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5.フレンド2

 昨日は不愉快な事が遭った訳だが、今日もすっきりとした目覚めであった。

 レオンとマオと一緒にチェックアウトし、食堂で朝食を取る。

「私達は、今日ボスを倒して次の街へ進む予定なのだが、琥珀も良かったらどうだろうか?」

 食事が終わる頃、レオンからそう誘われた。

「私もそうしようと思っていたんだ。宜しく頼むよ」

「後三人いるのだが、構わないかな?」

「うん」



 朝食後、待ち合わせ場所である北門へと移動すると、既に三人共待っていた。

 全員猫獣人だと聞いている。

「お、来たか」

 私が同行する事はレオンが予めメールで了承を得ていたので、スムーズに話しが進む。

「初めまして。琥珀です」

「宜しくな。大牙(たいが)だ。【刀使い】のスキルをメインに、【闇魔法士】を使う」

 大牙は黒猫少年。属性限定の【●魔法士】は、他の属性魔法が使えない代わりに強力な魔法を使えるそうだ。

「俺はジャガー。【魔法剣士】のスキルをメインに、【盗賊技能】を使うぜ」

 ジャガーはジャガー柄の少年。【魔法剣士】は物理ダメージと魔法ダメージを同時に与える事が出来る。但し、魔法の威力は【魔法士】に劣るそうだ。そして、【盗賊技能】は罠を発見したり・鍵を開けたりと主にダンジョンで活躍するスキルらしい。

「私は(あや)。【鞭使い】のスキルをメインに、【土魔法士】を使う」

 彪は紅一点の白猫美少女。彼女からは凛々しい印象を受けるが、男性的な見た目では無い。

「私は【炎魔法士】のスキルがメインだ」

 レオンは、他に戦闘に使用するスキルは覚えていないのだろうか?

「私は【水魔法士】のスキルがメインだ」

 マオもか。

 因みに、レオンと大牙とジャガーが中学二・三年生ぐらいの見た目で、マオと彪が中学一・二年生ぐらいの見た目である。

「私は【採集士】をメインに、【魔法士】を使う」

「【採集士】って、攻撃力が低いんじゃ無かったか?」

 大牙が私に確認する。

「そうだな。しかし、ドロップアイテムが沢山手に入るから得だと思ってな」

「確かに、生産職には良いかもな。で、何覚えてんの?」

「まだだけど、【調理士】にしようと思って」

「料理好きなのか?」

「いや。別に」

「さっさと行くぞ」

 門の真ん前でマオが催促した。

 私達は、彼に続いて街を出る。

 早く次の街へ行こう。街を振り向いてそう思った。



 街の外には、豚型モンスターが生息していた。

 襲って来るものだけを倒して進む。

 

<豚肉を手に入れた>

<豚耳を手に入れた>

<豚足を手に入れた>

~(以下略)~


 経験値はやはり入手出来なかった。



 昼になったので、外向きの車座になって昼食を取る。

 私は、市場で購入したプレイヤーメイドのポークサンドを食べ、水でのどを潤した。

「琥珀。フレンド登録しようぜ」

「うん」

 大牙とフレンド登録し、ジャガーと彪にもフレンドになって貰った。

「そうだ! このメンバーでギルドを作る予定なのだが、琥珀も入ってくれるか?」

「活動内容は?」

 レオンに誘われた私は、その点を確認した。最前線組になるとか言われたら断るつもりだ。

「活動内容は、個人の自由に活動する。但し、悪事は除く」

「それなら、入ります」

「そうか。良かった」

 レオンは嬉しそうに笑った。

「ところで、ギルド名は?」

「ああ。【猫団子】だ」

 猫同士くっついて丸まって寝るあれか。



 再び次の街を目指していると、イルカが口を開いた。

『そろそろ、中間地点だよ』

 そして、暫くして前方の地面が盛り上がり始めた。

「ボスのお出ましか~?」

 ジャガーが呟く。

 盛り上がった土は、巨大な蟹の形を取った。

『ボス:タイプ【キャンサー】だよ』

「行くぞ、皆!」

 レオンの合図で、全員が一斉に【猛獣化】して猛攻撃を叩き込む。



   ◇◆◇



 みくもは、琥珀達の後をこっそりと付けていた。

 流石に、四人共琥珀を助けないと思うほど自己中心的では無かったので、琥珀が一人になる隙を窺っていた。

 尚、言うまでも無いが、五人では無く四人なのはマオは助けないと思い込んでいるからである。

 しかし、昼食の時でさえ、固まって六人で360°警戒していた為、機会は無かった。

 これがゲームでは無く現実であったならば、トイレの際に隙が出来ただろうにと、みくもは臍を噛んだ。

 そうこうしている内に、六人の姿が一瞬で消えた。

 みくもは焦ったが、イルカがそろそろ中間地点だと言うのでボス戦だと気付く。

 これはチャンスだと、みくもは思った。

 ボスと戦えば、無傷では済まないだろう。回復アイテムも使いきるに違いない。強そうなレオンも刀使いも魔法剣使いも、手傷を負っていれば楽に倒せるだろう。鞭使いとあの女は魔法使いだから弱い。

 六人はボス戦にしては早く戻って来たが、みくもはそれを疑問に思わず、琥珀に襲いかかった。



   ◇◆◇



 ボスを倒した所で、ずっと私達をつけていたみくもが襲いかかって来た。

 飛び退った私が居た場所に近付いたみくもの姿が消える。

「ボス戦だな」

 レオンが呟いた。

「何がしたかったんだ、あいつ?」

「さあ?」

 大牙の疑問の言葉に、彪が首を傾げる。

「今の内に行くぞ」

 マオに促され、私達はその場を後にした。



「着いた……」

 日が暮れ始めた頃、漸く次の街に到着した。

『此処はエルボーゲンの街だ。入門料は300ゴルトだが、入るか?』

 順番に払って街へと入る。

『冒険者ギルドで拠点変更すると、死亡後にこの街の教会で復活するよ』

 イルカがそう教えてくれる。

『転移陣の利用が出来るようになったよ。一度拠点にした事がある街にしか行けないから注意してね』

「それじゃあ、解散で良いか?」

「うん」

 レオンの確認に皆同意して、現地解散した。



 冒険者ギルドで拠点変更をし、この街でも個室に風呂在りの宿を取った。

 彪も同じ宿を選んでいた。

「琥珀もこの宿か」

「うん」

「あの女、お前を狙っているようだったが……」

「借金があるから、当分この街には来れないだろう」

「そうか。それなら安心だな」



 夕食は、ポークステーキと野菜スープとライ麦パンだった。

 食後、部屋に戻って風呂に入り、ベッドに横になる。

 明日は何をしようかな?

猫獣人:Lv12→13

 力:86(+2)

 生命力:116(+2)

 知力:248(+19)

 精神力:224(+17)

 素早さ:74(+2)

 器用さ:116(+8)

 幸運:68


先天スキル:【猛獣化】 【跳躍】 【暗視】 【上下知覚】 【聴覚察知】 【隠蔽】 【忍び足】 【水泳】Lv1


後天スキル:【採集士】Lv15 【良質な眠り】 【魔力操作効率・中】 【魔法士】Lv3→4


SP:10


職業:冒険者

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