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1.シックスバスターズ

 ある日、病気療養中で暇を持て余していた私に、VRゲームマシンが届いた。

 一ヶ月ほど前に、とあるゲームのβテストに申し込んだのだが、当選したらしい。

 ゲームの名は、【シックスバスターズ】。RPGだ。

 どんなゲームなのか、βテスト開始日が楽しみである。



 数日後。漸くβテスト開始となる。

 開始時間までに起動して、キャラメイクをしておかなければならない。

 間に合わなかったら、ランダムで決められてしまうらしい。

 マシンを起動し中に入ると、ゲームを起動した。

 

『ようこそ。僕はヘルプ担当のイルカだよ』

 手の平サイズの青いクジラの縫い包みが浮かんでいる。

「クジラなのに、イルカなのか?」

『僕はヘルプ担当のイルカだよ』

 先程の自己紹介を繰り返す。

「イルカは、個人名なのか?」

『僕はヘルプ担当のイルカだよ』

 今のAIはこの程度なのだろうか?

『さあ、キャラメイクをしよう。その前に、種族は此方で決めさせて貰うよ。質問に答えてね』

 その後の質問は沢山あって、早めに起動して良かったと思った。



『君の種族は、【獣人:タイプ『猫』】だよ』

 目の前に顔の無いマネキン人形が現れた。

 頭に猫耳が、尻に尻尾が付いている。

『猫耳の色と柄を決めよう』

 悩んでいる時間は無いので、キジトラにした。

『尻尾の色と柄を決めよう』

 やはり、キジトラにする。

『身長を決めよう』

 猫耳とか付いているなら、子供の方が良いかな?

 そう思って、小中学生ぐらいにした。

『体格を決めよう』

 変更無し。

『肌の色を決めよう』

 現実の自分と同じような色にした。

『目を選ぼう』

 猫目を選択。

『目の色を決めよう』

 琥珀色にした。

『眉を選ぼう』

 太過ぎず細過ぎず、綺麗な曲線の物を選択。

『鼻を選ぼう』

 高過ぎず低過ぎず、大きくも無く小さくも無い鼻にした。

『口を選ぼう』

 薄過ぎず厚過ぎず、大きくも無く小さくも無い口を選択。

『髪型を決めよう』

 ラフな感じのショートヘアにした。

『髪の色を決めよう』

 キジトラの色に近い色にする。

『これで良い?』

「良いよ」



『次はステータスを決めよう。50ポイントあるから、好きなように振って。それに従ってレベルアップで上昇するよ』

「ポイントを多く振った物が多めに上がるのか?」

『そうだね』


 力(物攻):60(『人間』の平均値は40)

 生命力(物防・多いほどHPが上がる):90(『人間』の平均値は60)

 知力(魔攻):1(『人間』の平均値は7)

 精神力(魔防・多いほどMPが上がる):3(『人間』の平均値は20)

 素早さ:48(『人間』の平均値は16)

 器用さ:12(『人間』の平均値は50)

 幸運:68(ポイントを振れるのは20未満の場合のみ)


 猫獣人は、魔法使いに向いていないようだ。

 私は、数値が低い所は上げたいタイプなので、プレイスタイルなんて考えずに知力と精神力と器用さに大目に振った。


 力:62(+2)

 生命力:92(+2)

 知力:20(+19)

 精神力:20(+17)

 素早さ:50(+2)

 器用さ:20(+8)

 幸運:68


『これで良い?』

「良いよ」



『次はスキルを決めよう。最初に、先天スキルを確認してね』


 先天スキル

  【猛獣化】(10秒間全てのステータスが5倍になる・クールタイム1時間)

  【跳躍】(身長の5倍)

  【暗視】

  【上下知覚】(上下を一瞬で確実に判断し、体勢を整えられる)

  【聴覚察知】(音を頼りに、敵の位置等を特定する)

  【隠蔽】(姿を見えなくする。スキルを使ったり攻撃したりすると解ける)

  【忍び足】(足音以外にも自分が立てる音全て消す)

  【水泳】


 何故か、先天スキルに水泳がある。猫は泳ぎが得意だっただろうか?

「どうして、【水泳】が先天スキルとして存在するんだ?」

『【水泳】は泳ぐ事が出来るようになるスキルだよ』

 どんなスキルか聞いている訳じゃない。

『それじゃあ、スキルを選んでね。100SPが使えるよ。余ったSPは持ち越せないからね』


 う~ん。どんなプレイスタイルにしよう?

 折角、知力と精神力を上げたから、魔法を覚えようか?

「お勧めは?」

『種族決定時の質問結果から、お勧めするよ。先ずは、採集系スキル。お勧めは全部合わさった【採集士】。必要SPは30だけど』

 採集スキルか。確かに、折角魔物を倒すなら、肉とか手に入った方がお得だな。

「じゃあ、それ」

『覚えたよ。次は、【良質な眠り】。不眠にならないし、短い睡眠でもHP・MP完全回復。目覚めすっきり。不眠症の人や低血圧の人にお勧めだよ。必要SPは10』

「このゲーム、不眠症や低血圧を再現するのか?」

『完全じゃないけどね』

 余計な機能付けるなよ。

「じゃあ、覚える」

『覚えたよ。次は、【魔力操作効率・中】。MPの消費が抑えられるよ。必要SPは20』

 どうしよう? 残り40SPで魔法覚えられるかな?

「覚える」

『覚えたよ。最後は、魔法スキル。お勧めは全部合わさった【魔法士】だよ。必要SPは40』

 ぎりっぎり! はぁ。良かった。

「覚える」

『覚えたよ。確認してね』


 後天スキル

  【採集士】Lv1(戦闘時に適切な武器使用で、ドロップアイテム増加)

  【良質な眠り】(短時間の睡眠で、HP・MP完全回復)

  【魔力操作効率・中】熟練度0(熟練度が100になると、『高』に進化出来る)

  【魔法士】Lv1


『これで良い?』

「良いよ」



『最後に、名前を決めよう』

 名前……。猫……。虎……。琥珀!

「琥珀」

『琥珀だね。……使用出来るよ。これで良い?』

「良いよ」

『それじゃあ、後5分位だから、待ってね』



 そして、5分が経った。


<ログインします>


<ログインが完了しました。条件を満たすか、現実で死亡しない限りログアウト出来ません。皆様、良いゲームライフを!>

猫獣人:Lv1

 力:62(+2)

 生命力:92(+2)

 知力:20(+19)

 精神力:20(+17)

 素早さ:50(+2)

 器用さ:20(+8)

 幸運:68


先天スキル:【猛獣化】 【跳躍】 【暗視】 【上下知覚】 【聴覚察知】 【隠蔽】 【忍び足】 【水泳】Lv1


後天スキル:【採集士】Lv1 【良質な眠り】 【魔力操作効率・中】 【魔法士】Lv1


SP:0

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