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青狐ナキの異世界生活  作者: 翁坂 咲凪
1/7

01・このペースなら2日に1回働くだけで…、もちろん冗談です。

怒涛の説明回1

女神さまににこやかに送り出され、異世界のさびれた感じの町に転移した瞬間、私は愕然とした。



「おいおいおい、若返らしぇるとは聞いてたけろ、若しゅぎだろ!!」



紅葉のような小さな手と、すぐ近くに感じられる地面。

(なにこれなにこれ、はじめちゃんより小さいんじゃないのナニコレ)



2ヶ月前に3歳になった最愛の甥っ子(多分世界一可愛いと思う)の大きさお思い浮かべ自分と比べる。

小さい、あきらかに小さい。

辛うじて立つことはできているが、気を抜くとすぐにでも尻餅をついてしまいそうだ。



(やだー、これ何処に重心置けば安定するんですかー)



取り合えず転移3秒で、これからの異世界生活が前途多難であることを理解した。



********



まずは、私が異世界に送られることになった経緯を説明しようと思う。



夏の暑い日、エアコンの壊れてしまった部屋で暑いなー暑いなーと思いながら、水分摂取どころかトイレすらめんどくさがって寝ていた私は、そのまま熱中症で死んでしまったらしい。



確かに横になっているのに世界が回っていたので

わーお、これマジやばいやつだな笑

とは思っていたが、まさか本当に死んでしまうとは思っていなかったのだ。



熱中症、ほんとシャレにならんから、皆様もお気をつけくださいませねー。



まぁ、そんなこんなで死んでしまった私を異世界の女神さまがコレだっ!と思って回収したらしい。

まぁ、コレだっ!と思って回収した魂は私のほかに4人分あったらしいけど。

でも、5人の中で一番私をコレだっ!って思ったって言ってた、ふふん。



なんでも150年前にも日本から、頭がよく、性格もよく、顔もよいハイスペック人間を3人召喚したらしい。

あ、こっちでは150年でも日本では3年前らしいが。

時間がずれるっていう異世界あるあるだねー。



呼んだ理由は、魔物が増えすぎて異世界がヤバい状態になったから。

どんだけヤバイかというと他の世界にまで悪影響出そうだから世界消滅させなきゃいけないくらい。

さらっと言ってたけどコッワって思ったよね。

そこで、他の異世界の女神様から、日本の人間を召喚するとなんかすごいやる気と知識チートでいい感じになるってきいたんだって。



ちっさいころから武術を学んでいた1人は、あらゆる武器、戦闘方法に適性を持ち、なんか新しいスキルとか開発して貢献して。



ちっさいころから頭がよくて、神童なんて呼ばれてた1人は、食や産業の知識に加え、あらゆる属性の魔法を使いこなし、新しい理論なんかも作って貢献して。



ちっさいころから穏やかで優しく、たくさんの命を救いたいとお医者さんになった1人は、その医療の知識と回復魔法を組み合わせて、回復力を飛躍的に向上させて貢献した。



そんな感じで3人のお陰で世界はとっても安定して、女神さまもウハウハだったんだがしかーし



3人には影響力、つまりカリスマがありすぎた。

簡単に言うと、俺んトコの大将が一番だ状態になってしまった。

3人は同郷の人間だし、まったくもって仲が悪いなんてことは無かったんだが、彼ら各々を慕う人間が増えれば増えるほど収集がつかなくなっていった。



回復魔法の【聖女】美鈴ちゃん派はそこまで他の派閥と険悪になることもなかったが、武術の【勇者】劉生くん派と魔法の【賢者】拓斗くん派の派閥の険悪さが、もう目も当てられないというやつだ。



魔物的には落ち着いたが、人間的に大混乱状態になってしまったわけである。

3人が人生を終え、トップを失ったことで大規模なケンカは一応の終息を見せたが、一番を競い争うことにつかれた人類は、剣や杖を置き、産業の発展に力を入れ始めた。



結果、生産職増えるーの→戦闘職減るーの→魔物増えるーのである。



しかも、戦闘職減少により魔物素材が高騰し、たまに魔物狩って素材納品すれば十分な収入になることにより、積極的に働かない戦闘職続出である。

負のスパイラルってこういう…。



結果、魔物増加がとどまることを知らない状態だ。

昔の一般家庭では、

「今日はジャイアントフロッグステーキよ」

「ああ、今月出費多かったもんなー、明後日の給料日までは節約料理かー」

なんて会話もあったが、今ではジャイアントフロッグは一般家庭の誕生日の定番だ。つまりフィーバー料理扱いなのだ。



どうしてこうなった。と思った女神さまは、優秀すぎたのだと思い至った。



ので、

あんま頭良すぎない感じの

あんま顔良すぎない感じの

事なかれ主義の

だけど積極的に魔物狩ってくれそうな

カリスマのない、けど戦闘ゲーム好きの、でも争いとか積極的に起こさない人間をコレだっ!した訳である。



つまり便利な物の原理まではわかんない、平凡な容姿の、PvP好きじゃない系ゲーマーだね。



女神さまからは細々規則を付けられる代わりに、ユニークスキルをもらっている。

各々一番好きなゲームの種類に関連したスキルを選んだみたい。



ガンシューティングゲーが好きな私は【ハンドガンマスタリー】というスキルをいただいた。



効果は【反動操作】と【カスタマイズ】だ。



【反動操作】はそのままの意味だ。

銃を撃った際の反動を0~100%まで自分で決めれる。0にすればガンシューティングゲー状態だ。

まぁ、折角銃撃って反動0も物足りないのでエアガン程度の反動をつけようと思う。成長してから。



【カスタマイズ】は異世界には銃がないので自分で作って改造できるスキルだ。

なんとこのスキルで作った銃には銃弾を使わない。

銃 弾 を 使 わ な い

銃弾じゃなくて魔力撃つんだって。

内臓ストッカーに魔力チャージしてそれで撃つんだと。

ストッカーにチャージされたMPは1で5発分の魔弾(魔力の銃弾)になる。



ちなみに魔弾は無色の透き通った塊だ。

きれいな長細い八面体?二等辺三角形八個でできてるやつ。

形の正式名称わかんないなー。でも、あの、雰囲気ある形のやつ。

青い光とかではなかったんだ。

おおう、そ、そうなのか…。と思うのは仕方ないと思うの。

あと撃った後3分くらんで消えちゃう。きれいなのになー。



銃弾のないリボルバーなんてロマンが壊死してるからカスタマイズの選択肢から外した。

もちろんただロマンの為だけに外したわけじゃない。

能力絞ったら、その余ったポイント分他の能力くれるっていうからだ。

ポイント制なんすねー。

というか【ハンドガンマスタリー】も元々【ガンマスタリー】から絞り込んだ能力だ。




ライフルとかランチャーとかも魅力的だったけど、結局使うのは使い慣れたガン型コントローラに近いハンドガンなるであろうと断捨離である。

しかも何使っても出てくるのは長さ3cm幅1cmの透明なあの子だ。空薬莢も出ない。



しかもこのカスタマイズ、口径に攻撃力が依存しない。

てか、でかい口径だろうと出てくるのは長さ3cm幅1cmのあの子だ。

同じもん撃ち出すんだから変わるわけない。



つまり、某有名な肩外れちゃう系ハンドガン(攻撃力10)と某スパイ御用達のミニピストル(攻撃力10)の威力は同じなのである。

つまり、外見が外見でしかない。



しかもどんな銃も三点バーストにできるし、フルオートにできる。

熱発生しないし、水お構いなしだし、製作者が指で引き金ひかなきゃ撃てないようになってるから暴発もないしセーフティもない。他人に譲渡できないのは不便だが、便利がハッスルしすぎである。

ロマンの呼吸困難甚だしいが、ロマンじゃ魔物は倒せないからしかたないねせやね。

ふう、ちょっと熱くなりすぎたか。



あとは魔力ストッカー容量を弄れる。



ストッカーの最大値が上げ下げできる。

下げるメリットとかよくわかんないけど上げ下げできる。

これはいくら容量あげても自分で意識的にチャージしないと効果は無い。

漏れ出る魔力で自動チャージは無い。



攻撃力アップもあったが削った。

だって私しか使えないから銃の攻撃力上げても私のステータス上げても効果は同じなのだ。

これが銃の譲渡ができるってんなら意味はあったけどねー。



【ハンドガンマスタリー】についてはこんな感じだ。



あ、キャラクリできるって言われたっからガッツリ作りこんだ。

お顔は変更できませんって言われたが、ゴネにゴネて交換条件付きで許可を得た。

おかげで、好きなもの鏡って言えそうなくらいの私好みの美女になった。やったぜ!



交換条件というのは仮面をつける、である。つまり顔隠せってことだね。

もともと普段から認識阻害、あいつ影薄いよなー状態ではあるらしいんだが、さらにその仮面に認識阻害の魔法をかけるらしい。

あれ、あいつの顔どんなだっけ?状態。

仮面付けてることすら認識しないらしい。



普段は結構ですが、会話するときなどは絶対つけてくださいとのこと。

価格は今ならジュエル10個!無期限の貸しにしておきますので、生活が安定したら返してくださいってさ。



仮面の銃使いとかむしろご褒美ですって、二つ返事で了承したさ。

仮面は口元までは隠さない狐のお面にした。

黒地に青色で装飾された美しい面だ。これは、滾るね。



後は、異世界の職業、盗賊の高位職である暗殺者のスキル【グラビティコントロール】と聖女の活躍により飛躍的にスペックアップした【回復魔法】と【ネットショッピング】と【発電】と【アイテムボックス】だ。



【グラビティコントロール】は重力の向きを弄れるのと体を軽くできる。

つまり天井に立ったりできる。重さは軽くなるだけで、重くはなれないんだって。



【回復魔法】はまだレベル1で、ヒール(怪我を治す)とソウルヒール(ソウルを回復する)が使える。

レベルを上げればハイヒールとかも使えるようになるって。

ゲームでも最初に回復魔法使えないと大変だし、私の中でとりあえず持っといたほうがいい魔法№1に輝いている。



ソウルっていうのは、生き物を守っているバリアみたいなもので、それを壊した状態、ソウルブレイクにしないと攻撃が通らない。

バリアの耐久削り切ったら倒せるようになる感じ、二段階戦闘的な。傷ついても回復魔法のソウルヒールで癒せるし、何もしなくても時間経過で回復する。



【ネットショッピング】はネットショッピングだ。赤いとこ。

この世界のお金でお買い物できる。

ワンピの新刊読めないとか号泣だったが、神は我を見捨てはしなかった。



【発電】はMP消費で体の中に電気を作れて、喉にあのコンセントさすとこ作れる。

つまり私からの電気でゲームができる。ゲームができる!!

まぁ、初期は50Wしかないからまだ携帯機しかできない。

ジュエル1個で10W上げれるらしいから、目下最優先アップグレード項目だ。



ゲームできるだけで全然いいと思ってたら、今まで使ってたゲーム機をメモカもそのままにネットショッピングで買えるようにしてくれた。

セーブデータまで与えてくださるとかどんだけ慈悲深い方なのか。



パンピーと神っていう越えられない生命体格差無かったら女神様マジぽんよう。



【アイテムボックス】はアイテムボックスだ。あの色々はいるとこ。

これは転移者全員にくれてるって。



戦闘スキル削って思いっきり趣味スキル頼んだから、魔物倒すために呼ぶのですが…。ってちょーっと不安にさせちゃったけど、これは私の生活の糧になるのですって説明したら10分くらいで納得してくれた。

まだまだ話せたんだがなー。



まぁ、そんな感じで、経緯の説明は以上だ。



お金とかは、雑魚っぱ倒すだけでそれなりに稼げるって聞いてたから、スキル取得に回していて所持金ゼロ、ジュエル1個だ。

ちなみにこのジュエルは銃の制作に回さなければならない。

誘惑に負けて発電のレベル上げたら私の攻撃手段は素手だ。むーりー。



まぁ、そんなこんなで今に至る。



(えー、これ自分の体がまずままならないのに、戦闘とかできる?、いや、できないできない)



うんうん唸って解決策を考えていると



(…希さん、夏希さーん。おーい、夏希さーん)



天の声、いや女神の声が聞こえてきた。



(ああ、お気付きになっていただけたようですね)



この声は私をこの世界に誘った、癒し系巨乳女神アニルヴァ様です。間違いありません。



(申し訳ありません、夏希さん。

私人間の幼子がここまで不便であるとは知らなかったのです。

神って基本皆ちょっと浮いてるので、足腰とか、重心とかの概念が無くてですね。

最初は延命のジュエル10個って用意するの大変だし、若ければ若いほうがいいかなって。

善意のつもりだったのですが、遠距離の夏希さんはまだ良い方で、近接の方なんてもうホント申し訳ないくらい打ちひしがれていらっしゃって)



(おおう、マシンガン謝罪。アニさまー、お気をたしかにー)



(はっ、すみません。ええと、それでですね、今皆様のところに年齢引き上げに回ってまして、お好きな年齢ご指定いただければ対応いたしますので)



おおう、ナチュラルに心の声で会話可能とは、流石神様だなぁ。



(この体今何歳なんです?)



(1歳ですね、ホント申し訳な)



(ああ、いやいや、対処してくださるんですよね?もう全然それでおkですおk。んじゃ、プラス2歳の3歳児にしていただけます?)



(えっと、その程度でいいんですの?30歳ぐらいまでなら頑張れますよ?まぁ、低く留めていただけるなら助かるのですが…)



なんと、今回はアニ様のミスということでジュエル消費なし、アニ様の神力払いになるので、上げれば上げるほどアニ様に大打撃らしい。



文明が発達して神頼みが少なくなったので、今のアニ様は信仰の力が足りず、そこまで手助けできないと転移前に説明されていた。



にもかかわらず、限界ぎりぎりまで対応してくれようとしたらしい。

チッ、無茶しやがって。

まぁ、最初の年齢決めノーコストらしいんでアニ様のミスなんですがね。



ピカリと光ると体か大きくなった。

おー、安定感すごー。全然違うな1歳と3歳て。



「んおお、ばっちりですわアニ様」



(よかったです。では、簡単で申し訳ないですが、私次の方のもとに参りますので。失礼しますね)



あっさり去っていったアニ様に感謝しながら、私の命綱である銃を作り出す、ジェリコ941縮小版だ。

1/2サイズに仕上げました。だって指届かないんだもん。

今着ている服は王道初期装備布の服だ。私でも作れそうな簡単仕様である。ポケットもない簡素なズボンなのでそのままズボンに銃を挟む。

あとでネットショッピングでホルスター買わないとなー。



取り合えず、魔物倒さなきゃ今日の寝る場所にも困る私は、町から出ることにする。

門番とひと悶着イベントかなと思ったら門番とかいなかった。



さて、さっきから言ってるジュエルってのが何なのか、気になってる頃かと思います。

ジュエルとは魔物を一定数倒した時にもらえるご褒美です。



魔物はS・A~Fまであり、Fランク100匹でジュエル1個、Eランク10匹で1個、Dランク1匹1個、Cランク1匹10個って感じで増えてく。



これはソシャゲをモチーフに転移者のために作ったシステムで、この世界はレベルアップで成長するのだが、そのレベルシステムを、やっぱりちょっとこの世界の魂とは違う私たちはインストールできないんだそうだ。



いつまでもレベル1のままじゃすぐ死んじゃうってことで作ったシステムがジュエルシステム。

ジュエル1個でステータスを+1できるおっそろしく大器晩成型のシステムだ。

あ、スキルレベルのアップとかこの世界の職業スキルの獲得なんかもできる。

現地人の1レベルアップで各ステータスが1~5上がるといえば分かりやすいか。

Cランクを安定して狩れるようになるともう笑いが止まらないが、そこまで中々の時間がかかる。



そしてこのシステムの一番のメリットは上限がない事だ。

レベルシステムではレベルは今のトコ180でカンスト、つまり成長上限がある。

成長の雫って任意のステータスを+1するCランク以上のモンスターからのドロップもあるらしいが、それ使ってもステータス上限は999だって。

あ、ちなみに成長の雫は転移者には非対応だ。悲しみ。




アップデートでレベル上限上がる事もあるみたいだけど、信仰も下がってる今のこの世界では大型アップデートなんてする力が神様にない。



ジュエルシステムには今んとこ上限が無い。

検証少なくて確証はないけど、勇者の攻撃力は2846まで伸びたってー。やばー。

つまり2846までは確実に上げられるみたい。




後半無双じゃん、やっぱ異世界転移ってチートだよなーって思ったでしょ?

同じこと思ってた私は今静かに泣きながら町に帰ってきた。



自分の2倍の大きさのイヌ科の何かに涎垂らしながら見つめられたことがあるものだけが、私をビビりだとあざ笑うことを許そう。



モンスター超こえーーーーー!!

あれでFランクとかマジかよ!!



この後1時間ほど蹲って震えて泣いき、ようやく復活した。



(奮い立て、奮い立て自分!合言葉は、野宿・絶食、無理・絶対!)



「絶対にだっ!行くぜ!!」



********



最初は半泣きっていうか涙垂れ流しながら、一体一体釣りして倒していたが。

私はゲーム好きな日本人である。

これノーダメで攻撃できるポイントないかなー、とかすぐ考えるし。

そして見つけるし。



そして最初に試したテンプレ高低差がすぐに効力を発揮した。

木の上、アルティメットセーフティゾーン。



すぐに湧きポイントの近くのしっかりした木をおさえスタンバる。



湧きとかゲームみたいだと思いましたね?

そう、ゲームみたいなんですこの世界。



魔物は元々いたんだけど、今みたいに規則性なんてなく、淀みっていう悪い魔力が適当な場所で固まって発生していた。



んで、魔物が増えすぎてこのままじゃ魔物だけの世界になってしまうってことで、アニ様と流れを司る神アルティス様によって淀み貯める亜空間が作られ、悪い魔力がそこに流れ込むシステムを作った。



増えなくなったことで魔物は順調に減ったけど、亜空間の8割が淀みで埋ってしまった。



結局魔物化する以外で淀みを分解する方法は見つからず、安定して倒せる人間がいる場所の近くに魔物をポップさせることになった。



これが元祖魔物システム、今の魔物システムの元になる。



最初は上手くいっていたが、安定して倒せる人が激減し、淀みの分解が間に合わず、とうとう亜空間がいっぱいになり、アル様がポップさせるために一度道を繋げた場所から淀みが勝手に流れるようになってしまった。



その一度繋げた場所こそ湧きポイントだ。



一度流れの神により流れを作られた道は他の部分より流れやすくなるそうな。



といっても亜空間がマックスになるなんてことがないとそんなことは起きないらしいんだけど。



んで、この現象を逆手にとって魔物システムを再構築。



町に近い湧きポイントからは弱い魔物、遠い場所に強い魔物が発生するようにした。



強い魔物はなるべく発生しないように、近い場所の方が流れやすく、遠いほうはできるだけ流れにくくつくりこんだらしい。



そうやってごまかしごまかしこの世界をなんとか維持している。



さて、ここまでの話しだと魔物って全く良いとこ無いように見えるのだが、実は魔物ってとんでもなく有用なのだ。



肉は食えて、皮は鎧になり、MS(モンスターソウル)は魔法学や産業の発展に役立つ。

資源とエネルギーの宝庫、狂暴な石油みたいなもんだ。



あ、MSというのは賢者により発見された魔力の上位互換だ。



生き物はずべて属性を持っているのだが死ぬと属性が消える。

そうすると普段は絶対に混ざらないはずのソウルと魔力が混ざりあう、それがMSだ。

ソウルはバリアのことじゃないのかって?ソウルは約50%が生命活動使用されていて、残りがバリアになるのだ。



MS用に作られたソウルストーンという物の中にのみ貯めこむ事が可能であり、ソウルストーン外のMSはゆっくりと消滅する。

だいたい倒して5分たった魔物のMSは0になっている。

倒したそばから消滅していくので、なるべくはやく回収するのがセオリーだし、そのためのアイテムも作られている。



そしてMSの特性【抵抗値無】は、すでにかなり研究の進み停滞していた魔法学に無限の可能性を示した。



分かりやすく言うと、火属性の人がMP3で使える火の魔法が、水属性の人はMP6も必要になったり、魔法の才能によっては発動すらできなかったりする。



でもMSを使用すればMS3で発動できるようになる。



つまり、全人類が全属性の魔法を才能に関係なく使えるようになったのである。



どころか、今まで本当に一握りの才能のある魔法使いしか発動できなかった複合魔法が安定して使えるようになった。

複数の属性を同時行使する複雑な魔道具が作成できるようになったのだ。



扇風機(風)の常温の風の温度に温風(火)や冷風(水)を複合してエアコン化できるようになった。



これがどれほど衝撃的は発見であったかは容易に想像できるだろう。

が、今のところ倒したモンスターからしか入手手段がないため、かなり高価だが。



MSが発見された最初のころは高レベル狩りなんかも起きて、かなり問題になった。



死ぬと属性が消えるのは人間も同じであり、高レベルの人間はかなりのMSを絞れることが分かったからである。



まぁ、この問題は賢者がジュエル1000個を使用し、淀みから生まれた魔物以外からMSを取り出せないというシステムを神々に作ってもらい解決したらしい。



そんなことをつらつら考えているうちに、アルティメットセーフティゾーンで効率よく魔物を倒し討伐数が100匹に達した私は、本日の営業を終了することにした。



お次はハンターギルドでの魔物の換金である。




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