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第38話 肝試しは文芸部仕様

# 肝試しは文芸部仕様


 壮介のカレーうどンは最高だった。


 一晩寝かせたカレーをうどンにかけるだけの単純な料理だが、壮介の愛情が詰まっている。玉ねぎの甘みが昨夜よりさらに深くなっている。うどンにカレーが絡む。太いうどンが壮介の選択だ。細麺ではなく太麺。「カレーには太いうどンだ! 存在感!」と壮介が主張した。じゃがいもの時と同じ理論だ。壮介は存在感を重視する男だ。


 壮介が「カレーうどンは文芸部の魂の食べ物だ!」と叫んだ。全員がおかわりした。先生が二杯食べた。凛先輩が「認めざるを得ない。カレーライスよりうどンのほうがカレーに合う」と言った。壮介が「先輩がうどン派に転向した!!」と飛び上がった。二夜連続で壮介のカレーが凛先輩に認められた。壮介の合宿の最大の成果は、文字数ではなくカレーだった。


 食後。食堂のテーブルを片付けた。外はもう暗い。八月の夜。蝉が鳴いている。波の音。星が見える。都会では見えない数の星が空に散らばっている。


 凛先輩が立ち上がった。


「今夜の最終プログラムを発表する」


「花火!」


 壮介が叫んだ。


「花火はする。だがその前に、もう一つイベントがある」


「イベント?」


「肝試しだ」


 食堂が凍った。壮介が固まった。


「き、きもだめし?」


「そうだ。合宿の夜といえば肝試しだろう」


「誰が決めたんですか!?」


「俺が決めた。部長権限だ」


 壮介の顔が青くなっている。この男は声がでかくて体力があって何でも食べるが、怖がりだ。おばけ屋敷に入れないタイプだ。中学の修学旅行で肝試しをやった時、スタート地点で泣いたらしい。本人は否定しているが、田中がバラした。


「先輩、壮介が怖がってますよ」


「怖がるのが肝試しの目的だ」


「目的が人を怖がらせることなんですか」


「違う。目的は文芸的体験だ」


「文芸的体験?」


 凛先輩がスケッチブックを取り出した。ホワイトボードの代わりだ。マーカーで何かを書き始めた。


「文芸部の肝試しは、普通の肝試しとは違う。ただ暗い場所を歩くだけでは意味がない。そこにミステリの要素を加える」


 凛先輩が書いた図を見せた。かもめ荘の周辺の地図だ。建物の裏手から山道を通って、展望台の手前にある東屋まで。片道十五分のコース。


「コースの途中に三つの謎を配置してある。参加者は二人一組で歩いて、三つの謎を全て解かないとゴールできない」


「謎!?」


「ミステリ仕掛けの肝試しだ。怖いだけじゃない。頭も使え」


 壮介がさらに青くなった。怖い上に頭を使うのか。壮介にとって最悪の組み合わせだ。


「先輩、いつ準備したんですか」


「午後の自由時間だ」


「先輩、読書してたんじゃ」


「読書は一時間で終わった。残りの一時間で準備した」


 一時間で読書二冊と肝試しの準備を終わらせる凛先輩。この人の時間管理能力は異常だ。


「ペアを決める。壮介と朝倉。詩織と俺。先生は見張り役だ」


「なんで俺とそうすけが!」


「壮介を一人にすると途中でリタイアする。お前がついていろ」


「介護か!」


「介護だ。壮介介護だ」


「ひどい!」


 霧島先生がソファから声を上げた。


「俺は見張り役? 何を見張るんだ」


「コースの安全確認です。暗い山道だから、事故がないように」


「分かった。缶コーヒーを持って立ってればいいか」


「立っていてください。ただし脅かさないでください」


「脅かす予定はなかったが、言われるとやりたくなるな」


「先生、やめてください」



    *



 午後八時。


 かもめ荘の裏手。山道の入口。暗い。月明かりが少しだけあるが、木々に遮られて地面はほとんど見えない。懐中電灯を一つずつ持っている。壮介の手が震えている。懐中電灯の光が揺れている。


「壮介、手が震えてる」


「震えてない! 寒いだけだ!」


「八月だぞ」


「八月でも山は寒い!」


「寒くない。二十五度はあるぞ」


「体感温度が低いんだよ! 恐怖で!」


 恐怖で体感温度が下がる。壮介理論だ。科学的根拠はない。


 凛先輩と詩織さんが先発隊として出発した。先に謎を確認するためだ。凛先輩が謎を仕掛けた本人だから、答えを知っている。でも詩織さんは知らない。詩織さんが解けるかどうかで、難易度を確認するらしい。


「千歳、解けなかったら難易度を下げる」


「解けます。たぶん」


「たぶんか。行くぞ」


 二人の懐中電灯の光が山道に消えていった。暗い。静かだ。蝉と波の音だけ。


 十分後。俺と壮介の番が来た。


「行くぞ壮介」


「行きたくない」


「行くぞ」


「行きたくないって言ってるだろ!」


「掟を思い出せ。笑え」


「笑えない! 怖いから!」


「怖くても笑え。凛先輩がそう言ってた」


「先輩のルールは肝試しには適用されないと思う!」


 壮介の腕を引っ張って山道に入った。暗い。懐中電灯の光が足元の三メートルだけを照らしている。木の根が見える。落ち葉が見える。その先は暗闇だ。


「陽翔、手を離すな」


「握ってない」


「握れ!」


「男同士で手を繋ぐのか」


「肝試しでは性別関係ない! 生存本能だ!」


 壮介が俺の腕にしがみついた。握力が強い。サッカー部じゃないのにグリップ力がある。カレーうどンを毎日混ぜているからかもしれない。


 山道を歩いた。五分。暗い。怖い。壮介が俺の腕を離さない。爪が食い込んでいる。痛い。木の枝が風で揺れるたびに壮介が「何!?」と叫ぶ。風だ。ただの風だ。落ち葉が足元でカサカサ鳴るたびに「足音!?」と叫ぶ。自分の足音だ。


 最初の分岐点に来た。木に紙が貼ってある。懐中電灯で照らした。凛先輩の字だ。丁寧で読みやすい。暗闇の中でも読めるように太いマーカーで書いてある。準備が細かい。


「第一の謎。"私は部屋に一人でいる。鍵はかかっている。窓も閉まっている。しかし朝になると部屋の中に手紙がある。犯人は誰か?"」


 密室の謎だ。凛先輩らしい。ミステリの基本中の基本。でも暗い山道で出されると雰囲気が違う。紙の文字が懐中電灯に照らされて不気味に見える。


「分かった?」


「分からない! 怖くて考えられない! 脳が恐怖で占領されてる!」


「壮介、怖がってると謎が解けないぞ。解けないとゴールできない」


「永遠にここにいるの!?」


「永遠は大げさだ。考えろ。密室に手紙がある。誰が入れた?」


「幽霊!」


「幽霊は答えじゃない。ミステリに幽霊は出ない。凛先輩のルールだ」


「ミステリに幽霊が出ないルール!? 初めて聞いた!」


「本格ミステリには超常現象は使えない。現実の手段で解ける謎しか出ない。考えろ。鍵がかかっている。窓も閉まっている。でもドアの下には隙間がある」


「隙間?」


「手紙はドアの下の隙間から差し入れられた。犯人は隙間から手紙を滑らせた人間だ」


「ドアの隙間!! そんなのアリか!?」


「ミステリではアリだ」


 紙の裏に答えが書いてあった。「ドアの隙間から差し入れた。正解者はそのまま進め」。正解だ。凛先輩のミステリは丁寧だ。問題の横に答えを置いてくれている。


 第二の分岐点。七分後。道がさらに暗くなっている。木が密集していて、月明かりがほとんど届かない。懐中電灯の光だけが頼りだ。壮介の手が俺の腕を離さない。もう感覚がなくなりかけている。壮介のグリップ力で腕の血行が止まりそうだ。


「壮介、腕の感覚がなくなってきた」


「死んでも離さない!」


「死ぬのは俺の腕のほうだ!」


 木に紙が貼ってあった。第二の謎。


「第二の謎。"五人の文芸部員がいる。一人が嘘をついている。壮介は"俺は犯人じゃない"と言った。凛は"犯人を知っている"と言った。詩織は"全員が真実を言っている"と言った。陽翔は"詩織が嘘をついている"と言った。霧島は何も言わなかった。犯人は誰か?"」


「俺たちが登場してる!!」


「凛先輩、俺たちを題材にしたのか」


「俺が犯人じゃないって言ってる! 俺は無実だ!」


「壮介、これはフィクションだ。落ち着け」


「フィクションでも名前が出てると怖い!」


 考えた。詩織が「全員が真実を言っている」と言った。陽翔が「詩織が嘘をついている」と言った。両方が本当なら矛盾する。つまりどちらかが嘘だ。陽翔が本当なら詩織が嘘つき。詩織が嘘つきなら「全員が真実を言っている」は嘘。つまり嘘つきは詩織。でも詩織が嘘つきなら全員が真実ではない。つまり誰かが嘘をついている。壮介が嘘をついているなら壮介が犯人。


「答えは壮介だ」


「俺!? 俺が犯人!?」


「壮介が"俺は犯人じゃない"と嘘をついている。だから壮介が犯人」


「俺のキャラが犯人にされてる!! 凛先輩ひどい!!」


 紙の裏。「壮介が嘘をついている。正解」。壮介が「俺が犯人!!」と叫んだ。山に壮介の声が響いた。鳥が飛び立った。


 第三の分岐点。十二分後。ゴールの東屋が見えてきた。最後の紙が木に貼ってある。


「第三の謎。"これは謎ではない。振り返れ"」


「振り返れ?」


 壮介が凍った。


「振り返りたくない」


「振り返れって書いてあるぞ」


「振り返ったら何かいる!」


「いないだろ。凛先輩の仕掛けだぞ」


「先輩の仕掛けだからこそ怖い! ミステリの仕掛けは人を騙す!」


 俺が振り返った。


 暗闇の中に、何かが光っていた。木の幹に蛍光塗料で文字が書いてある。懐中電灯を消すと見える。暗闇の中に浮かぶ文字。


「"お疲れ様。ゴールはすぐそこだ。掟を忘れるな"」


 凛先輩のメッセージだった。怖い仕掛けではなく、労いの言葉だった。蛍光塗料で光る掟のリマインド。凛先輩は最後まで部長だ。怖がらせた後に、安心させる。ミステリの犯人を暴いた後に、読者を労う。それが凛先輩のやり方だ。


「壮介、怖くないぞ。先輩からのメッセージだ」


「本当!?」


「"お疲れ様"だって」


 壮介が恐る恐る振り返った。蛍光塗料の文字を見た。


「先輩!!」


 壮介が泣いた。肝試しで泣いた。怖くて泣いたのか、安心して泣いたのか、たぶん両方だ。この男は感情の蛇口が壊れている。


 東屋に着いた。ゴールだ。凛先輩と詩織さんがベンチに座っていた。懐中電灯を持って。


「お疲れ。謎は全部解けたか」


「全部解きました。壮介が犯人でした」


「俺が犯人にされた!!」


「壮介を犯人にするのは自然だろう。動機がカレーうどンだからな」


「動機がカレーうどン!? どんなミステリだよ!」


「カレーうどンのために密室に侵入する男。壮介ならやりかねない」


「やらない!! 犯罪はしない!!


「ミステリの中でだ。現実ではない」


「ミステリの中でも犯人は嫌だ!!」


 凛先輩が少しだけ笑った。詩織さんも笑っている。取材ノートを持っている。暗闘の中でもメモしていたらしい。懐中電灯を口にくわえて、両手で万年筆を握っていた形跡がある。この人の取材への執念は暗闇でも衰えない。


「千歳、謎は解けたか」


「全部解けました。第二の謎が一番面白かったです。壮介くんが犯人なのは、論理的に美しい解答でした」


「論理的に美しく犯人にされた!!」


 壮介が叫んでいる。全員が笑っている。山の上の東屋で。懐中電灯の光の中で。五人の笑い声が夜の山に響いている。


 先生が東屋の横に立っていた。缶コーヒーを飲みながら。見張り役として。


「全員無事か」


「無事です。壮介以外は」


「壮介はどうした」


「精神的ダメージを受けてます」


「生きてるなら問題ない」


「先生、冷たい」


「顧問は安全管理だ。精神管理は範囲外だ」


 先生が缶コーヒーを飲み干した。暗い山道に空き缶の音が響いた。



    *



 かもめ荘に戻った。砂浜に出た。花火の時間だ。


 壮介の花火セット。線香花火一袋。手持ち花火三本。打ち上げ花火一つ。凛先輩に三分の一に削られた花火の残りだ。少ない。でも十分だ。五人で分ければ一人一本と少し。贅沢ではないが、足りる。


 手持ち花火に火をつけた。パチパチと光が散る。赤、緑、白。火花が砂浜に落ちて消える。壮介が「綺麗だ!」と叫んだ。肝試しのダメージから完全に回復している。この男の回復速度は異常だ。


 凛先輩が手持ち花火を持って、静かに火花を見つめている。光が凛先輩の顔を照らしている。花火大会の時と同じだ。でも今回は近い。手元の花火は遠い空の花火とは違う。近くて小さい。でもその分、温かい。


「先輩、花火好きですか」


「好きだ。年に一回しか見ないから特別だ」


「今年は二回目ですね。花火大会と、今日と」


「そうだな。二回目だ。贅沢だな」


 詩織さんが線香花火を持っていた。丁寧に持っている。万年筆を持つ時と同じ手つきだ。親指と人差し指と中指で軽く挟んで、手首を動かさない。線香花火の火の玉が、オレンジ色に光っている。火花が散る。小さな火花。一つ一つが繊細だ。詩織さんの文章みたいだ。派手ではないが、一つ一つが丁寧で美しい。


 詩織さんの線香花火が長持ちしている。他の人のはもう落ちたのに、詩織さんの火の玉はまだ光っている。力加減が上手いのだ。強く握らない。弱く握らない。ちょうどいい力で持つ。万年筆の持ち方と同じだ。


「線香花火って、最後に火の玉が落ちるんですよね」


「うん」


「落ちるまでの時間が好きです。落ちないように、そっと持って。でもいつか落ちる。落ちるのが分かっているのに、長く持っていたいと思う。それが切ないんです」


「切ない?」


「はい。合宿も同じです。終わるのが分かっている。でも長くいたい。落ちないように、そっと持っていたい」


 詩織さんの線香花火の火の玉が、少しだけ揺れた。まだ落ちない。持っている。そっと。


 打ち上げ花火を最後にやった。壮介が担当した。「俺がやる! 花火は俺が上げる!」と志願した。砂浜に筒を立てて、導火線に火をつけた。マッチの手が震えていた。肝試しの時の震えとは違う。興奮の震え。火がついた。全員が離れた。壮介が「火がついた! 離れろ!」と叫びながら、自分が一番近くに立っている。「壮介、お前が離れろ!」と俺が引っ張った。


 ヒューッと音がして、光の線が空に上がった。弧を描いて。頂点に達して。


 パァン。


 小さな花火だった。花火大会の大玉とは比べものにならない。でも五人で見る花火は、何万人で見る花火より近い。光が砂浜を一瞬だけ照らした。五人の顔が見えた。壮介が口を開けている。凛先輩が空を見上げている。詩織さんが目を閉じている。先生が缶コーヒーを持ったまま固まっている。俺は全員の顔を見ていた。


 光が消えた。煙が漂った。暗くなった。波の音が戻ってきた。


「もう一発ないの?」


 壮介が言った。


「ない。一つだけだ」


「一つか。寂しいな」


「一つだから特別なんだ。凛先輩が言ってた。年に一回だから特別だって」


「一回か。じゃあ、来年もまた一回やろう」


「やろう」


 全員が頷いた。来年も。同じ場所で。同じ五人で。打ち上げ花火一つ。線香花火一袋。手持ち花火三本。それだけで十分だ。


 砂浜に座った。五人で。波の音。星の光。花火の煙が夜風に流されていく。


「合宿、楽しかったな」


 壮介が言った。


「まだ終わってないぞ。明日の朝まである」


「でも、夜はもう最後だろ。この夜が最後だ」


「そうだな。最後の夜だ」


「三日間って短いな。もっといたかった」


「俺もそう思う」


「来年も来ような。かもめ荘。同じメンバーで」


「凛先輩が許可してくれればな」


「先輩は来るだろ。先輩もここが好きだ。パラソルの下で本を読んで、肝試しを仕掛けて、カレーを批評して。先輩にとってもここは特別な場所だ」


 壮介の声が少しだけ小さかった。最後の夜。この合宿の、最後の夜。明日の朝にはチェックアウトして帰る。かもめ荘を出て、電車に乗って、日常に戻る。この夜が終わったら、合宿は終わる。


「壮介、泣くなよ」


「泣いてない!」


「声が小さいぞ」


「小さくない!!」


 声が大きくなった。標準装備に戻った。壮介の声が大きければ大丈夫だ。


 凛先輩が立ち上がった。


「そろそろ戻るか。明日の朝は朗読会だ」


「朗読会?」


「最終日の朝。全員が自分の原稿を朗読する。合評会とは違う。批評はしない。ただ読む。声に出して読む」


「読むだけですか」


「読むだけだ。声に出すことで、自分の原稿を最終確認する。それが合宿の最後のプログラムだ」


 朗読会。全員が自分の原稿を声に出して読む。合評会の時に読んだが、あれは批評のためだった。明日の朗読は違う。批評なし。ただ読む。声で届ける。


 砂浜から立ち上がった。砂を払った。かもめ荘に向かった。坂を上がった。五人分の足音が夜の坂道に響いた。


 合宿の最後の夜が終わろうとしている。明日、朗読会がある。俺の一万文字を、声にする。推敲した原稿を、全員の前で読む。


 今夜はもう書かない。今夜は寝る。明日のために。朗読会のために。声のために。


 布団に入った。壮介が隣で寝ている。もう寝ている。肝試しで疲れたのか。寝息が穏やかだ。夢の中ではもう怖くないだろう。カレーうどンの夢を見ているだろう。


 天井を見つめた。暗い。でも真っ暗ではない。窓の外から月明かりが少しだけ入ってきている。海の音が聞こえる。線香花火の残り香がまだ指先にある。火薬の匂い。夏の匂い。


 合宿の二日目が終わった。明日は最終日だ。朗読会がある。一万文字を声にする。そして帰る。かもめ荘を出て、電車に乗って、日常に戻る。


 でも日常に戻っても、この合宿は残る。砂の上の文字は消えるが、胸の中の記憶は消えない。詩織さんが教えてくれたことだ。書いたものは消えても、書いたことは残る。


 目を閉じた。深い眠りが来た。波の音が子守唄になって、ゆっくりと静かに意識が溶けていった。

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