開始
とある森の中、男は歩いていた。
最近始めたパトロールの仕事、夜中の2時まで出来る限り捜索する。ここらで多々殺人事件が起きていることから範囲を決めこの広い森を100人がかりで捜索する。
「やるだけ無駄だろ……いねぇし」
適当にぶらぶら歩きながらパトロールをする男。眠たそうに目を擦りながらため息をつく。すると、懐中電灯の電池が切れた。
「うおっと、止めろよ。でも、替えの電池があんだよ」
ポケットから電池を取り出すのに夢中で目の前の存在に気づかなかった。
紅い目を光らせながら牙を剥くその存在。
雲が晴れ隠れていた月が全貌をあらわにする。赤く照らされた存在に気づく男。
数秒後、男の断末魔が森中を駆け巡った。
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「昨日未明、新潟県の森を捜索していた新潟県警の村元小月さんが問題となっている謎の生き物に殺害されました。死体はまたしても心臓だけがくり抜かれた状態でそれ以外は綺麗なままなそうです。」
東京都のとあるラーメン店で食事をしていた少年2人が麺を啜りながら報道されているニュースを見ながら話す。
「また、このにゅーすかよ…」
「ここは安心だな。だって東京だもんな。」
「え?お前明後日新潟行くんじゃなかったか?」
「あれなら行かなくなったから大丈夫ぅ!」
「なんだよ…行ってきて写真撮ってきてよw」
「阿呆かお前はwwいかねぇし」
代金を払い、その店を後にした2人。只今午後8時45分。東京の街はすっかり闇の衣を纏い今クリスマスシーズン真っ盛りの東京の街を雪が白く着飾り、クリスマスソングが心を高ぶらせる。
「明日、イヴやなw」
「どうした、拓人いきなり」
「いやー明日美穂とクリスマス過ごすからさー楽しみでw」
「うるせーリア充爆ぜろww」
「神楽もさっさと彼女作れ」
「作りたいっていって作れるようなもんじゃねぇ、いいの、俺は爆ぜろって思ってるだけで楽しいから」
「つまんねぇの」
このリア充の鷹山拓人は黒髪で長髪、髪を後ろで縛っていて目つきが怖いが、実は臆病な人だ。そしてリア充に対して猛烈な敵意を発する朱雀神楽は拓人とは逆で短髪で少し茶がかっていて、拓人よりも顔は美形であった。リア充に敵意を発する神楽たが、何故か拓人は許せたのだった。
「じゃあな。美穂と楽しめよ、拓人?」
「あぁ、めっちゃ楽しんでくるw」
2人は別れて歩き出す。別れてすぐに神楽がブルルっと身震いした、そして拓人の方を向く。楽しげ、しかし何故か悲しげなその背中を見つめ何もなかったかのように向き直り歩き出す。
これが彼らの平和な日常の最後の1日だとは誰も知る由も無い。
今回初めて投稿させてもらいました、ふゆつきと申します。
遊びで小説を書くのは好きだったのですが、こうして本格的?に書くのは初めてなので地味に緊張してます笑
さて、今回から書き始めた「月下餓狼」是非楽しんで見てもらえたら嬉しいです!