表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第三者  作者: 枕木きのこ
手記
8/21

8

 一畳の空間は、隣室との壁をくりぬいた形で存在していた。人間が出入りする為にあるのだということを証明するように周囲は自室と同じように整備されている。私は驚嘆たる思いでこの中に踏み入ったのだが、空間の正面、つまりあの美しき隣人の部屋の側の壁と思われたほうから、なんということであろうか、まさしくその隣人の部屋が覗き見えるのである。まさかこれはこの二つの部屋が実は繋がっていたということなのか、という混乱を抑えることができなかったのだが、手を伸ばしてみると、こつんと何かに触れるのである。

 結論からして述べると、つまりそれは、マジックミラーの類であるようだった。つまり隣室には、私の部屋の姿見と背中合わせになるように姿見が存在し、それは、こちらのほうからはただの硝子でしかない、ということである。そんな馬鹿なと思ったものである。脳裏には江戸川乱歩の散歩者や綾辻行人の館が想起されたものだ。

 恐る恐る、罪悪感より勝る好奇心によって私は隣室を覗いた。かの美しき隣人は不在のようで、それに私は安堵したような、落胆したような、不思議な心地になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ