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紫霧転生 ――その身体は霧――  作者: ビーバーの尻尾
 第一章 氷獄沼 蠢く大気編
8/40

第8話 想いの不一致 ――殺意 VS 好意(殺意)――

パンダっ娘視点です。

 ボクは強い。

 そう確信を持って言える。


 その種族の特性ゆえ、元々生まれた時からの生命力が他の生き物達と一線を画している。

 敵を吹き飛ばす剛腕に、その見た目からは想像も出来ないような俊敏さ。

 その分厚い毛皮は、衝撃を通しにくい上にマリョクタイセイとやらにも優れている。


 生まれた時からの強者。


  更には一族の長である父から与えられた試練を乗り越え、最後の一騎打ちにて一族最強をも打ち倒したのだ。


 もはや最強を超えた最強、超最強のスーパー無敵と言っても良いだろう。






 ・・・と、父上が言っていたからだ。


 父上が言うことに間違いはない。だって一族の長で、1番偉くて強いからだ。

 昔から自分でそう言っていた。


 でもうちの一族は全員いつもグータラしてるからこの中で1番強い強いと言われても正直ピンとこなかったのは内緒だ。


 大体普通の生き物達というのもよく分からない。

 ボク達の縄張りにはそもそもあまり他の生き物達が入ってこない。そして此方から外にも行かない。


 食事はどうしているのかというと縄張りの中を流れている小川から水を飲み、縄張りの中に生えている植物を食べているだけだ。肉とかも食べれるのに面倒くさがって外に行かない。


 完全な自給自足が行われ、縄張り内だけで世界が完結していた。


 縄張り自身体がかなり広いので窮屈さを感じたことはないが退屈だった。

 ・・・そう、だった・・・


 今や、自分はそこから解き放たれている。



 ★★★



 背後の茂みから此方に何かが襲いかかってくる。

 この気配はおそらくつい先日も襲ってきたオオカミ君だろう。


 ボクは身体を少しずらして飛んできた噛みつきを避ける。

 そして空気を噛み締めているオオカミ君を、すくい上げるように殴り飛ばす。


 オオカミ君は高速で回転しながら斜め上空に飛んで行き、ちょうど同じタイミングで此方を襲おうとしていたサル君にぶち当たった。

 そして両者もみくちゃになって受身も取れずに地面を転がる。


 それを踏み砕く。


 ・・・うん、なかなかおいしかった。

 オオカミ君は昨日食べたからおいしいのは知っていたけど、サル君も意外といける。

 また今度見つけたらもっと食べてみたいなぁ。


 それにしてもやはり縄張りを出てきてよかった。

 この森は面白いもの達が沢山いる。

 そして此方から何もしなくても積極的に襲い掛かってきてくれるのだ。

 息つく間もなく昼夜問わずに戦いっぱなしだ。


 戦いながら敵の身体を食いちぎり栄養を。

 戦いながら相手の生き血を飲み干して水分を。

 戦い打ち倒した獲物の住処を奪いつかの間の休息を。


 そして無意識の内に寝込みを襲おうとする殺意に反応し、それが新たな一日の始まりとなる。



 ああ、なんて楽しいのだろうか!


 でもまだ足りない!


 もっと戦いたい!


 ボクに戦いを!!


 死力を尽くす闘争を!!!



 ボクは戦い、戦い続けた。いつも余裕ある戦いをできたわけではなく、時には強敵と出会い、苦しい戦いをしたこともあった。


 しかしそれでもボクは負けなかった。


 頑強な甲羅を持つカメ君にも、目に見えない程に速いイタチ君にも、群れを率いて襲ってきたいつかのオオカミ君達のボスにも、自分と同じく屈強な肉体を持つクマ君にも、打ち勝ってきた。


 暴れ狂う一匹の獣。

 荒々しい嵐のように全てを破壊し、蹂躙しつくす暴虐の化身。


 気付くとソレは森の中で強者として周りのもの達から認識されていた。

 辺境からきた余所者と侮るものはもういない。


 そのつぶらな瞳に宿るものは狂気。

 その黒白シロクロの体躯は畏怖の象徴。


 もう誰も好き好んでソレに襲い掛かることはしなかった。



 ★★★



 ・・・この頃なんだか退屈な気がする。

 いや気のせいではない。

 明らかにボクと戦ってくれるもの達が減った。


 そこら辺をブラブラしても以前のように奇襲や不意打ちにあわない。

 ぐっすり眠っていても誰も寝込みを襲ってこない。


 おかげさまで最近は睡眠を取りすぎて頭が痛い、どうしてくれるんだ。

 もはや夜寝て朝起きたと思ったら夕方なんてことはざらだ。


 ボクから敵を探しに行ってもみんなボクから逃げて行くし、後を追って逃げ場を封じて追い詰めると明らかに怯えきった様子で固まってしまう。


 とてもじゃないが熱い戦いなんて期待できる様子ではない。

 食べるためならばともかく、ろくに戦えそうもない生き物を好きで殺したいわけじゃない。


 ボクはこの一帯でも特に気性が激しく凶暴だったトラ君が尻尾を又の間に隠して必死にそのデカイ図体を縮こまらせているのを尻目に、今日も駄目かと落胆して背を向けその場を立ち去る。


 ・・・少し、背後から襲ってくるのを期待したけどダメか―・・・。ハァ・・・。

 だいぶ前に何回か失敗をしたから学習してしまったのかもしれない。


 戦っていて楽しかったから生かしておいたけどもう殺しちゃおうかな・・・。いやでも無抵抗なのを殺してもなぁ・・・。


 どうやらこの場所ではもう戦えないみたい。

 だいぶ住み心地がよかったから長居しちゃったけど、戦えないならばいる意味がない。

 別の場所に行って次なる戦いを求めよう。

 そうだ!そうすればまた楽しく戦えるっ!


 ボクは気を取り直して新たなる出発を心に決めた。


 でも今日はもうそろそろお昼になっちゃうから明日にしよう、のどが渇いたから水でも飲みに行こうかな。




 太陽が高く昇った真昼の時間、ただの小池に彼女は赴く。

 雲ひとつない快晴の日。

 陽光と新緑が燦めく中彼女が出会ったのは紫の霧。

 日差しの中で揺らめきつづける、意思を持った奇怪な霧。


 その霧は彼女を・・・。



 ★★★



 今日、再び旅立とうとしていたボクを奇妙なものが襲った。


 いや、別に姿形はそこまで奇妙なものではないんだが、なんというか、変なのだ。



 初めはカエルだった。

 紫色の珍しい色をしたカエルが僕に襲い掛かってきたのだ。


 今までカエルのような小さなものに単体で襲われたことはなかったからビックリしたし、その見た目からは信じられないほどのスピードで迫ってきたから二重に驚いた。


 ボクが水を飲もうと池に近づいたらいきなり飛び出してくるもんだから反射的に叩き返しちゃったよ。


 飛び出てきた時以上の水しぶきを上げ池に逆戻りするカエル君。

 あの感触ではもう生きていまい。


 せっかく久しぶりの戦いだったのに、惜しいことをしちゃったな・・・。もうちょっと優しく叩くんだったよ。ごめんねカエル君。


 そういえば昨日、水飲んでる時になんか後ろから攻撃されてた気がする。


 旅に出ることで頭が一杯だったから特に何も考えず迎撃した気がするけど、もしかしたらあの時あのカエル君の兄弟でも殺してしまったのかな?


 それで敵討ちとか?もの凄い殺意で迫ってきたから案外当たりかもしれないなぁ。


 残念だけど力不足ということで諦めてくれたまえカエル君。

 確かに君は強かったが、ボクは超最強のスーパー無敵なんだ。君ごときには負けないよ。


 気を取り直して池に近づき、頭を垂れて水を飲もうとするボク。

 ・・・に再び水面下から襲い掛かる紫色の塊。


「ッ!?」


 カエル君がまた襲ってきた!?

 いやいやさっき殺したよね!確実に殺した手応えしてたよ!?


 戸惑いながらも再び迎撃する。先ほどよりも近かったので少し焦って全力で叩いてしまった。

 まるで先ほどの光景を巻き戻して再生しているかのように池に戻るカエル君。



 ・・・あーあ、やっちゃった。

 きっとあのカエル君はさっき殺したカエル君の家族だったんだ。


 今度こそ手加減しときゃよかったのに、思わず全力で叩くなんて・・・。可哀想に、衝撃で手足が飛び散ってるじゃないか・・・。

 やったのボクだけど、ごめんねカエル君。


 ボクの周りに落ちたカエル君の手足を見ながら心の中で謝る。ちょっと楽しかったのは気のせいに違いない。


 ん?この手足のパーツ、なんかちょっと動いてない?

 よく見たらなんか紫色の水蒸気みたいなのが出ているような・・・?


 突然ボクの見ている前で不可思議なことが起きた。カエル君の手足の成れの果てがひとりでにズズズと池に吸い込まれていく。


 周囲に飛び散った体液もまるで意思を持ったかのごとく波打つと池に引き込まれる。というかこの体液も紫色・・・?


 水を飲むことも忘れてカエル君とその残骸が消えた池を見つめる。

 ・・・何も起きない。


 しばらくして試しに顔を水面に近づけてみるがやはり何も起きず、結局そのまま水を飲んで帰って寝た。新たな旅のことは忘れていた。







 ・・・・・・ちなみにその頃カエルは心が折れていた。痛いことは痛いのだ。



 ★★★



 奇妙な身体験をしたの日、ボクは例の池の事がかなり気になったがそのまま旅に出た。

 おそらくカエル君とその兄弟達(?)を惨殺してしまったのでちょっと後ろめたくて行くに行けなかったのだ。


 あの時起きた変な現象が何だったのか確かめてみたい気もするが、ただの気のせいだったかもしれない。結局あの後何も起こらなかったし。


 そうして再び新たな地へと旅立ったボクだったが、甘美なる戦いの日々の中でもしばらくするとどうしてもあの小池の事が気になってしまい、とうとうまた戻ってきてしまった。



 そして再三に渡りボクの前に現れる紫色のカエル君。


 流石にこれには目を剥いた。

 いい加減におかしいことに気付く。


 まず、見た目がおかしい。通常のライトグリーンの肌にうねる様な鮮やかな紫模様が描かれており、あからさまに毒々しい。そして身体から模様と同じ紫の色が湯気のように噴出している。


 あと池の周囲に他にもカエルはいるがどれもここまで凶悪そうな面構えはしていない。

 というか、前回よりも屈強そうに見えるのは気のせいだろうか。


 次に別によく考えなくてもカエルは敵討ちなぞしない。


 いちいち殺された仲間のために明らかな強者に玉砕覚悟で突っ込んで行くほどの義侠心を彼らは持たない。

 そんなことしてたらとうの昔に絶滅していただろう。


 あとはあの不可思議な現象。

 あれは何がどうなっているのか全く分からないがきっとそれがこのカエル君の異常な生還率――いや即死のはずなんだけど――にかかわっているに違いない。


 とりあえずボクはカエルのくせに所々フェイントを使いながら繰り出される巧みな舌での攻撃をいなしつつ、カエル君を捕まえると両手ではたいて空中で押し潰す。




 断末魔を上げることもできずに破裂するカエル君。即死だ。間違いない。




 ボクはそのまま地面に落ちたカエル君の死体を観察する。

 ・・・するとなんと身体から立ち上る紫のオーラごと、四散したカエル君の肉片が動き始めた。


 呆気にとられて見ているとあれよあれよという間に肉片が一箇所に集まり、互いにくっつき、身体の形を整え始める。

 カエル君の血もするするとその身体の中に入っていき・・・おおっとォッ!?


 カエル君がいきなり攻撃してきた。完全に呆けていたから今のは危なかった。

 辛うじて舌を弾くとカウンターを叩き込む。



 ――ッドゴォッッ!!!



 ボクの手がカエル君を地面と挟んで押し潰し、それでは飽き足らず地面をも粉砕して拳の型を刻む。


 確実にカエル君を絶命に至らしめた手に残る衝撃の余韻はしかし、次の瞬間何かが手の周りを蠢く気味の悪い感触で塗り替えられる。


 反射的に手を引き一歩下がって間合いを取るボク。

 そうする間に再び目の前で繰り返される先ほどの光景。カエル君の黄泉還り。


 ・・・なんということだ。

 まさか殺しても生き返る生き物がいたなんて。

 いや、それって生き物なのだろうか?


 またもやカエル君の攻撃をいなし、反撃しようとするも距離を取られてしまった。

 ・・・でも無駄だよ。


 一歩で間合いを詰めて、心なしか驚いているようなカエル君の顔を至近距離で見つめてわらう。



 ああ今のボクはさぞかし凶悪そうな笑顔を浮かべていることだろう。




 だって、でも、仕方がないじゃないか。

 殺しても殺しきれず、いくら痛めつけても死なない存在。


 膨大な闘志(サツイ)を僕に向けてくれる、無限の闘争が行える相手。


 ボクにとって、夢のようなことだ。そのような生き物がいるなんて。どうしてこれを喜ばずにいられようか、今ではなくていつこの想いを表せというのか。


 ボクはカエル君に向かって心に溢れ出した激情(ヨロコビ)のままに拳を叩き付ける。地面に落ちたカエル君が再生を始めようとするもその上から更に殴る。


 殴る、殴る、殴る。

 殴る、殴る、殴る、殴る。


 殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る。殴る。


 もはやカエル君は身体はバラバラになり、粉微塵になり、液状化し、更にはボクの打撃によって耕された周囲の地面の土と混じって見る影もない。


 それでも手の先に感じる僅かな感触が嬉しくて夢中になって拳を振るい続けた。


 ふと気付くと日は暮れ、周囲は暗くなってきていた。

 カエル君(がいた場所の地面)も動く気配がない。


 しまった!やりすぎた!


 ・・・まさか死んでしまった!?


 気を研ぎ澄ましてカエル君の気配を探ると、反応があった。

 しかし再生は始らない。


 ・・・時間が掛かるのだろうか?

 でも気配を探る限りだと大丈夫そうだ。

 少なくとも死にそうな気配ではない。復活する気がする。


 今日はこれで帰ろう、また明日から毎日でもここに来たいが、あまりやり過ぎて逃げられると嫌だからなるべく我慢せねば。







 ・・・・・・もう既にやりすぎで、カエルの心が再び折れていることを彼女は知らない。



 ★★★



 あれからボクの毎日はとても充実している。

 もう毎日が楽しくてしょうがない!


 結局ぜんぜん我慢することができず、日に日に例の小池に赴く間隔のスパンが短くなっているが、止められないし止めるつもりもない。


 ありとあらゆる方法でボクに戦いを挑んでくる霧君。

 そう、霧君だ。


 どうもボクが戦っていた彼――彼女?でも霧に性別なんてないだろうし、――は霧のほうが本体らしく、カエル君の他にトリ君やヘビ君、あとはムシ君などにもなってボクと戦うのだ。


 戦っていて飽きがない、全く霧君はすばらしい。

 ついで彼が使う食べれる生き物は、倒したあと食べてしまっている。


 霧君が生き物の身体に入ったままだと胃袋で再生して身体内から攻撃されそうなので、念入りに痛めつけて霧君が生き物の身体から抜け出たところをおいしく頂いている。


 彼はあまりにも殺られすぎると、堪らなくなって逃げ出すのだ。

 そしておとなしくなってしばらく出てこなくなってしまう。


 それでも一日経てばすぐ元気になるから大丈夫だ!


 霧君は日に日に闘志(殺意)を増して、強くなってきている。

 しかしまだまだボクには届かないし、もちろんボクも強くなる。

 更なる闘争のためには、自分も成長しなくちゃだよね!


 霧君は最近生き物の身体を使わずに、霧だけで攻撃する術を覚えたようだ。

 今後の成長が楽しみだなぁ。



 ★★★



 今日も今日とて早朝から小池に赴いてしまう。

 今日も元気一杯に霧君と戦いたい。


 ・・・ん?なんか池の空気が少し変だ。

 今まで静かに、しかし確かにあった気配が消えている。それに池の中に生気が感じられない・・・?


 何故だか知らないけど小魚一匹すらもいないかのように感じる。

 でも池は今までと変わらず静謐に水を湛えている。霧君が何かやったのか?

 何かあったのだろうか・・・。


 しかしそれも些細なこと。ボクは霧君と戦えればそれでいい。


 霧君と戦うにはいくつか面倒な手順を踏む必要があるときがある。

 問答無用に襲い掛かってくれるときはそれでいいのだが、時々彼は此方の隙を慎重に窺うときがあるのだ。


 そうすると戦うためにはボクが油断しているように見せなくてはならない。


 とはいえ本当に油断したら危険なのであくまで振りなんだけどね。

 池の近くに座り込んで目を瞬かせ、欠伸をしながらくつろいでみる、来ない。


 近くを飛んでいた虫を手で掴んで捕食しゆっくり味わい、食べ終ったらゲップする、来ない。

 身体を起こして池の水辺に近づき、大口を開けて水をがぶ飲みしてみる、来ない。


 ・・・まいったな、全然誘いに乗ってこないよ。


 ボクは水を飲み終わると、口の周りを緊張感なさげにぬぐってみせるがまだ来ない。


 どうやら今日は不動の構えで来るらしい。


 もうこうなると背を見せて帰るぐらいしか隙を見せる方法がないぞ。

 今までこんなにも食いつかなかったのは初めてだ。


 ・・・しょうがない、また来ようかなぁ。

 昼ごろにもう一度来てみよう。霧君の気が変わってるといいけど・・・。


 ボクは池に背を向けて帰り始めた。


 やっぱり霧君は来ないようだ。残念・・・。


 ・。

 ・・。

 ・・・。

 ・・・・・・。・・・そしてやっぱりボクは我慢できずに最後に再び池に近づく。


 彼がいないか見るために。


 いつも霧君をボコボコにして逃げられた後に、別にそこに彼がいると決まっているわけでもないのに池を覗いてしまうのだ。




 それはきっと、そこがボクが初めて君に出会った場所だからだろうね。




 しつこくそんなことをしていては、ますます君に嫌われるということぐらい、ボクにもわかっているはずなのにな。



 ・・・ふふふ、そういえばボクが初めて君に出会った場所はそこだけど、君がボクに出会ったのはその後ろなんだっけ。


 そんなとりとめもないことを考えていたら、いきなり頭上から攻撃が来るのを辛うじて察知した。

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