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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

足つぼ聖女の愛のムチ

作者: 乃木坂 佑一

ドSで有名な公爵令嬢にして今代聖女のリフレ。得意の「聖魔術」で王国関係者を

悶絶させつつ超絶治癒で評判はうなぎのぼり!しかし弟子にして義妹の見習い聖女の

アフレは姉の「教育」に嫌気がさしたようで・・・・。


フセッセー王太子「ニセ聖女リフレ!聖女を騙り逆らう者たちへの数々の暴虐もはや許してはおけぬ!

即刻そなたとの婚約は破棄し、真なる聖女たるそなたの義妹アフレと婚約する!」

アフレ「お姉ちゃ・・さまがいけないのですよ。治癒術といいながら私や皆にひどいことを!」


リフレ「確かに私の治癒術は感覚として辛いところはあります。しかしながら効果はてきめんで、ケガは欠損から瀕死まで直し、呪いや毒や魔法の効果さえ吹き飛ばす聖魔術です。殿下もご存じのはず。」


フセッセー王太子「それはそう・・。うっアタマが・・・。ええい!聞く耳もたぬ!ニセ聖女を拘束しろ!」


リフレ(殿下や皆のご様子・・・・。ははあ、アフレが「施術」したのですね。大した効果はないですがそちらの方面には効きますからね。しかたありません。皆をもとに戻すために聖魔術を施しましょう。)


思案するリフレに衛兵が迫るがリフレの聖魔術の前に3人の衛兵はすべて転倒した。

そして衛兵の右足は全て裸足となっていた。

衛兵「な、なんだ体がうごかぬ!いったいどうなって・・・。」

リフレ「あなた方は全てアフレの指圧魅了術にかかっておられる様子。わたくしが治癒術を施して進ぜましょう」

言うが早いか、リフレはおもむろに衛兵たちの足の裏をかるーく指圧した。

城の玉座の間に絶叫がこだました。魂ぎる叫び声が響き、衛兵は白目をむいた。


だが次の瞬間には衛兵は正気を取り戻し、精気をみなぎらせて飛び起きた。いぶかる衛兵たちをよそに

リフレはフセッセーに近づくとすかさず聖魔術を行使した。

フセッセー「やめろ!なにをするか!はなせ!っていってえええええええええええええ!!」

有無も言わさずリフレはフセッセーに魅了解除の足つぼを指圧した。衛兵たちよりも「ちょっと強めに」。 

リフレ(殿下がいけないのですよ。私よりちょっと?胸の大きいアフレにデレデレしてスキを見せるから。それを考えると今回魅了された殿方たちにわたくしちょっと!おこですわ。念入りに施術しなくては。)


白目をむいて気絶したフセッセーは次の瞬間には寝息を立ててスヤスヤ眠ってしまった。


こうして お胸が大きい義妹のアフレに魅了術を掛けられた王太子の側近たちにリフレは速攻で聖魔術を

行使し、皆をもとに戻すべく「施術」していったのであった。


宰相世子カタコリー「ぎゃああああああ、やめて!やめて!いだいいいいいいいい!」

騎士団長長男ヨウツー「ぐげっ!へべっ、ぐわあああああああ!おおおおおう!」

宮廷魔導士嫡男ヘンズツー「そんな魔術など!わたしにはあああああううう、ぐへええええ!」


王太子の側近たちをはじめ、広間に居た者たちは全て魅了を解除され絶叫の後に爆睡した。


寝息ばかりが聞こえる広間の中心に、聖女の義妹たるアフレはガタガタと震えてうずくまっていた。


リフレ「アフレ。すこしイタズラが過ぎたようですね。アナタの聖魔術はまだまだ未熟。施術にはまだまだと言ったはずですよ?アナタにはまだまだ教えることが数多くあります。」


アフレ「お姉ちゃんそう言っていつもアタシに痛くするんだもん。痛いほどツボは効くって。」

リフレ「その通りです。女神の愛し子たるヒトには痛みを代償に命の力を、そして魔に属するものを

必ず調伏する力を。わたくしには女神の巫女としてアナタに真なる聖女にすべてを教える義務があるのです。」

アフレ「アタシが真なる聖女?どうして?」

リフレ「なぜ父上がアナタを義妹として孤児院から引き取ったか?すべては女神の予言。のちに世界の脅威となる魔王を唯一調伏できる「真なる聖女」にすべてを伝授し、「神器」を授けるのが公爵家の役目。」

おもむろにリフレは懐から銀色の棒を取り出した。

リフレ「これぞ神器アシツボー。世界で唯一魔を調伏せしめる神器です。」

アフレ「お姉ちゃん・・・・・。それってすごい痛そうで嫌な予感がすんだけど。」

リフレ「理解が早くてうれしいわ!本当はもっと聖魔術を極めてからアナタに渡そうと思ったんだけど

アナタにはもっと聖女としての自覚と覚悟が必要だと今日は痛感いたしました。」

アフレ「自覚と覚悟・・・・。どういうこと?」

リフレ「実はね?聖女として覚醒するにはこの神器で「施術」する必要があるの。わたくしも先代聖女であるお母さまからじきじきに神器にて「施術」を受けたのですよ?その神威こそが聖女の聖魔術。」

アフレ「お姉ちゃんズルイ!じゃあお姉ちゃんの聖魔術はその神器のおかげじゃない!なんで今まで

イジワルしてたのよ!毎日毎日、聖魔術の施術の練習実地だからって痛くして!ひどいじゃない!」

リフレ「いままでアナタに聖魔術を伝授してたのは「神器の試練」を乗り越えるためなのよ?

アナタさっき自分で言ったじゃない「痛そうで嫌な予感がする」って?」

アフレ「それって・・・・・・・・・。もしかして・・・・・。」

リフレ「そう。お母さまもおっしゃってたわ。未婚ながら産みの苦しみを受けるのが「神器の試練」。

それを耐えるために日々聖魔術を研鑽し、継承の日に備えるのが聖女たる由縁。しかしながら今世にて

真なる聖女が降臨した以上一刻も早く試練を済ませたほうが世界のためですわ?」

アフレ「うそよ!お姉ちゃんアタシのイタズラに怒ってるんでしょ!アタシが殿下やみんなにお胸を押し付けてデレっとしたトコに指圧していいなりにしたの!」

リフレ「それはそれでおこで、アナタに罰を与えたいという思いは否定しません。大丈夫ですよ。ちょっと痛い思いをするだけでわたくしと同じどころか大いなる力に目覚めるのですよ?ガンバッテクダサイ。」

アフレ「絶対いやあああ!ってもう拘束魔術で両足はだしになってるうう!ゆるしてえええええ!」


この日、王国の玉座の間にて真なる聖女は覚醒した。不思議なことに王太子をはじめとした王室関係者

と貴族はすべて眠っていて一昼夜にわたる継承の儀である「神器の試練」を目にすることはなかった。

しかしながら、幸運にも魅了が浅く昏倒に至らなかった衛兵たちは神聖な儀式であるからと人払いをされ広間の大扉を警護していたのだが。

「聖女の絶叫が絶え間なく聞こえて寝る間もなかった」「神聖な儀式があのような凄惨なものであったとは」「おいたわしいことだ。聖女のお役目とはかくもつらいものであるのか」

このようなウワサが市井に流れ、王国の人々は聖女に対して畏敬を新たにするのであった。


その10年後、真なる聖女は降臨した魔王を難なく調伏し、王国に凱旋する。いかなる魔族魔物も真なる聖女の前には拘束されその聖なる指圧の前に力を失い、激痛の前に膝を屈したという。

魔族の頂点たる魔王もその例外ではなく、

魔王「ありのままに起こったことを話すぜ?色っぽいお胸の大きいチャンネーに抱き着かれたと思ったら

がんじがらめに拘束されて足つぼ責めにされていた。痛いなんてもんじゃねえアレは地獄の責め苦だった。頭がどうにかなりそうだった… もっとも恐ろしいものを味わったぜ。」

神器により魔族はその力を失い王国に平和がもたらされたのである。


現在でも聖女は畏敬の対象である。のちに王妃となった先代聖女とその義妹である「真なる聖女」には

王国の王室関係者と有力貴族たちは頭があがらなかったそうである。

王国の市井において子供がわるさをすると 「悪い子は 聖女様に足つぼにされるよ!」と叱るそうな。


足つぼ聖女を怒らせてはいけない。

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