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3.リンクス山脈2

2016.09.29 蘇生費用に余計な字が入っていたので修正しました。

2016.12.12 【猛獣化】は5倍なのに間違って2倍にしていたので修正しました。

 翌朝。

 【良質な眠り】に因り爽快な朝を迎える事が出来た。

 ベッドに上体を起こして座りステータスを確認すると、SPが5増えていた。

 恐らく、Lv10になったからだろう。それ以前は増えなかったからな。

 今は覚えられないかもしれないが、次はどんなスキルを覚えようか?

 そうだ! 折角素材が沢山あるんだから、自分で回復薬を作ったら良いんじゃないだろうか?

 そう思ってSPが幾ら必要なのか【調薬士】を確認してみたら、10SPだった。

 他に覚えたいのは、【調理士】・【服飾職人】・【細工職人】・【工芸職人】・【木工職人】だろうか?

 10レベル毎に5ずつSPが貰えるなら、全部覚えるにはレベル120まで上げなければならないだろう。

「イルカ。レベルキャップは?」

『内緒だよ』

 それは困る。

「レベル100未満か以上かだけでも!」

『内緒だよ』

 あー、もう! 仕方ない。三つまでに絞るか。

 【調薬士】・【調理士】・【服飾職人】の順で良いだろう。



 食堂で焼き立てのパンと野菜のスープのセットを食べ、市場で豚串を購入してウエストバッグに仕舞った。

 生産職の人達も、この市場通りにシートを広げて販売していた。

 冒険者登録をしていれば此処で素材は売れないが、登録していなければ素材を販売して良いようだった。

『此処で販売するには、商業ギルドへの登録が必要だよ』

「そうなのか」

 覚えておこう。



『レベル10になったから、街の北のボスを倒して先に進むのがお勧めだよ』

「まだ行かないよ」

 イルカの勧めを断り、今日も、鶏モンスターを狩りつつリンクス山脈へ。



「此処は、採集や伐採以外も出来るのか?」

『出来るよ。お願いしてご覧』

「魚を取らせてください」

 柏手を打って頭を下げてそう頼む。

 山道に足を踏み入れると、昨日とは違い山道は左へ向かっていた。

 暫く進むと、滝の音が聞こえて来た。

「良かった。魚が生えているスライムが出て来たらどうしようかと思った」

 安心した矢先に、スライムの姿が見えた。

 何も生えていないので普通のスライムかと思えば、体内を魚が泳いでいた。……生簀スライムと呼ぼう。

 釣竿と出刃包丁で悩んだが、スライムがじっとしている訳は無いので出刃包丁を取り出した。

 案の定襲いかかって来るスライムに、出刃包丁を振るう。


<アユを手に入れた>

<アユを手に入れた>

<アユを手に入れた>

<アユを手に入れた>

~(以下略)~


 川に辿り着き、岩に腰掛けて釣り糸を垂らす。

 釣れないな~。

 川のせせらぎや鳥の鳴き声を聞きながら釣れるのを待っていると、竿がしなった。

 竿を引っ張ると、ゲージが表示された。

 これによって、釣れそうなのか逃げられそうなのかが判るようだった。

 緩めたり引っ張ったりする内に抵抗が弱まり、無事釣り上げる事が出来た。

「ふ~……」


<ウグイを手に入れた>

<ウグイを手に入れた>

<ウグイを手に入れた>


 増えた!?

 【採集士】の効果とは言え、おかしなものだ。



 釣りながら昼食用に買って来た豚串を食べていると、イルカが話しかけて来た。

『もっと先へ進むと、海があるよ』

 その言葉に従い暫く進むと、林の向こうに海が見えて来た。

 太陽が波に反射していて眩しいけれど綺麗だ。

 此処にも当然生簀スライムがいる。魚だけではなく、貝や蟹も入っていた。


<マグロの赤身を手に入れた>

<マグロの中トロを手に入れた>

<マグロの大トロを手に入れた>

<マグロのカマトロを手に入れた>

~(以下略)~


 好物のマグロが手に入った。……先に【調理士】取ろうかな?

「ん?」

 ふと、海に異変を感じて大きく飛び退ると、海中から巨大なスライムが姿を現し、陸へと上がって来た。

「な……」

 どれぐらい巨大かと言えば、鯨が入るぐらいである。

 巨大スライムはもったりと飛び跳ね、重い音を響かせ地面を揺らす。

 それを敏捷に飽かせて避け・鯨包丁で斬った。

 しかし、流石にデカイだけあって、HPの減りが少ない。



 五分ぐらい経っただろうか? 疲れて来た。

「イルカ! 疲れやすさって、生命力で変わるのか?!」

『地形とか天気とかも関係有るよ』

 なるほど。此処が砂浜だからだろうか?

『後、種族』

 ああ。竜人とか疲れにくそうだよな。このゲームに存在するかは判らないけれど。

 このまま疲労が強くなったら、避けきれずに攻撃を受けてしまうかもしれない。

「デスペナルティは?!」

『蘇生費用として100万ガルト引かれるよ。足りなかったら借金』

 シビアだな。

『後、防具の破損と三日間の体調不良だね』

「経験値の減少は?!」

『それは無いよ』

 経験値は減少しても良いから、蘇生費用を少なくして欲しかったな。

 そうだ! 【猛獣化】を使ってみよう!


 五倍になった素早さの影響で、巨大スライムの動きが止まって見える。

 十秒間に五回以上の斬り付けで、残りHPがあっと言う間に0になった。


<鯨の肉を手に入れた>

<鯨の油を手に入れた>

<鯨の髭を手に入れた>

<鯨の骨を手に入れた>

~(以下略)~



 【猛獣化】を使っても、見た目に獣毛が生える等の変化がある訳ではないようだった。見えない部分が変化していた可能性はあるが。

「ところで、イルカ。さっきの話だが、PKでも蘇生費用が引かれるのなら、踏んだり蹴ったりじゃないか?」

 夕方近くなっていたので、戻りながら話しかける。

『PKした方から引かれるから大丈夫。但し、PKされた方に非が無い場合に限るよ』

「非がある場合って、PKだとか?」

『そうだね。後、規約違反行為をしたとかだね』

「そうか」



 今日も昨日と同じ宿を取った。

 昨日の部屋が空いていたので、其処にして貰った。

 夕食のメニューは、スープの野菜が少し違うだけで昨日と同じだった。

「そう言えば、【良質な眠り】が無かったら、翌日に疲れが残るって事もあるのかな?」

『あるよ』

 翌日に疲れが残るとしたら、夜も狩りをした場合だろう。今の所、夜に狩りをするつもりは無いし、そもそも【良質な眠り】を覚えている私には、無縁の話だが。

 明日は、採掘を頼んでみようかな?

 私はそう思いながら眠りに着いた。

猫獣人:Lv10→12

 力:84(+4)

 生命力:114(+4)

 知力:229(+38)

 精神力:207(+34)

 素早さ:72(+4)

 器用さ:108(+16)

 幸運:68


先天スキル:【猛獣化】 【跳躍】 【暗視】 【上下知覚】 【聴覚察知】 【隠蔽】 【忍び足】 【水泳】Lv1


後天スキル:【採集士】Lv9→13 【良質な眠り】 【魔力操作効率・中】 【魔法士】Lv3


SP:5


職業:冒険者

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