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恋愛奇譚 ~盲目的な愛のカタチ~  作者: 足利 士郎
第2章『サイアーム帝国編』
18/19

第8話『不安』 (光)

 不意に仕事中に新しい小説の構想が浮かんでしまい、仕事に集中できませんでした^^;



「兄ぃ様とライテウス様は御友人だったんですかっ!!!」


あれからおよそ一時間後。


闘いを終えた俺達はライテウス家にある来客用に用意された豪勢な一室へと案内された。


そこでマリーはウルの話を聞いて驚きの声を挙げていた。


「あぁ。俺とリュームはホルスヤードの同期で、おまけにルームメイトだったんだぜ……何だ、言ってなかったのかよ」


そう言うとウルは俺を見ながら言い放つ。


「仕方無いだろう。まさかこんなに早い段階で俺もお前とまた顔を合わせるとは思っていなかったからな」


対して俺はウルがライテウス家の人間である事はホルスヤード時代から既に知っていたが僅か半年足らずで再び会う事になろうとは夢にも思わなかったと説明した。


「……じゃあ、あの命懸け同然の闘いは何だったんですか?」


おおよその話を理解したマリーは悪ふざけとは言え、俺達に襲い掛かった事について特に悪びれた様子すら見せないウルの顔をジト目で睨んだ。


「そりゃあ~久方ぶりに会う友人への挨拶ってヤツさ♪」


どうやら本気で悪びれた様子は無い様だな……。


「……と言う事は、兄ぃ様もあの黒いマントの人物がライテウス様だと知っていたんですね」


悪びれないウルにもう何を言っても無駄だと悟ったのかマリーは早々に矛先を俺へと変えてきた。


「……と、途中から……な」


……無論、これは嘘っぱちだ。実際にはマリーがライテウス家に招待されたと言っていた段階から既に嫌な予感はあった。


そして、その予感はライテウス家に到着してから現実となり、俺は変装した(?)ウルと対峙した。


最初に奇襲を仕掛けてきた時点で俺はすぐさま闘っている相手がウルだと理解したが、当のウルのヤツは何故か本気で闘いを挑んできていた為、思わず久しぶりに俺自身も血が騒いでしまった。


(……結局、それが原因で気が付いたら本気で闘っていたなんて言えない……)


「私、凄く怖い思いをしたんですけど……」


そう言うとムスッとやや不機嫌な顔つきでマリーは俺の顔を見つめる。


「まぁまぁまぁ……さっきのバトルの件は悪かったよ義妹ちゃん☆」


そう言うとケラケラと笑いながらウルはマリーに馴れ馴れしい態度を見せる。


「……ところで、さっきから何となく気になっていたんですがライテウス様が何故、私の事を義妹ちゃんと呼ぶのですか?」


そんなウルの態度にマリーは特に嫌がる様子は見せない。


(まぁ、俺と違ってウルは昔から友人を作るのは上手かったからな)


「ウルで良いぜ。俺達はルームメイトだったからリュームが良く部屋で義妹ちゃんへの手紙を書いてたのを知ってたからな……気が付いたらなし崩しに二人の関係やら生い立ちやら色々と知っちまってた訳よ」


「だからリュームの義理の妹の事を俺は義妹ちゃんと命名して勝手に呼んでた訳よ♪」


にんまりと笑いながらウルはマリーを見つめた。


「……っと。そろそろ親父が城から帰ってくる時間帯だな」


「今から料理人に頼んでとびきり旨い飯を用意して貰うから、二人共たらふく食ってくれよ☆」


不意にウルは何かを思い出したかの様に何処かわざとらしい態度で部屋を出ようとする。

















「……悪りぃが夕食後に義妹ちゃん抜きで話がある……」


 刹那。


 俺の真横を通り過ぎたウルは俺にしか聞こえない程の小さな声でそう言い放った。


 その顔と声は今までマリーに接していた様なおちゃらけた様子ではなく、真剣そのものだった。


 「ほんじゃ、飯が出来たら呼びに来るからそれまでゆっくりしててくれ♪」


 そして、部屋を出る際にウルは再びマリーに対してにこやかな表情を見せながら部屋から退出した。


 「ウルさんって、面白い方ですよね兄ぃ様」


 ウルが部屋から退出した僅かな後に、マリーは俺に対してウルの第一印象を語り出す。


 「……あぁ、そうだな……」


 しかし。


 俺はすれ違った際にウルが放った最後の一言に一抹の不安を感じざるを得なかった……。



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