後25日。戦士の剣
数日休んでいよいよ私達がギルトの訓練を受けられる日になった。けどいざ会場に来てみれば担当してくれたのは、とってもまん丸な訓練官で試しに手合わせしたらととても良い助言をくれた。私たちが無意識にしている癖まで言い当てて直す方法まで教えてくれる。ありがたい。ソフラも『この私の癖を見抜くとは、訓練官様は凄いでございます』と言っていた。
訓練官曰く「この腹は贅肉じゃねえ。筋肉だ!」だそうだ。そう言えば前にも似た台詞を聞いたことがある気がする。流行っているのだろうか。
ただ残念な事にこの優秀な訓練官は腰を痛めて入院してしまった。しばらく自主練だ。
今私達はブロウの剣の事を鑑定してもらいに街の鑑定士のところに向かっている途中だ。
訓練官にブロウが一戦ごとに一撃しかできない事。おまけに攻撃し終えあったら睡眠が必要なことを話したら、剣に何か憑いてるんじゃないかと教えてくれたからだ。
店につき剣を鑑定した初老の鑑定士が呟く。
「驚いたなーこの剣には一撃必殺の呪いがかかってる。」
「一撃必殺の呪い?何ですかそれ?」
「文字通り所有者を一撃必殺しかできなくさせる呪いだよ。攻撃しようものなら文字通りその一撃に全ての力を持ってかれて強い攻撃ができる代わりに、力尽きて使い物にならなくなってしまう。」
「そんなアホみたいな呪いあるわけないでしょう!!」
「確かに一撃必殺と言ったら普通は相手を確実に倒す技だよね。呪いとかではないはずだよ。」
「よっぽど前の所有者の思いが強かったんだな。絶体絶命って時に必殺技を出そうか迷っていたらやられてそのまま、思いが武器に強く呪いのように残っちまった。この武器はもう必殺技しかできねえんだ。」
「そうか。」
「それなら早く別な武器に買い替えなさいよ。」
「やめるんだ。ニーナ。」
ヒイロが慌てってニーナの口を押さえる。
「買い替えられないわけでもあるんでございますか?』
「ああ、こいつとは2ヶ月前怪しい商人から半額セールで30ゴールドで買った時からの仲だからな。」
「2ヶ月前!?」
「半額セール!?30ゴールドってちょっと。』
「おまけに値切った。」
「これでも値切った方なんだ・・・て、剣の代金渡したでしょう!!何に使ったのよ!」
「あーあれか。田舎から出てきた女の子が道で困っていたからやった。」
「やったってあんた。それ騙されてるわよ。」
「商人も前の持ち主は、芸術家で脇に挟んで大根の型抜きするのに使っていたと言っていた。実は俺もたまに髪を切るのに使ったり色々した。まあ何というかそう言う仲だ。」
[わっ分かりました!!]
「それはちょっとね。」
「剣が・・・」
「可哀想でございますね。』
私達は心の中で剣に同情した。そんな扱いを受けていたなら対象者を一撃で仕留める呪いも付くわけだ。
帰り道私はブロウにこっそり聞いてみる。
「本当に買い替えなくてもいいの?」
「ああ、新しい武器なんていらねえ。俺にとっちゃこいつは大切な相棒だ!!」
前をいくヒイロが叫ぶ声がする。
「おーい。ブロウ!ニーナが追加で剣の代金くれるって!!」
「何だって!!早く買いに行こうぜ!!」
「今度は武器屋まで着いてくからね。」
「やっぱり新しい武器欲しいんじゃん。」
[こうしてブロウの武器は2本になった。]
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