21/32
(カシェル)カシェルを頼る
ジネヴラは泉水の庭に戻り、アデラ王女を見つけて頭を下げる。
「アデラ様。カシェル様。どうかお助けください」
「無粋ね」
ジネヴラが勇気をもって申し出ると、アデラは不機嫌そうな顔を隠さなかった。
そして傍らのカシェルの腕に、アデラは腕を絡める。
カシェルが身動ぎして、頬を染める。
ジネヴラの心が痛んだ。
「アイザック王子がダリル王子を連れてどこかへ行ったのです。ダリル王子の身が危ない」
「まあ。貴方私の婚約者を貶める気?私だけじゃなく、彼まで…ひどいわ」
泣き崩れる彼女を、カシェルが支える。
そしてカシェルは、ジネヴラのことを哀れむような目で見た。
「もう、いいです」
ジネヴラは踵を返して、走り出した。
自分で何とかしなければならないと悟ったのだ。
「あらあら。王子様の方が大事だったかしら。とんだ天秤のかけ方だこと」
アデラ王女は収めていた短剣を、カシェルに気づかれないように彼の背中に回し。
思い切り、後ろから彼を刺した。
BadEND




