はじまりの春
はじまりは春
人と人との出会いは、運命である、と。
私は運命を信じる。
私は運命を信じない。
私の4年間を運命付けた出会いが、その時確かにあり、私はその蜘蛛の糸を手繰って、地獄から抜け出せた。
ただ、地獄もまた、それはそれで良いものだったのかもしれないし、それを掴んでいなくとも、また新たな蜘蛛の糸を見つけられたかもしれないと、私はそうも思う。
結局、私たちは一つの道しか歩むことが出来ず、二つの選択肢に出合って、二つとも選んでも、二つとも喪っても、それはそれで一つの道でしかなかったのだとも。
今でこそ、私はそう思う。
2011.12.15