不穏
周りに自分を悟られないように傷を隠しながら歩く。
神楽はジェスの部屋を出るときに妙な物を見つけた。
「遺伝子超変換」
それには何らかの影響で遺伝子が勝手に変換され狼人間になってしまうという物だった。
人間の姿では月に弱くなる、空間の見え方が変わる、脳の構造が変わるので人を襲って食す事があり、動体視力、観察力が優れる、人間と筋肉の構造が変わるので超越した運動能力が発揮されることがある、等と記載されていた。
確かに前にクリスマスの夜に心臓が焼けそうになったことはあった。ジェスを殺った時も自分の動きは普通なのに相手の動きが遅く見えた。
これは狼人間の予兆なのか?と考えてしまうほどぴったりと当てはまっていた。
何気に街中を歩いていたら拓人が前を歩いていた、
「拓人!」
走り出していた、しかし走る神楽の耳に不吉な音が聞こえた、『ガコッ』上を見上げた神楽、すると大型デパートのネオンの看板が拓人の頭目掛けて落ちていく、このままだと拓人が死ぬ、でも、助けるには絶望的な距離だった。そんなことは誰でも予想できた。しかし、周りの人間は予想できていなかった。人間を遥かに超越した運動能力で拓人へと走る人間の存在に。
「拓人ォォォォォォーーーッ!!」
神楽は思いっきり踏み込み拓人へと飛びつき抱き抱えそのまま転がった。その約2秒後、ネオンの看板が大きな破裂音を立て大理石の地面にめり込んだ。
神楽は見逃さなかった。この大型デパートの屋上にいた二足歩行の狼の姿を。
どーも、ふゆつきです!
投稿がかなり遅れましたーすいません、私今年から高校生でして色々部活やら何やらで疲れてまして(言い訳)すいません。
次からは早く投稿できるように努力しますんでこれからも何卒よろしくお願いいたします。
ふゆつきでしたー