残りのジャンル・おわりに
このページでは、残りのジャンル『リプレイ〔その他〕』『その他〔その他〕』『ノンジャンル〔ノンジャンル〕』について見ていきます。
最後に本稿のまとめ——筆者の持論を開陳して、それで終わりです。
これまでのように複数のジャンルを一度に論ずるのではなく、1 つずつ分けて書きます。
【リプレイ〔その他〕】
そんなジャンルあったっけ?
あります。
ありまぁす!
あったんです。
ジャンル別ランキングに表示されないから、存在感がないんですよね。
だから、ジャンルの存在自体を知らない人がいても、不思議ではありません。
作品の数も、ジャンル全体で 608……さっき改めて確認しましたが、604 作品しかありません。
グラフは必要ないですね。
こんなジャンル『リプレイ』ですが。
つまり、TRPG のリプレイを投稿するためのジャンルですが。
作者も読者もいないはずなのに、妙に力が入ってると言うか……。
専用の投稿フローがあったり。
細かい規約みたいなものが用意されていたり。
二次創作に近い部分があるでしょうから、当然と言えば当然ですが。
筆者は TRPG には詳しくないので、この辺で切り上げますが。
なんか、ちょっと面白いな、とは思いました。
【その他〔その他〕】
『純文学』とか『ヒューマンドラマ』とかも『その他』っぽいですが、ここが本家本元の『その他』です。
作品数、ポイント、文字数のグラフを貼ります。
グラフ14-1【その他〔その他〕】作品数(年)
2017年 5,562 ■■■■■□
2018年 5,756 ■■■■■□
2019年 6,248 ■■■■■■
2020年 6,136 ■■■■■■
2021年 5,773 ■■■■■□
2022年 5,535 ■■■■■□
■は1,000、□は500以上1,000未満
2023/01/31取得、検索範囲指定『初回掲載日』
グラフ14-2【その他〔その他〕】上位100件の総合ポイント合計(年)
2017年 115k ■■■■■□
2018年 139k ■■■■■■□
2019年 107k ■■■■■
2020年 200k ■■■■■■■■■■
2021年 182k ■■■■■■■■■
2022年 199k ■■■■■■■■■□
■は20k、□は10k以上20k未満
数値は千の位までの概数(百の位を四捨五入)
2023/01/31取得、検索範囲指定『初回掲載日』
グラフ14-3【その他〔その他〕】上位100件の文字数合計(年)
2017年 7,080k ■■■■■■■
2018年 5,545k ■■■■■□
2019年 4,772k ■■■■□
2020年 5,472k ■■■■■
2021年 4,549k ■■■■□
2022年 3,120k ■■■
■は1,000k、□は500k以上1,000k未満
数値は千の位までの概数(百の位を四捨五入)
2023/01/31取得、検索範囲指定『初回掲載日』
なんか……理想的なグラフです。
下手なジャンル、例えばエッセイジャンルなどと比べて、ずっと調子が良さそうです。
まあ、作品数のグラフは平坦ですし、ポイントを見れば過疎ジャンルなんですが……だって『その他』だし。
ここが伸びていくようだと、色々とまずいです。
筆者的には癒やし枠の『その他』でした。
【ノンジャンル〔ノンジャンル〕】
そんなジャンルあった(ry
『ノンジャンル』という言葉は、多くの場合、『ジャンルに囚われない』とか『ジャンルの枠を超える』とか『特定のジャンルに限らない』といった意味で使われるものだと思います。
要するに『その他』または『なんでも』です。
ですが、ここ『小説家になろう』では違います。
『ノンジャンル』の意味は『その他』ではありません。
ここ『小説家になろう』における『ノンジャンル』の定義。
『ノンジャンル』=『ジャンルに非ず』=『ジャンル未設定』です。
これはどういうことかと言いますと。
去る 2016 年 5 月 24 日。
ここ『小説家になろう』で、ジャンル再編成が実施されました。
それまで使われていたジャンルをすべて廃止して、現在使われているジャンルに改めた、つまり、仕様を変更したわけです。
仕様変更よりも前に投稿された作品は、一部を除いて、ジャンルが『ノンジャンル』に変更されました。
これは、作者が手作業でジャンルを設定し直すまで、そのままです。
この日までに投稿された作品の数、小説検索画面の数字では、32 万弱。
ジャンル『ノンジャンル』で検索すると、24 万弱。
実に 3/4 近くの作品が、ノンジャンルのまま放置されています。
本稿執筆時点での『ノンジャンル』総合ポイント 1 位は、N8725K『ログ・ホライズン』です。
同じ検索画面には、N9612L『義妹が勇者になりました。』とか、N2046BC『腕白関白・改定版』などが並びます。
うーん……。
筆者、思うのですが。
ジャンル『ヒューマンドラマ』とか、先日の『代表作』機能とか。
『ノンジャンル』とか。
このサイトの仕様を考えている人(たち)は、言葉というものに対する、敬意とか、知識とか、洞察とかに欠ける、つまり、センスがないです。
お前(ら)センスねーぞ。
まあ、センスがあったら、作家でも、編集者でも、なんにでもなっているでしょう。
しかしです、そうは言ってもですね。
言葉は記号です。
記号は式やモデルを構成します。
この、式なりモデルなりを用いて、人間は、現実世界の現象について、分析し、理解し、記述します。
ソシュールとかの話ではないですよ。
そうではなくて、もっと程度の低い話です。
例えばです。
あなたはコンピューターの技術者です。
あなたはデータベースの設計をしています。
あなたは、今、顧客情報を保存するテーブルのカラム、つまり、人間の名前やメールアドレスなどを保存しておく場所ですが、その保存場所に名前を付けようとしています。
この保存場所の名前、カラム名には英語を使うことが多いのですが、それを『first_name』『last_name』などとするのは、賢明ではありません。
「『first』は『最初』だから、『上の名前』のことだよね」
英語の苦手な同僚が姓名を取り違える。
事故を誘発する、危険なカラム名です。
センスがない。
……ちょっと分かりにくかったでしょうか。
すみません。
もう少し分かりやすい話をしましょうか。
つい先日話題になった『ねこホーダイ』。
『猫のサブスク』などと呼ばれて批判を受けました。
あのサービス、実を言うと、利用規約には最初から『猫の譲渡をする場合、原則1年間に1匹』と書かれていました。
全然『ホーダイ』じゃない。
猫を借り放題、返し放題ではないのに、それと誤解させる。
炎上を誘発する、危険なサービス名です。
センスがない。
筆者の言いたいことが伝わったでしょうか。
不確かな言葉。
不正確な言葉。
センスのない言葉。
センスのない言葉を使っていては、センスのない活動しかできません。
『小説家になろう』のジャンル名にはセンスが感じられません。
よく考えて名前を付けた、という感じが一切しない。
言葉=ジャンル名にセンスがないから、作品を分類するモデルとして、ジャンルがうまく機能しない。
だから、特定のジャンルが過密になったり、過疎になったりする。
…………。
最後に持論——愚痴が長くなってしまいましたが。
ここまでとします。
本稿はこれにて完結です。
『なんか最近面白くない』……から始まって、サイト全体、各ジャンル、それぞれの現状について、数字とグラフで見てきました。
全体的に、なんとなーく、頭打ち。
そんな実態を確認できました。
足し算しかできない筆者でしたが、まあ、ある程度、いい感じにまとめられたのではないかと思います。
調べるのが好きっ!
筆者としては、色々と調べて、グラフを貼りまくって、持論も書いて、ちょっとすっきりしたのですが。
読者の皆様はどのように感じられたでしょうか。
面白かったでしょうか。
参考になったでしょうか。
なんか長いだけで時間の無駄だったでしょうか。
調べるのが好きっ!
ここまで読んでいただけて良かったです。
気が向いたら、また何か調べてみようと思います。
お約束はしませんが。