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第夢話 『ルージュの記憶』
少年は夢を見た。
紅い夢だ。記憶を失ってからたまに見る夢。
見渡す限り花畑。そんな広大な丘から見える海には夕日が燃えるように赤く照っていた。花の1つ1つが赤と混ざりあって美しく大地を彩っていた。
音は無い。
そんな花畑に少女が1人。銀髪を短めのツインテールにした5才くらいの女の子。顔には赤い眼鏡が掛かっていた。その少女は座り込み、泣いていた。泣いていた。ひっくひっくと両手で泪を拭いて。
そこにとある少年が現れた。こちらも5才くらい。綺麗な赤毛が特徴の少年。赤毛が夕日によってさらに赤みを帯びる。
その少年は2言3言、少女に質問した。声は聞こえない。
そして少女も何かを答えた。こちらも音は無かった。
その答えを聞いて、少年は1言。そして満面の笑みを浮かべた。
そして世界はルージュに染まる。
これは紅い、紅い夢。




