俺はマグマだ。

　知らなかった後頭部に　知らなかった呪文があった

　読めなかったからどうしようもないし

「マグマ……？」

「呼んだな、名前をーー」

　灼熱のヒーローの名前だった　とあるマーベルにもなかった

　火山の力を身に宿している　欲してならない欲望と衝動と

　力加減の調整に手こずりながら　抱いた女の数は知らず

　俺はマグマだ　常に数千℃の熱血が流れている　溢れている

　涙ですらコンクリートを溶かすぐらい　ただの汗でさえ

　灼熱のヒーローにだって　弱点はあるさ