍に見えるのだ。

 (ボマラス)なる道具の威力も精度も、≪火炎波ドゥラ・エリディ・ヴーヴァ≫には及ばない。が、魔法の修練もせずにだいたい同じ威力を発揮するのは大したものだし、集団で運用した時の効果は想像もできない。そもそもが、あのように立派な制服を雑兵にまで着せていること自体、卓越した財力のなせるわざなのだが。


 しかし、ミュリエラが気になったのは、馬に乗った指揮官に率いられた、兵士たちの表情であった。

 魔物への恐怖でもなく、まだ見ぬ戦利品への興奮でもない、何ともいえぬ表情。

 それは自分たちが属しているものが何なのか、何のために戦うのか、いまいち判りかねるまま歩いているような、虚ろな表情に見えた。


「……あの者らはどの家の兵なのじゃ。平和な時代と思うておったが、メーノンではどこぞで叛乱でも起きておるのか」

 このミュリエラの疑問に、リリは首をかしげて答える。

「どの家……ですか? ええと、陸軍ですけど……?」

徒歩(かち)の兵なのはわかる。どこの貴族家が招集されたのかと思うてのう」

「国軍ですから、貴族家の私兵ではないですよ」

「国軍……?」

 ミュリエラは聞きなれぬ言葉に眉をひそめた。

 リリの表情からは、ミュリエラが何を理解できていないのか測りかねている様子が見て取れる。

伯爵夫人(グラフリン)様の故国では、貴族が領地で兵士を招集するのですか?」

「現代の……いや、メーノンではそうではないのかや?」

「それは、大昔の話かと思います。今では国王が招集権を持ち、議会が承認して、政府が指揮することになってます」

 ミュリエラはリリの言葉の意味を考えて黙り込んだ。

 戦争のシステムがおそろしく進歩している。

 領主が領地で兵を集め、王のもとで連合軍を形成するのではない。

 リリの話が本当ならば、国全体の規模で兵が集められ、指揮権も統一されていることになる。しかも、権限が王のみに集中しておらず、弾力性もある。

 このような巨大かつ複雑なシステムを統御するには、王家や貴族家への忠誠といったもの以上の物語──宗教めいた思想が必要になるのではないか。

 もしそんなものが実現したら、それはかつて強大な魔力で魔族を率いていた魔王以上の怪物であるかもしれない。


 音楽がかき鳴らされる。

 軍隊の歩調や士気を音楽でコントロールするという発想にミュリエラは驚いた。

 やがて、集まった群衆が唱和する──


  kúnshen on élen loval gey ul shtríke,

  貴顕が戦場へと赴かば

  on falkef loval thank le shveyke!

  人民も剣をたずさえん

  pento le alkwame, ul léf le balionon,

  世界(バリオン)を制すべく馳せ参じよ

  hua makton on élon lóm ménon.

  メーノンの力と栄光のため


「あの兵らは、忠誠を誓う主家や部族ではなく、メーノンという国家に従属しておるのか」

 あとになってミュリエラは、それが国民国家という概念であることを知った。

「海外へ派兵されるのでしょうね。植民地の獲得のためか、ちょっとそこらへんはわかりませんけど」

「植民と申しても……もはや無人の地など、この世界(バリオン)に残っておるものか」

「いえ、南方大陸や、東方の未開の国を征服するんですよ。それらの土地を巡って外国と戦ったりとか……」

 リリはこともなげに言ってのけた。


 ミュリエラは少し前、アニエの友人ティネが、ノールドルストム子爵の乗り組む軍艦リアスタン号は「遠洋航海も珍しくない」艦だと述べていたのを思い出した。つまりは、外征だ。

 その刹那、ミュリエラは、【黒王妃】ギュネヴィアの意図に思い至った。


「そうか……そうだったのか。言われてみれば、なんでもないことじゃ。あの女(ギュネヴィア)め、太古の時代から何一つ変わっておらなんだ」

伯爵夫人(グラフリン)様……?」

 いつものこととはいえ、唐突によくわからないことを言い出すミュリエラにリリは戸惑っている様子だ。


「権力じゃ。権力だったのじゃ。魔法の独占にしてもそうじゃ。あやつは王妃という地位に飽き足らず、その身に神を宿そうとまでしたではないか……」


 ミュリエラはもう一度、軍隊の行進と歓呼する群衆に目をやった。

 彼らはこの国を出て、女王の栄光のために人類を征服しに行くのだ。

 それは千年前、ミュリエラが仲間たちと命をかけて阻止した、魔王の行動そのものだったのである。

メーノン王国愛国歌「貴顕が戦場へと赴かば」歌詞の解説


"kúnshen on élen loval gey ul shtríke,"

発音:クーンシェン・オン・エーレン・ロヴァル・ゲイ・ウル・シュトリーケ


kúnshen on élen は直訳すると「王たちと諸卿」。ノブレス・オブリージュを担う社会層を指す慣用句なので、「貴顕」と翻訳した。

loval は向かっている予定を表す助動詞。

gey ul は「~へ向かう」。

shtríke はshtrík(戦争、戦い、戦場)の対格変化形。


"on falkef loval thank le shveyke!"

発音:オン・ファルケフ・ロヴァル・ザンク・レ・シュヴェイケ!


onは接続詞で、英語のandに相当。

falkefは人々、民族、共同体を意味する名詞。

thankは手に持つ、携えるを意味する動詞。

leは定冠詞。

shveyke はshveyk(剣)の対格変化形。


"pento le alkwame, ul léf le balionon,"

発音:ペント・レ・アルクァメ、ウル・レーフ・レ・バリオノン


pento はpent(応答する、応じる、耳を傾ける)の命令形。

alkwame はalkwam(呼ぶ、召集)の対格変化形。

ulは明確な到達点への方向を表す前置詞。

léf は支配を意味する動詞。

balionon はbalion(世界、地球)の与格変化形。


"hua makton on élon lóm ménon."

発音:フア・マクトン・オン・エーロン・ローム・メーノン


hua は~のためにを意味する前置詞。

makton はmakt(力)の与格変化形。

élon はél(名誉、誉れ、栄光)の与格変化形。


詩なので、文末が -ke と -non で揃えられ、韻を踏むようにしています。

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