カシェルの手を取らない
『なんということだ。私の情けゆえにこの国は乱れてしまった』
バルコニーに雷鳴と共に現れた白い影。
それと共に周囲の人々の時が止まった。
白い影は、白鳥に姿を変えてバルコニーに降り立つ。
『ジネヴラ、約束であろう。私を永遠に信奉すると。彼と共にいるということは、信仰を捨てること。それはならん、神との約束をたがえるということは、神の呪いを受けるということ』
「そんな」
『私は妬む神なのだ。そなたはその男を喪って、神を呪った。なればと思い、その男を救う手助けをしたというのに、お前はまた私を捨てようというのか』
燦然と光輝くその鳥は雷雲を轟かせ、ジネヴラに迫る。
「彼女は僕を助けるために運命に逆らった。それを神が罪というなら、僕は神を殺す。」
『なんと罰当たりな』
白い影へ抜き身の剣を向けるカシェルを、ジネヴラはその腕にしがみついて止める。
「駄目です、私は。貴方に幸せになって欲しかっただけ」
「僕も、そうだといっている。ここは譲れないな」
神は地上に雷鳴うち放った。
そうして世界は崩れていった。
数日の間に、大地が崩壊し、大気も何もかもがぐちゃぐちゃになった。
「譲っちゃいけないときは、ちゃんと言わないとって、何度も言っているだろう?まして選択を放棄するなんて。君に期待したのが愚かだったのかな」
その声は聞き覚えがあるようで、聞き覚えがないようで。
「彼の必要以上の献身は王女の工作のせいでもあったのに。アデラ王女へのあの執拗な拘りは、薬だったんだよ。君はどうしても彼を信じられなかったのだろうけれどね」
それは頑是ない子供の声のようであり、しわがれた老人の声のようでもあり。
「ああ。あれに気づかれてしまったよ。この世界はもう終わりだね」
その声を最後に、ジネヴラの意識は消えていった。
BadEND
※バッドエンドは大量にあります。
ハッピーエンドは数件、トゥルーエンドが一件ありますので探していただければ幸いです。
※トゥルーエンドの甘さが足りない!その後の糖分がほしいという応援があれば、もしかしたら書けるかもしれません。
※実は全く誤字脱字見てません…




