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家族との日常

新作です。



「ふわぁ、ねむ…」


今日もいつものように時間通り起きて弁当を作る。親が共働きなため少しでも親の負担を減らすべくほとんど朝食と弁当は俺が作る。と言っても必要なのは俺と妹と母さんだけだし、凝ったものを作る訳じゃないから辛くはない。強いて言うならリアタイアニメのせいで眠いことぐらいか…


「お兄ちゃんおはよぉ」


ドアを開けてやってきた着ぐるみパジャマは妹の琴海。


おっと、俺の名前を言ってなかった。

俺の名前は古賀(こが)仁也(じんや)だ。


さて、場面を戻そう。


「おう、おはよう」


琴美が目を擦りながらこちらにやってくるとさっき作った卵焼きを手でつまみ食いした。


「なにしてんの。はしたないですわよ」


「お兄ちゃんの卵焼きは出来たでが1番ですわよ。」


「あらま嬉しい、それなら弁当に入れる卵焼きは冷めてしまうから琴海には無しで宜しくて?」


「うわー!つまみ食いしたこと謝るから絶対入れて!」


「ったく、さっさと顔と手洗ってこい。それと母さんと父さん起こしてきて。」


「はーい」


琴美はそういうと洗面台に行き顔と手を洗うと親を起こしに行った。



「おとうさーん、もう9時だよー。今日休み?」


「なに!?遅刻だああああ!」



ちなみに今、朝7時である。



「おかあさーん、お兄ちゃんご飯の量間違えて炊いちゃったからお母さんの弁当無いって。」


勿論ちゃんと炊いてある。



「…え?うそでしょ?」


絶望したような顔で母さんが琴海を見る。



「うそ♪」


琴海はにこやかにそう告げた。


「…やられた。」


母さんは嘘だとわかると安堵したように息をついた。




「おにいちゃーん、起こしてきたよー。」


その後ろから慌てて来る父さんとやれやれとした表情のまま来る母さんが姿を見せた。


「おはよう二人共」


「おはよう仁也!」

「おはよう、まんまとやられたわ。」


「あはは、いつもながらだね。それと父さん今7時だよ。コーヒーテーブルに置いたから飲んで落ち着いて」


「え?」

「はぁ」


キョトンとする父さんとそれに呆れる母さん。うーんいつもの光景だな。良きかな良きかな。


そして、皆イスに座りご飯を食べ始める。


「「「「いただきます」」」」


「今日会議あるから疲れて遅く帰ってくるわ」


「なんでつかれる前提なのさ」


「だって、通るはずもない案件ぶっ込んできて、何故かそれが上の人の目に止まったからややこしくなってんだよ。内容見れば即ボツなのに」


父さんが恨みがましく新聞を見つめる。


「お母さんは今日コネファッキン女のヘマを修正して、クビにするようバトルしてくるからご飯作っといて。」


母さんの後ろに修羅が見えたので、もはや何も言うまい。



「お兄ちゃん、あのさ…」


「ん?なんだ?」


琴海を見ると琴海が朝ごはんを食べながら言いづらそうにもごもごしていた。



「お兄ちゃんのクラスのことが先生の話で、ね?」


すると、母さんと父さんがピクっと反応しこちらを向いた。


「なんだ、その事か。」


俺は別に問題にしなくてもいいのにと学校側にイラッとした。


「なんだ、また何かあったのか。」

「どうせ、どうでもいいことなんでしょ。お母さん手伝う?法律に詳しい友達いるし。」



「いやいいよ。それするとマスコミ来てめんどいし。」


母さんの友達という人脈ネットワークは本当に不明である。

テレビでニュースが流れた時も、友達に聞いたんだけどね、この犯人本当は警察の部長なんですって。と、とんでもない情報を掴んでいたりするのだ。いやそれ警察に言えよ。ってその警察がダメなのかなんてこった。


テレビをつければ、あ、なおちゃんだ。とアナウンサーを愛称で呼んでいたりする。 そんな母親の友達なんて絶対やばいに決まってるのだ。


それに、

「本当に大したことないしね、俺のクラスのやつが他のクラスのやつにちょっかい掛けられて反論してたら、教師に見つかって話が大きくなっただけだし。どうせ俺たちみたくならないようにとかだろ?」


「…うん。」


琴海が申し訳なさそうにしょんぼりしている。


「なんでお前がしょんぼりするんだ。お前は悪くないし、悪いとすれば問題になっているオレらと相手と学校だろ。学校なんて滅べばいい」


消えてしまえ、あんな学校。あんな(・・・)クラス作るなんてどうかしてる。まあ、俺からすれば最高なんだが。


「滅ぼす?お母さん友達に…」


「いやいいから!」


なんで学校滅ぼせる人と友達なんだよ、こえーよ。



「心配はしてないが、まあ気をつけろよ」


「ああ」


「あ、今日もお兄ちゃんのとこで食べるね!」


「まあいいけど、大丈夫なのか?俺たちのクラスに来て。」


「ふっ、そんなの今更だよ。私基本無口で通ってるから。それに周りからはあのクラスに兄を持つ哀れな子ってイメージだから。」


琴海はドヤ顔しながら腰に手を当ててふんぞり返った。


「うーん、ギャップって不思議。」





「じゃあいってきます」

「いってくるわね」


父さんと母さんが仕事に向かった。



「じゃあ俺達も行くか」


「はーい」


いつも通り鍵を俺が閉め、2人で学校に向かった。




でも今日起こった事以来日常は少し変わり始めた。






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