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異界史書かく騙りし
かつてフリージアという世界は魔王の脅威にさらされていた。
魔王は配下の魔物たちを指揮し、実に悪逆非道な手口で人間たちの住処を襲った。かの帝国ヴァシアは、古き書に言い伝えられている勇者なるものを異界・ニホンより召喚することに成功。
勇者は帝王ゼヴァ・オル・ヴァシア・ラトゥールの懇願を受けると魔王討伐の旅に出た。道中、いくつもの試練が襲いかかったが、勇者はそれらを一切退け歩みを止めることはなかった。地に魔物たちの骸が並ぶころ、ようやく勇者の脅威に気が付くもすでに遅し、勇者は魔王の城にたどり着いていた。
かくして勇者は魔王を討伐し、フリージアから脅威はなくなった。
――フリージア史書 第704巻より