05・AGIがないとか、ガッカリですよ
4位の雑魚力をお見せしようっ(・_・)カッ
500体の魔物は、やはりすぐに解体できないと明日の換金となった。
MSはすぐに換金してもらえたけどね。
やはりパスがあると無しとでは大違いのようで、昨日でも中々のMSを回収できたと思っていたのに、1体当たりの回収量が大幅に上がった。
100体で200ちょいの気持ちで計算していたので、500体で2000近く集まって予定が大きく狂った。
(ソウルストーンの容量足らない。これ5000でも足らなくない?Eランク狩ったらさらに回収できるMS増えるはずだし、複数いる?や、貯まったら一回戻ればいいか)
冒険者は儲かるが出費も大きい。
これも冒険者が中々増えていかない原因になっているのではないかと思った。
私には必要ないが、冒険者はアイテムバックというのも必須だ。
それもまたお高いのだが、なければ魔物を倒した後担いでギルドまで持って行かなければならない。
動きは鈍るし、体力も使う。臭いで魔物が寄ってくることもある。
やはり最初のハードルが高い気がする。
(まぁ、世の為人の為は追々だな。今は自分の戦力を安定させねば。さしあったってジュエルをどう割り振るか)
ただ今の私のステータスはギルドカードで鑑定するとこんな感じである。
名前:ナキ
SP:3
MP:4
ATK:2
DEF:1
INT:1
次回レベルアップ経験値:----
SPってのはソウルポイント、HPみたいな扱いだね。
他はゲーム好きなら見慣れた感じじゃなかろうか。
カードの持ち主が一番見やすい形で表示してくれる仕様で、実はこのギルドカードの鑑定機能つくったの賢者くんなんだって。
ステ雑っ魚!!って?知ってる泣
まぁ、私が弱いのは自業自得なんですがね。
アニ様とスキルとか決めていた時いっさいステータスに割り振らなかったんで。
だって地球の影響を受けるようなスキルは今じゃないと付与しにくいって言うから。
ほんとは腕に茨巻きたかったっけど我慢したんだよ?縦横無尽3D回避したい。
まぁ、我慢したのはこっちの植物魔法で代用できるって聞いたからなのですが。
残りのジュエルはあと3個だ。2個はMPに使った。
ソウルヒール消費MP3なんだもの。ジャスト3だと魔力枯渇するから4必要なんだよなー。
唯一もってる魔法【回復魔法】は割合回復でINTの影響を受けないので、今んとこ上げる必要はない。
MPは必要な分までは上げたし、SPは今んとこノーダメで倒せる敵としか戦ってないから差し迫って必要でもない。
多分3個振ったところで殴り合ったら死ぬから、遠くからツンツンするしかないのだ。
DEFは防具で上げれるらしい。どちらかというとお金の方が今は自由になるので、DEFはお金で解決しよう。
となるとステータス的に必要なのはATK、だが銃のストッカーも増えれば便利だし、うーむ。
とりあえず私が今目指さないといけないのはEランクを安定して狩れるようになる事。
そう考えると優先すべきはやっぱりATKかな?
2上げたからMPもそこまでカツカツじゃなくなったし。
持ってるとまた悩みそうなので、ATKに振ってしまう。
遠距離の極意は近付かれる前にやれ、だしね。
はぁ、ジュエル足りんわー。Fラン狩り頑張ろ。
******
夢見月夜の宿に戻ると今回は流石にノーマンさんの姿はなかった。
宿に戻った後みんなと一緒に騒いでる途中でノルンさんに回収されていた。
今頃お仕事を頑張っているだろう。
少し緊張しながら門番さんにペコリして入り口を通り過ぎる。
カウンターに向かうと受付にいたのは昨日と同じくアレシアさんだった。
「こんばんは、シングルのお部屋は空いてますか?」
「ようこそおいで下さいました、ナキ様。はい、ございます。昨日と同じお部屋もご用意できますが、いかがいたしますか?」
「同じお部屋でお願いします。何日か先までお部屋を取っておいたりとかってできますか」
「もちろんでございます。ですがご連泊期間分先払いでお支払いいただくことになりますがかまいませんでしょうか?」
「はい、今日から20日間お願いします」
「当宿では13刻から14刻にお部屋のお掃除をさせていただいております。時間をずらしたほうがよろしければ、指定していただけますし、必要ないとのことであればお断りしていただいてもかまいません。変更いたしますか?」
「いえ、そのままの時間でお掃除に入っていただけるならありがたいです」
日本にいる時は、荷物を置いたりするためお掃除お断り派だったが、こっちではアイテムボックスにすべて詰め込んでお部屋を空にできる。
となればお掃除一択である。
さて、ギルド手続きも、宿泊手続きも終わった。お風呂だーー。
今日も今日とて素晴らしいお風呂を堪能した。
コーヒー牛乳をあおりながら今晩の夕食について悩む。
お肉を引き取っているので夜ご飯に宿で調理してもらうことができる。
が、オシャレな場所で1人外食とかちょっとビビっちゃう。
魔物肉美味しいらしいし食べてはみたいけど、処理のしかたもわからんし、流石に自分で調理する気にはならない。
となると夜ご飯もショッピング頼みになる。
朝少し残したご飯と、ほとんど残したハンバーグ。
3歳って胃が小さいからか全然量が食べれないんすね。食べるの大好きだからショック。
それにサラダと照り焼きチキンパックを追加して夜ご飯にすることにした。
ハンバーグも照り焼きも油じわじわでとても美味しい。
パサつきなんて知らない子状態だ。
もとからそんなに得意じゃなかったけど、こんな便利さを知ったら更に料理能力が低下しそうである。
ご飯を食べながらショッピングをひらいて明日のために買い物を始める。
さっきさらっと話題に出たが、なんとこっちの世界の防具には魔力を組み込んであるので着るとDFEが上がるらしい。
日本の衣服にはもちろん魔力なんて組み込んで無い。
貧弱ステータスが防御ゼロの装備で特攻だなんて、なんて危険なことをしてたんだ私はっ。
そんな感じで明日はアリシアさんと防具屋さんに行くことになった。
流石に3歳用の防具は無いので特注になる。
私にはボクの考えたカッコいい装備を顕現させる力もセンスもないのでショッピングで見つけた好みの服を型紙として提出することにした。
いいものにすればするほどいいお値段になるらしい。
流石に命に直結する部分なので所持金の許す限り良いものを買おうと思う。
すごい勢いで稼いでいるはずなのに全然お金貯まらない。
3歳なんて服のサイズすぐ変わるし1着度のくらいの金額になるのか今からガクブルである。
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さて、嬉し恐ろしお買い物である。
アレシアさんとは10刻に宿前で待ち合わせしてある。
宿のフロントの後ろの壁に異様な雰囲気を醸し出す、コンビニのコピー機くらいの鉄の塊があるんだが実はそれ時計らしいんだ。
見方を聞いたけど常にいろんなとこがガショガショ動いててさっぱりわかんなかった。
何言ってるかもわかんなかった。
お、お、おん。ってなったのは仕方ないと思うの。
8刻の鐘がなるまで爆睡してた私はそんなフロントで受付をし、あわてて風呂に駆け込んだ。
し、しかたないんや。疲れたし早く寝なきゃ出しと思って、いつでも辞められる、とある学園で剣と魔法のダンジョン探索ゲームの入学マラソンしてたら53が来たんや。
テンション上がって育ててたら3時だったうひょあっ。
とりあえずさっさと上がってギルドにお金もらいに行かないと所持金が心もとない。
タイムリミットまで後1時間ちょいですよ。
ギルドに駆け込むと朝からキッチリカッチリしたサーラさんがいた。
ドタバタの朝をお過ごしの私とは大違いだな。
今換金できてる分だけほしいと言ったら、もうすべて解体が終わっているらしい。
あの量を朝のこの時間に終わらせているとは流石プロ。しびあこっすわー。
「合計で807万6600Cになります。換金は硬貨になさいますか?MCになさいますか?」
「四角金貨1枚と、残りはMCでお願いします」
そりゃ数5倍狩ったんだから5倍近くになるよね知ってた。
けどいざ実際の数字にされるとビビる。
しかもこれでも各地に現れた破竹の勢いのルーキー達により買い取りレートが少し下がっているんだと申し訳なさそうに言われた。
桁がでかすぎて下がってんのかどうかもよくわからないくらいだ。
さて、防具資金ももらったし宿に戻ろう。
約束の時間まで30分、急いだ甲斐あって遅刻にはならなくてすみそうだ。
宿に向かっているとふと視線を感じた。
キョロキョロと辺りを見回すと白いローブの女性がこちらを見ていた。
雰囲気から想像して女性だと予想しただけで、彼女は距離があるとはいえ驚くほどよく見えなかった。
私が気付くと彼女は手をふって歩きだし、すぐに建物に紛れて見えなくなった。
不思議と悪い感じはしなかった。
それどころかどちらかというとアニ様よりの神聖なオーラっぽいものすらあるように感じた。
ちなみに私に人を見る目はない。
少し追い掛けてみようかと好奇心もわいたが、もし対峙する事になったらまず敵わなそうなのでやめた。
嫌な感じはなかったけど、そういう誘きだしスキルもあるかもだし。
まぁ、何はともあれ待ち合わせと宿に向かって歩きだした。
宿につくと20分前だというのにアレシアさんはもういらっしゃった。
お待たせしちまうとは、アルティメット申し訳なき。
「いえいえ、楽しみで早く着きすぎてしまいました」
はぁあん。美女のはにかみごちそうさまです。
では、おてて繋いで防具やに向かいましょう。
アレシアさんの言うことにゃ、今向かっている防具やの職人さんはとても優秀な人だそうな。
けど彼は獣人だった。
防具なんて物はその性能が命に直結するので割と冒険者には受け入れられていたんだそうな。
まぁ、獣人の作った物なんて、ぺっ。って人もいたらしいけど。
でもまぁ、割と穏やかに、ご先祖さまが聖女さまの親衛隊もとい友人だった師匠の元で腕を磨いてたんだそうな。
けど彼はメキメキ腕を伸ばしすぎて、師匠によりなんとか押さえ込まれていた他の防具屋の職人が、獣人の癖に生意気だぞっ。なんて、とうとうジェラシー大爆発させた。
消しちゃってもいいけどアイツの腕は惜しいから奴隷にして飼っちゃおうぜと、結構な数の職人が徒党を組始め、もはや守りきれぬと思った師匠の手引きでこの町に来たそうな。
今でも特注オンリーではあるけど、師匠の店から仕事をもらって暮らしてるんだって。
あ、異世界の敏腕防具屋のテンプレであるオネェ属性はないそうです。ちょっと残念。
店に入りあってみると熊耳の穏やかそうなお兄さんだった。
名前はエルマーさん。
持ってきた服を手渡し、この形に作って動きやすい一番防御力の高い防具を作るといくら化を聞いたら、手持ちじゃぜんっぜん足りなかった。
最初から最終決戦装備は無理でしたね。
一番布の少ないショートパンツでもノーオプションで3000万オーバー。
異世界の防具の素材っていったら魔物素材だもんね。
自分が稼いでる金額思い出して納得した。
とりあえずショートパンツだけ作ってもらうか、手持ちの金額で最大限いい物を作ってもらうか悩んでいると
「お嬢さんは色々な方から信頼できるお人柄だと聞いておりますし、普段は半額から全額発注時にお支払いいただいておりますが、商品と引き換えのお支払いで構いませんよ。普段はそういった対応はしておりませんので内緒にしてくださいね」
と甘い誘惑を仕掛けてきた。
「素材の発注に時間がかかるので納品には1週間ほどかかります。お嬢さんはまだまだ成長されるでしょうが、オプションで自動フィッティング機能を付けていただければ1年はかならず窮屈感無く着用していただけると補償いたしますよ。オプションといえば…」
などなどプロによるプロフェッショナルなセールストークによりいつのまにかオプション盛り盛りのカーゴパンツ頼んでた。
ワイバーンの翼被膜カーゴパンツ
・柔軟仕上げ
・自動フィッティング
・斬撃耐性(中)
・打撃耐性(中)
・回復魔法効率(中)
・温度調節
・風抵抗軽減(1/4)
大体読んで字のごとくだが、回復魔法効率は回復量が1.5倍になるらしく、風抵抗軽減は風抵抗軽減オプションを4つ装備すると空気抵抗が0になるらしい。物理の問題か。
そして、4つ装備するまで効果はでないって鬼か。
まぁ、割とメジャーなオプションらしくどんだけ強風吹いてても髪の毛も服もひらりともしないので付けてるかどうかもわかりやすいって言ってた。
服なんてほとんど買わない、買っても赤いとこか、冊子から注文できるとこ。なんてインドア人間がカリスマショップ店員の話術にかなうわけないんや。
や、これでも今頼むのはカーゴパンツだけにするってだいぶ戦ったんだ。
一式そろえようとしてたからねあの人。
穏やかそうなんて誰が言ったんだ。私だよっ(キレ気味)
や、あるならあった方がいいのは間違いないオプションばっかではあったんだけど。
けどお値段1憶2000万ですよ?ズボンだけでな(キレ気味)
値段聞いて1週間なんかじゃとても用意できませんって言ったら、足りない分はギルドから無利子の貸付をするからと言われております。と言われた。
いつの間にそんなことになってんすか。
そんなこんなでくるっくるに丸め込まれて帰路についた。
まったく助けてくれなかったアレシアさんをちょっと恨めしげに見上げれば
「お、オーバースペックかとも思ったのですが、じゃあなくていいかと言われると、あった方が安全だと思ってしまって。ナキ様にはなるべく痛い思いをしてほしくないなと思ってしまって。値段もエルマーさんにしては良心的でしたし…」
と眉を八の字にしながら言われた。
そんな可愛い顔でそんな可愛い事言われちゃなんもいえねぇってやつですわー。
しょんぼりしたアレシアさんが申し訳なくって、でも嬉しくて拗ねたふりして抱っこをねだって仲良く宿に戻った。
大人になると心配されることも甘えられる時も少なくなるから、子供の姿でちょっと得した気分になった。
ちょっと休憩して午後からがっつり狩り頑張った。
ちょっと狩ってみて思ったが、ATKの上昇が想像以上にいい仕事してる。
近付ききられる前に倒しきれる。
ジュエルによるATK上げを2回繰り返した後、私はセーフティゾーンを飛び立ち大地を踏みしめ戦った。
あーはっは。余裕っすわ。
私は調子に乗り、そして理解した。
木の上に居なきゃ死ぬような難易度になったのは、最初にステータス微塵もいじんなかったのが原因だなと。
なら仕方ないね。ゲームとネットショッピングなきゃ心が死んじゃうからね。
原因解れば後悔など微塵もない。
木の上から降りてみると狩りの効率が格段に上がった。
木の上り下りも湧き待ちの時間も無くなったからね。
400体ほど狩ってさらにATKを上げると、とうとう2撃殺出来るようになった。
1撃でブレイクして脳天に1発で終了。
走って近付きながら倒すなんて漫画みたいな事ができるようになり脳汁出まくった。
そのテンションに任せEランクに特攻してみるとなんと近付ききられる前に倒せるじゃありませんか。
「いやっっっふー、これでかつるぅーー」
2体いると捌けなくなって即効Fラン狩りに戻った。ソウル削られアゲイン。
いいんだし、明日の自分はもっと強いし。
それでも49体は狩れた。
なんでそんなキリの悪い感じかというと昨日1体狩ってたから、ポロっとジュエルが出たんだよねー。
昨日解体に出すのも忘れてたし、ギルドには50体きっちりで提出できる。ポケットに忘れてた500円が出てきたようなちょっとしたお得感。
それにFランだって昨日よりスムーズに安定して狩れたし…、ん?昨日より?
そっとアイテムボックスを開きジャイアントフロッグを取り出すと、なんというこう事でしょう、そこにはMSのしっかり詰まったジャイアントパイセンが…。
ギルドに戻った後1体1体確認してガルマスさんに提出したのは言うまでもない。
せっかく狩ったEランクからは1体もMS回収できていなかった。
ストーン経由の回収効率を考えるとしょんぼりですわ。
ただでさえ金が必要な時期にこんなポカするとは…。
まぁ、でも暗くなるまで頑張ってFラン1000体狩りは達成したし、1500万は手にはいるはず。
そうなれば今の手持ちとあわせると所持金は3000万近い、明日の午前中頑張ったらきっとパスとストーンを買える金額貯まるはず。
どのくらいで納品できるかによっては先に頼んじゃおう。
え?金貯めとかなくていいのかって?
正直、地面に降り立った今2000じゃ中々効率悪いんだよなー。
明日の自分はEランもサクサク狩るはずだし。
しかも、今回あんな高いもんゴリゴリ売られたのってランベルトさんのギルド保証のせいもあると思うんだよねー。
じゃなきゃ新人にあんな高い物を薦めないはず。
だから今回はがっつり御世話にならせてもらおう。
まぁ、借りる金額を最小にするためになるべく頑張りますがね。