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学園戦争~政権争奪編~  作者: 松永雅人
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1 楽園化計画

 1 楽園化計画

 10月、どの高校も生徒会選挙が行われるシーズンである。たいていの高校では生徒会というものは調査書の養分に使われるものであり、選挙時の演説もありきたりな言葉でありその後は興味のない集団の適当な投票によってすべてが進行する。当の生徒会役員はと言えば活動と言って集合しては仕事1割お茶会9割で全く役に立たない。生徒会というものはシステムのみの空虚な集団である(要出典)。


東京のどこかにある高校、未来島学園高校。ここでは、生徒の完全自治を目指した学園である。生徒会というものは学園の全権を握ると言っても過言ではない。それゆえ、この時期には、政権争いが激化するのだ。


未来島学園の派閥は主に二つに分かれている。青春を謳歌し、多くの学友とともに自己の成長を目指さんとする集団。そして、集団による同調圧力と嘘だらけの関係を嫌う個の集合体だ。


まあ、要は陽キャと陰キャって事だ。


はるか昔から続くこの2大派閥の闘争はこの時期にピークを迎える。

当然、両派閥の政権争いである。


 講堂にて第55回生徒会選挙の結果が報告された。

「厳正な選挙の結果、55代生徒会会長は2年4組の平和島雄一君に決定しました!!!」

 ワアアアアアアァァァァ!!!!!!

「それでは、平和島君から挨拶があります」

金髪の美青年がマイクの前に立った。すると大きな拍手と歓声、そして、少々のブーイングか浴びせられた。

「青春を愛し、青春に愛された生徒の皆さんこんにちは、新生徒会長の平和島雄一です。無事、生徒会長になれて今ホッとしています。さて、私は演説の際、学園の楽園化という言葉を発しました。これは、わが未来島学園を日本一の楽園にしようというものです。この計画の達成のため、各方面の優秀な生徒を生徒会役員としてスカウトしました。あとは計画を順次決行するだけです。早速今日、計画のうちの一つを発表いたします」

 会長が合図すると、上からスクリーンがおりてきた。

「楽園化計画第一弾は…こちらです!」


 放課後、西棟空き教室。

「ふっざけんなやボケが!!!!」

「こら、暴れてもどうにもならねーぞ友哉」

「なァにが大粛清だァ!?あんなん許せるかよ!!」

 手あたり次第に椅子をぶん投げる青崎友哉をしり目に、黒田涼太はパソコンに向かっていた。

「荒れてるなー。そりゃ当然か」

 そこには、最新ニュースである、「楽園化計画第一弾公開!!学園のガン細胞陰キャが追放か!?」という危険な香りのする見出しの記事と、荒れに荒れるコメントが映し出されている。

「まあ、新聞部は向こうの傘下になってるよねー」

 黒田は先ほどの就任あいさつを思い返す。


『我々には青春を謳歌することが最も求められます。しかし、それを脅かす悪辣なるものがいるのも確か。こういったものがいれば楽園を作り出すことはできません。そこで、そういった生徒にはこの学園から出て行ってもらおうと思います。この後すぐに、誓約書を生徒全員に書いてもらいます。内容は、楽園化計画を阻害しないこと、青春を踏みにじり集団を乱さないこと、その他青春を謳歌することに障害となることをしないことなどです。提出期限は1週間。生徒会室に直接本人が提出してください。期限内に提出がない場合は、青春を脅かす恐れのあるものとして“退学処分”にします』


「参ったねー。今期で決着をつけに来たかな」

「何を落ち着いてやがる!!このままじゃ学園から追い出されちまうぞ!?」

「そんなことできはしないさ…ってほかの高校なら言えるんだけどね。生徒会に全権があるっていうんだからホント」

「先生も頭おかしいんじゃねーか!?何が『生徒主権だからしょうがないかな』だよ!」

「まあ、それがこの学園の方針だしね。自由っていうのは享受するものじゃなくて勝ち取るものだから。何なら先生も僕らみたいな手のかかる陰キャなんかよりも脳みそお花畑の陽キャのほうが扱いやすいんじゃない?」

 黒田は、へへっと笑った。

「んだよ。おめーもあいつらの肩を持つのかよ」

「そうじゃない、ただ客観的な感想を述べたまでさ。僕だって自分の居場所を奪われちゃ困るさ。それに陽キャさんたちのようにふるまうだなんて御免だね」

「だったら!」

「待った、連絡だ」

 ピッピッピッ。

『松永だ、聞こえるか』

「聞こえてるよー」

『今そこには誰がいる』

「僕と友哉だけだよ。ほかには誰も」

『よし』

「理事長との交渉はどうだったのさ。こっちはずっと友哉が暴れ散らしてて困ってたんだ」

『何とか合意はもらえたさ。「自由は奪ってこそだね」って笑ってたぞ』

「相変わらずうちの理事長はぶっ飛んでやがるなぁ」

『だが、暴動での解決はだめだと言われてしまった』

「んまあそうだよねー」

『で、理事長が代案を用意していた。「素手での殴り合いは何も解決しないから、22世紀の技術と科学とオカルトとをねりねりして武器や防具を作っといてあげる」って言っていたが…』

「なんだそりゃ」

『さあ…、でもそれでなら殴り合いをしてもいいよって事らしい』

「それで勝ったほうが全権を握るのかな?」

『たぶんそういうことだろう』

「おーけー。じゃ、僕らは何をすればいい?」

『涼太はひたすら仲間を集めてくれ。派閥内外は問わない。これは大きな戦争になる。戦争は数が多いほうが勝つんだ』

「了解了解」

「俺は何をすればいいんだ?」

『あー、そうだな。とにかく鍛えといてくれ。おそらくお前が先陣切って暴れることになるからな』

「おっしゃ任せろ!!」

『ああそうだ、諜報部には北島を呼んである。早速協力して情報を集めてくれ』

「了解。ほかには?」

『ああそうだ、明日からは教室じゃなくて駅前のサ〇ゼリヤでやるからな』

「わかった」


理事長室。

「まったく…面白いことを考えるじゃないか」

「そんな言葉で済まされないでしょうに」

「まあ、俺としてもあのイケメンさわやか青年がうちのトップなんてーのは気に食わん」

「理事長モテないですからね」

「サッチーこそ30過ぎてんのに結婚できな

「うるさい!」

「ぎゃん!?」


どうも松永です。あ、作者のほうね。まったく主人公になりたいだなんて願望からまた自分の名前を作品に登場させちゃってねー。まあそれはいいや。

脳内の妄想が具現化しました。コメディっぽく書こうと思いますが、どうせ迷走するので覚悟しといてください。


青春連合

平和島雄一(へいわじま ゆういち)2-4生徒会長

永谷華那(ながたに はな)2-6生徒会副会長

小牧修平(こまき しゅうへい)2-2生徒会広報


リア充絶対殺す同盟

松永雅人(まつなが まさと)2-5同盟代表

黒田涼太(くろだ りょうた)2-4外交部長

青崎友哉(あおざき ゆうや)2-5総司令官

北島みや(きたじま みや)2-1諜報部長


学園関係者

大原史郎太(おおはら しろうた)学園理事長

南原幸枝(みなみばら さちえ)秘書


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