表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
溺愛?執着?転生悪役令嬢は皇太子殿下から逃げ出したい~悪役令嬢は、絶世の美女にも関わらずオカメを被るが、独占しやすくなって皇太子にとって好都合でしかない~ 【まったり連載版】  作者: うり北 うりこ@3/13『好きです。 騎士団長様』発売
第一章 前世を思い出した悪役令嬢は、皇太子の執着に気が付かない

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/93

悪役令嬢、降臨

読んでいただきありがとうございます!


「おーほほほほほっ」


 高く高く響き渡る声。深紅のドレスを纏い、高笑いをする彼女の周りには大勢の子息と子女がいた。

 皆、彼女の機嫌を取ることに必死である。機嫌を損ねてしまえば、次に彼女の標的にされるのは自分かもしれないのだから。


 中心にいる人物の名前はイザベル・マッカート。マッカート公爵の愛娘でここファビリアス帝国の皇太子であるルイス殿下の婚約者である。



 今日はアリストクラット学園の入学祝賀パーティー。

 ルイス殿下にエスコートされてきたイザベルはご機嫌だ。


「今日もイザベルは可愛いね。あまり可愛い姿を他の者に見せてはいけないよ」


 ルイスの甘い言葉を思い出し、口元を扇で隠して小さく笑う。その表情は柔らかく、とても悪役令嬢とは思えないものだが、それに気がつく者はいない。

 いや、正確にはルイスだけは気が付いているものの、パーティーの挨拶をするために席を外しているため、この場にはいないのだ。



 取り巻き達に囲まれながら上機嫌に過ごしているイザベルだったが、許しがたいものが目に入った。


 自身と同じ深紅色のドレスを着た令嬢がいたのだ。この色は初めてルイスとイザベルが出会った時にイザベルが纏っていた色で、ルイスが似合っていると褒めてくれた思い出の色なのだ。

 イザベルはその思い出を大切にし、ルイスと出席するパーティーではいつも深紅を纏う。


 最初は自身が深紅のドレスを纏うことで満足していたイザベルだったが、そのうちに他の人が深紅のドレスを着ることが許せなくなった。

 初めはマッカート公爵家のパーティーで深紅のドレスを着た令嬢に嫌味を言うだけだったが、どんどんエスカレートし、今や深紅のドレスを着れば社交界から追放するまでとなっていた。


 当然のようにイザベルはその令嬢へと近付く。



「ちょっとそこの貴女!!」


 (私の色を纏うなんて!!この色はね、私とルイス様の思い出なんだから!!)


「えっと……、私のことですか?」



 そう言って振り向いた令嬢は、深紅がとても似合っていなかった。それよりも淡い可愛らしい色が似合いそうな可憐な容姿をしていた。


 桃色の髪は肩で切り揃えられて内側にくるんと巻かれており、驚いて真ん丸に開かれた黄金の瞳はキラキラと輝いている。



 戸惑った様子の彼女にイザベルは憎悪の視線を向ける。



「貴女、お名前を教えてくださる?一度もお見かけしたことがないのだけれど、どこの田舎者かしら」


 フンッとバカにしたように鼻でイザベルが笑えば、取り巻きたちもクスクスと笑う。

 桃色の髪をした彼女はキョトンとした表情でイザベルを見た後に困ったように笑った。



「えっと……リリアンヌ・フォーカスと言います。あなたは?」

「貴女、私を知らないとおっしゃるの?」

「ごめんなさい。教えてもらえると嬉しいんだけど……」


 (馬鹿にして!!)


 イザベルは置いてあったブドウジュースのグラスを手に取るとリリアンヌの頭からかけた。


 そしてグラスを床へと投げつけると大きめの破片を手にし、自身の手が傷つくことを厭わずにリリアンヌの方へと向ける。


「そんなことしたら、危ないよ!!」


 頭からジュースをかけられ、ガラスの破片と云えど悪意を持って自身に向けられているのにリリアンヌはイザベルの心配をするような言葉をかける。そのことが、イザベルを更に苛立たせていく。 


(フォーカス家なんてただの田舎者の子爵家のくせに!!)


 苛立ちのあまりに握りしめた手からはグラスの破片が刺さり、血がボタボタと落ちる。


 イザベルが腕を振り上げたその時ーーー


「そこで何をしている!!」


 ルイスの声が響いた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ