第十一回イベント-形勢逆転
チートキラー達とシンギュラリティ達が激しくエナジーブレードを打ち合う。
「シンギュラリティめ、これだけやって堕とせんとは」
エリアルダークネスのパイロットがうめく。
「こいつらの動きときたら、まるで分身してるみたいだ」
エリアルゲルヴァーテンのパイロットが笑いながら言うと、エリアルイウデクスのパイロットが怒号を飛ばす。
「質量を持った分身なんてあってたまるか!」
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「あんたら、まだ墜ちてないのね」
カナがミネー達に話しかける。
「黒蛇が全部いなくなりましたからね、赤蛇ぐらいじゃ墜とされませんよ!」
ミネーが言い放つ。
「トンデモ兵器はどのタイミングで出てくるの?」
ヴァリュートが尋ねる。
《カガリとハナサギが今戦ってる奴は違うのか?》
グレイスが困惑する。
「あれチートキラーでしょ?序盤にあれを投入してきてるんなら、きっと片付けたらお出ましだよ」
カナが赤蛇をライフルで蜂の巣にしながら言う。
「トンデモ兵器で戦力は半分以下になるから、覚悟しておきなよ」
「そんなヤバいのかよ」
《1回目の総力戦はチートキラーだったけどな》
「そ、だからチートキラー以上のが来るはずよ」
《口じゃなくて手を動かしてもらっていいかしら?》
ユカが忠告してくる。
「やってるよ」
《数は減らしておくに越したことはない》
二人がむっとして言い返す。
「ハナサギ君が頑張ってるんだし、ボクも頑張んなきゃ」
ヴァリュートが深呼吸して集中する。
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「ハナサギ、大丈夫か?」
カガリがチートキラー達の攻撃を受け止めながら心配する。
「絶好調です!」
俺は勢いよく答えた。
事実、俺は過去最高にノッていた。
自分が、エリアルヘロンが繰り出す攻撃が確実に相手への有効打になっているのを感じる。
「あとは頼んだ!」
エリアルサルティーニがエリアルSプライマルに両断された。
「サルティーニがやられるとは」
エリアルイウデクスのパイロットが驚く。
エリアルダークネスもエリアルヘロンからの一撃を受け損ねて爆散した。
「たった二十分でこのザマだ」
エリアルゲルヴァーテンがエリアルSプライマルと鍔迫り合う。
エリアルイウデクスもエリアルヘロンと激しく斬り合う。
エナジーブレードがエリアルゲルヴァーテンの腕を切り落とした。
「ちっ、これ以上は無理みたいだ.....」
エリアルゲルヴァーテンが爆発した。
「あぁ、あとは守岡達に任せよう」
エリアルヘロンのエナジーブレードがエリアルイウデクスのパイロットを貫く。
「よし、おしまい!」
「よくやったな」
カガリが褒めてくれた。
「戦場から随分離れてしまったな。直ぐに戻るぞ」
「はい」
二機が飛び立つ。
その戦場は混迷を極めていた。
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チートキラー撃破と同時刻、戦場に三機のアーマードスーツが出現した。
「レーダーに新たな敵影あり、数三、アーマードスーツよ!注意して」
ユカがレーダーを確認して警戒を促す。
《了解、ついにお出ましだね》
カナが楽しそうに言う。
《敵確認、エンゲージ》
グレイスも交戦状態に入る。
新たに現れたのはエリアルアイリスと黒いエリアルアーマードスーツ二機だ。
エリアルアイリスに搭乗しているのは守岡だ。
「ハナサギを殺せ、命令はそれだけだ」
《了解、約束ちゃんと守れよ》
《状況を開始する》
三機のエリアルが向かってくる敵を迎撃する。
「ボク達は真ん中の奴を」
「分かった!」
ミネーとヴァリュートがエリアルアイリスに立ち向かう。
「ハナサギの友人か.....」
エナジーブレードが唸りを上げる。
「うおっ!」
「なっ!」
ミネーとヴァリュートが機体を後ろに退避させる。
エリアルアイリスの追撃が襲いかかる。
「なんなんだ、コイツ!」
「まるでプライマルだね」
二人が冷や汗をかく。
なんとか追撃を受け止める。
「今行く!」
ユカぎそう言って援護しに行こうとしたが、黒いアーマードスーツが立ち塞がる。
「いかせねぇよ」
「ロイ、まさか闘うことになるなんてね。手加減しないよ」
二機がぶつかる。
グレイスとヨッシーも別の黒いアーマードスーツを相手取っている。
「援軍は見込めそうもないな」
ミネーが苦しげに呻く。
「ボク達でやるしかないよ。ハナサギ君に頼りっきりにするわけにもいかないしね」
エリアルシュトレインとエリアルゴーストの連携をエリアルアイリスは避ける素振りも見せずに受け止めた。
もう片方の腕の袖元からエナジーブレードを射出して装備した。
「二刀流?」
ミネーが困惑する。
「距離を取るよ!」
エリアルシュトレインとエリアルゴーストが後ろに飛び退る。
エリアルアイリスがエナジーブレードを構える。
そのまま二機に迫る。
「速い」
「まずいね」
二人が迎え撃とうとした時、一機のアーマードスーツが乱入してきた。
「.....なんだお前は」
守岡が尋ねる。
乱入者はなにも言わない。
しかしミネー達には見覚えがあった。
「ファナリス?」
「NPCってイベントに参加できたっけ?」
エリアルアイリスのコックピットのディスプレイに文章が表示される。
『私の娘が裏切った』
「ヒナタが我々を裏切ったのですね、豊さん」
守岡の声が熱を帯びる。
エリアルアイリスのウィングが大きく展開され、緑の粒子が吹き出す。
「雑魚はアレに任せればいいか」
エリアルアイリスがエリアルバーニングとの戦闘に移行した。
目にも止まらぬ速さで戦場を緑の光が駆け巡る。
「な、何が起きてるんだ?」
「分からないけど、他の人の援護に向かおう」
《二人とも、また敵が現れたわ!小型のアサルトシップよ、数は一》
「まだあるのか?」
ミネーが驚く。
《エレンが既に交戦しているわ、他のパイロット達と合流してエレンを援護して!》
「分かった!行こうミネー」
二機が送られてきた座標のところへ全速力で向かう。
途中でカガリ達も合流した。
「状況は?」
カガリの問いかけにミネーが答える。
「アーマードスーツ三機が参戦、そのうちの一機がかなりヤバい。シンギュラリティとほぼ同格だと思う」
「あの緑の奴かな」
「そうです、エリアルバーニングが交戦しています」
「分かった。俺も加勢する」
エリアルSプライマルが離脱してエリアルアイリスを追いかける。
「いいのか?」
俺は一応言ってみたが、二人は何も答えなかった。
遠くに白い物体が見える。
エレンから切羽詰まったような通信が入った。
《やっと来た!早く来て、味方が半分以上堕とされてる!》
「そんなに!?」
「急がないと!」
「俺は先に行くぞ!」
俺は二人を追い越してエレンの元に向かった。
平べったいアサルトシップから無数のミサイルとレーザーが放たれている。
味方はあれにやられたのか?
《気をつけて、ありえないほどの追尾性能をしてるから!》
エレンの忠告が耳に飛び込む。
俺はバーストマグナムに武装を切り替えた。
「エンジンを狙えば良いのか?」
《多分ね!》
エレンが短く返す。
味方の援護と自身の保護で忙しいのだろう。
「ミネー、ヴァリュート、この白いやつはライフルじゃ攻撃が通らないらしい!」
「マグナム使えば良いんだな?さっさと堕とすぞ!」
ミネー達もバーストマグナムを装備する。
「偵察船並の小ささ。こんなのに半分以上もやられたの?」
ヴァリュートが射撃しながら訝しむ。
船体に大きな爆発が起きる。
「案外柔らかいんじゃ.....」
船体に焦げがついている。
「そんなことなかったね」
ヴァリュートが苦笑いする。
「闇雲に撃ったって弾が無駄になるだけだ、弱点を探すぞ」
ミネー達が飛び回り、弱点らしき物を探ろうとするが、知られてなるかと言わんばかりのミサイル攻撃を受ける。
「なにこの量!?ボクじゃ荷が重いよ」
ヴァリュートが逃げながら嘆く。
「くそっ、まさにトンデモ兵器だな!」
ミネーも回避に徹する。
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エリアルバーニングと交戦していたエリアルアイリスは高速で接近してくるアーマードスーツを探知した。
『ハナサギか.....いや、アイツなら雑魚どもを助けに行くだろう。つまり』
守岡の予想通りにエリアルアイリスとエリアルバーニングの間にエリアルSプライマルが割って入る。
「.....まさかお前が直々に出撃してくるなんて」
「私はただあなたのため、いやあなたの父親の望みを叶えるために.....」
「この世界でどう生きようが俺の自由だ!親父のエゴで俺を縛るな、お前もいつまで縛られているんだ!」
「私は豊さんに全てを捧げるつもりで『スペースウォーリャーズ』に関わり続けてきました。縛られているつもりはありません」
「そうか。ならもう俺に関わらないでくれ、それとハナサギにも」
「残念ですが、それは出来ません。ハナサギの排除が豊さんの望み、私が叶えるべき望みですので」
守岡がカガリの言葉を突っぱねる。
「分かった。なら力づくで止める。文句はないな!」
エリアルSプライマルのウィングが更に蒼く輝く。
「ハロー、カガリ。援護します」
「ヒナタか?頼むぞ」
エリアルSプライマルとエリアルバーニングがエナジーブレードを構える。
エリアルアイリスが緑の光を帯びる。
「残念です。あなたに分かってもらえなくて」
守岡が悲しげに呟く。




