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ここで部屋の全容について記しておこう。部屋は一般的な1Kで、玄関を入るとまっすぐに手狭な廊下があり、その右側にキッチン、左側に浴室や便所が据えてある。大人の足で四歩ほど進むとそこに八畳の和室があり、廊下から見て正面には窓が、左の壁の中央からやや手前のところには姿見が埋め込まれており、そして右側に小さめの押入れがあるのである。私はこの姿見のある近くにテレビを、押入れの側に本棚を置いた以外、この和室に家具らしいものは持ち込んでいない。これが全てである。やはり他と違っているのは、姿見が埋め込まれていて動かすことができない、というところであり、私の注意も自然、そこに集まった。




