第5話
ずっと主人公の独り言ですいません。
次から色々出てきます。
次の日の朝、昨日の夜の意気込み=夜更かしによって寝坊してしまい、飛び起きた。
幸い今日はまだ休日、寝坊が問題になってくるのは明日からの登校日だ。
まだまだ紫苑は15歳の中学3年生である。何だかんだ前世の記憶を思い出してもう3日目だ。後々考えると、私があの木下で記憶を思い出したのがちょっど金曜日の学校が終わった時間だ。そして今日は日曜日。運良く休日間近に思い出したことになる。
けれど疑問なところが一つある。あの金曜の日紫苑はなぜ神社の、それも人目につかない所に横たわっていたのか。
そう言えば、今日の朝、朝食の時に母親に明日学校には行くのかと聞かれた。もちろん行くと答えると、無理するなと心配された。父親も、心配しなくていいと、こちらで何とかもう一度頼んでみるよと悲痛な表情でそう言われた。
つまり、確実に学校で何かあったな。
そうとしか考えられない。その上記憶が戻る前の紫苑は性格がひん曲がってる。何かあったとしたら、何かされたというよりは何かしたのではないか。そっちの方が可能性が高い。記憶が戻る前にすでに何らかのことをやらかしてしまっては面倒だ。
何があったのか気になる。
少し考えて、私は紫苑の部屋で何か日記のようなものがないか探してみることした。学校のかばん等を隈無く探して見たがそのようなものはなかった。
ゴミ箱の奥から大量の赤点ギリギリ(時々赤点)のテストの解答用紙が出てきたが見なかったことした。
ここまで行くともう、学校に行かなければ分からない。ここはひとまず明日学校に行って考えよう。
しかし、記憶を取り戻してから紫苑のことはそこまで知ろうとはしなかった。というよりは興味がない。
だから改めて彼女の事を知っていくうちに思うのは、紫苑はとんでもなく馬鹿であることだ。
先程のテストといい学校用の鞄から出てきた全く折り目の付いていない新品に近い教科書たちといい、成績通知表オール2とはさすがの私も泣きそうになる。
これは自己推薦受験も危ういのではないか。
ゲームの紫苑があの学校に入学できるなんて有り得ない。奇跡でも起きない限り。
ならば考えられることは一つ。金の力か。雪織家は有名な楽器メーカーである。勿論音楽専門の学科をもつ学校ならば利用していないはずもない。学校側としても落とす訳にはいかないのだろう。
なんてズルィいや、卑怯なんだ。
そんなことして入ったって楽しくないと思う。それだけ彼女のプライドはエベレスト級なのだろう。
ここまでいけば私の学校の立場が心配になってくる。もしかするともう周りの反感をかって虐められてるかもしれない。
どうしよう、明日登校した時に下駄箱の靴がなくなっていたら。
もしかすると、ロッカーの中がゴミまみれになっていたり。毎日イジメから逃れ続けるなんて、そんなサバイバルな学校生活あってたまるか。
取り敢えず、明日がんばろ。
あけましておめでとうございます。
いつもいつも遅くてすいません。