はじめに・全ジャンル
なんか。
さいきん。
つまらない。
なんか最近なんか。
そう思うことはないでしょうか。
ないですか。
そうですか。
さようなら。
…………。
筆者はあります。
ランキングは異世界恋愛ばかりだし。
ハイファンは盛り下がってるし。
某日間スレは過疎ってるし。
日間スレは一応読者側のスレだと思いますし、筆者自身はこれでも一応作者側なので、書き込まないようにはしています。
まあ、それはどうでもいいと言うか、書き込むネタもないわけですが。
とにかく。
なんか最近面白くないわけです。
なぜなのか。
どうして面白くないと感じるのか。
疑問、です。
疑問がある。
疑問に思う。
疑問に思ったら、どうしますか。
疑問に思ったら、調べます。
調べるのが好きっ!
本稿は『小説家になろう』の現状について調べるエッセイです。
ただ漠然と調べても埒が明かないので、各ジャンルに分けて調べます。
ですが、最初は、サイト全体について見ていきます。
とりあえず……作品の数でも数えてみましょうか。
グラフ1-1【全ジャンル】作品数(年)
2017年 083,874 ■(略)□
2018年 086,785 ■(略)■■
2019年 089,616 ■(略)■■■□
2020年 098,760 ■(略)■■■■■■■■
2021年 101,657 ■(略)■■■■■■■■■□
2022年 098,988 ■(略)■■■■■■■■
■は2,000、□は1,000以上2,000未満
2023/01/31取得、検索範囲指定『初回掲載日』
これはなんですか。
これはグラフです。
本稿はグラフエッセイです。
グラフが画像じゃなくてウォンバットのアレみたいなのが並んでるのは、筆者が無能だからです。
あと、コピペしやすいように、という配慮もあります。
一応、有能なグラフエッセイをご覧になりたいという方には、Nコードを貼ってしまいますが、N3630FB(タイトルは長いので省略)とか、同じ作者様の N1660HP(同じく省略)をご紹介しておきます。
それで……肝心のグラフの中身ですが。
まあ、分かりますよね。
年別の作品数です。
小説検索画面で『初回掲載日』だけを指定して検索することで、それぞれの年に新しく投稿された作品の数を割り出したわけです。
削除された作品や検索除外中の作品は含まれません。
また、同じ検索画面の『最新部分掲載日』は使いません。
こちらを使ってしまうと、何年も連載している大長編と昨日今日始まったばかりの新作が混ざってしまい、年別の特徴が見えにくくなります。
本稿では、あくまで作品の開始時点に注目します。
それで……肝心のグラフの中身ですが(再)。
まあ、悪くないですよね。
2020 年に急増し、2021 年がピークで、2022 年は微減か横ばい。
『小説家になろう』が詰まらなくなったとか、衰退しているとか、そんな感じのグラフではありません。
なあんだ。
詰まらないとか。
盛り下がってるとか。
全部筆者の気のせいか。
いつもの衰退論か。
『□ク□△』の工作員か。
……もう少し詳しく見てみましょうか。
グラフ1-2【全ジャンル】上位20件の総合ポイント合計(年)
2017年 6,870k ■■■■■■□
2018年 5,918k ■■■■■□
2019年 6,800k ■■■■■■□
2020年 6,629k ■■■■■■□
2021年 4,638k ■■■■□
2022年 2,897k ■■□
■は1,000k、□は500k以上1,000k未満
数値は千の位までの概数(百の位を四捨五入)
2023/01/31取得、検索範囲指定『初回掲載日』
これは……なんとなーく、実感に近いグラフですが。
まあ、分かりますよね。
年別の作品数を調べた検索画面で『検索結果の並び替え』を『総合ポイントの高い順』に設定しました。
その 1 ページ目の『総合ポイント』をすべて足した数字です。
これを 20 で割れば、上位 20 件の総合ポイントの平均です。
このグラフ。
分かりやすい『切り取り』です。
上位 20 件って、まず、その『20』という数字が恣意的ですし、上澄みも上澄み、全体を無視して、ランキングの頂点だけを見ているわけです。
加えて、連載期間の長い作品と短い作品とでは、前者の方がポイントを獲得する機会が多いはずです。
ですから、2021 年はともかく、2022 年のポイントの少なさは、ある程度、割り引いて考える必要があります。
一方、このグラフから分かることもあります。
2017 年から 2020 年まで、数字は横ばいです。
全体の作品数にかかわらず、このサイトの頂点はこのくらいで、これより上には行けない。
2021 年の数字を見ると、むしろ天井は下がっている。
サイト全体の様子は分からないが、上澄みに限って言えば、大ヒットが生まれにくい環境になりつつある。
また、筆者はこのグラフを切り取りだと言いましたが、そもそもの話、このサイトの主要な導線であるランキング、これ自体が切り取りです。
『総合ポイントの高い順』に並べられた上位 100 件とか 300 件とかにアクセスが集中する仕組みになっているので、ここから漏れた作品は存在していないのと変わらない。
だから、上位の作品に限って論じることには、それなりの妥当性がある。
そうは言っても、上位 20 件では少な過ぎでしょう。
100 件くらいデータを取ってみましょうか。
グラフ1-3【全ジャンル】上位100件の総合ポイント合計(年)
2017年 17,125k ■■■■■■■■□
2018年 15,244k ■■■■■■■□
2019年 17,719k ■■■■■■■■□
2020年 19,671k ■■■■■■■■■□
2021年 13,608k ■■■■■■□
2022年 09,290k ■■■■□
■は2,000k、□は1,000k以上2,000k未満
数値は千の位までの概数(百の位を四捨五入)
2023/01/31取得、検索範囲指定『初回掲載日』
なんか……グラフの形があまり変わらないと言うか、COVID-19 と言うか、異世界恋愛と言うか……。
まあ、分かりますよね。
とにかく『総合ポイント』を足しまくったわけです。
くぅ〜疲れましたw
すみません。
うそです。
API です。
『なろう小説API』というものを使って、ちょこちょこっと細工をすれば、このくらいは楽勝です。
足し算の部分は、まともな人間なら Excel や Python を使うところですが、筆者は AWK を使っています。(『oak』や『orc』ではありません。)
無能なので、これしか使えないんです。
それで……グラフの話に戻りますが……。
とりあえず、2020 年が少し多いだけで、2021 年、2022 年……ぱっとしない。
語ることがない。
あっ、2020 年 3 月 3 日の、評価フォームの仕様変更を忘れていました。
ですが……このグラフからは……その影響は不明、ですね。
他にも分からないことは多いです。
さっき言った感染症の影響、つまり、社会の変化や読者層の変化の影響は、このグラフでは分かりません。
読者の嗜好の変化、例えば、完結しない長編よりも、手軽に読める短編を好むようになったとか、筆者自身は懐疑的ですが、とにかく、読者の内心は分かりません。
ポイントクレクレとか、ランキングハックとか、短編詐欺とか、『ざまぁ』とか『追放』とか『婚約破棄』とかの影響も、調べれば分かるかも知れませんが、今回は、そこまで調べません。
ただ、そうは言っても、タイトルで宣言した手前、何も調べないのは問題なので、文字数くらいは調べておこうと思います。
グラフ1-4【全ジャンル】上位100件の文字数合計(年)
2017年 117,575k ■■■■■■■■■■■□
2018年 094,589k ■■■■■■■■■
2019年 078,376k ■■■■■■■□
2020年 049,026k ■■■■□
2021年 043,195k ■■■■
2022年 024,550k ■■
■は10,000k、□は5,000k以上10,000k未満
数値は千の位までの概数(百の位を四捨五入)
2023/01/31取得、検索範囲指定『初回掲載日』
『上位100件』は『文字数の多い順』ではなく『総合ポイントの高い順』です。
本稿で使用したデータの出力順序は、これに限らず、すべて同じです。
それで……なんか、すごい勢いで短くなってますね。
もちろん、2017 年の作品と 2022 年の作品が同じ長さになるわけはないのですが、それにしても短くなり過ぎです。
何かあると考えるのが普通ですね。
この上位 100 件の中で、どのジャンルが人気なのかも見ておきましょう。
グラフ1-5【全ジャンル】上位100件のジャンル割合(年)
2017年 ■■■■■■■※□□
2018年 ■■■■■■※※□□
2019年 ■■■■■※※□□□
2020年 ■■■■■■※□□□
2021年 ■■■■※□□□□□
2022年 ■■■※□□□□□□
■はハイファンタジー、□は異世界恋愛、※は他
■と□は一の位を四捨五入
2023/01/31取得、検索範囲指定『初回掲載日』
これは……圧倒的……ですが。
まあ、分かりますよね。
ハイファンと異世界恋愛で、年別の総合ポイント上位 100 件の 8 割以上を常に占めている、というグラフです。
また、2021 年以降、ハイファンにポイントが集まりにくくなり、異世界恋愛だらけになっている、というグラフでもあります。
こんなところでしょうか。
これで……なんとなーく、全体像は見えてきたと思います。
次のページでは、ジャンル『異世界〔恋愛〕』について見ていきます。