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蛙の恋煩い  作者: E’zSHOW
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第二話【蛙の仲間を集めよう】

学園生活を彩る上での要素は、やはり青春、恋愛や将来の夢、部活動だったりそういったものだと思います。

それに限る事は無いのですが、生徒会もその要素の1つであると捉えており、その狭い枠の中で蛙たちが頑張る姿を描いていきたいです。

【蛙の宿敵】

運動神経抜群の生徒会長遥彼方に並び、身体能力が高いとされるスポーツ特待生が一人、青春駆あおはるかけるは正式にスカウトされた生徒会会計である。

黒に青のアシメントリーを入れた長髪、目尻に泣きぼくろとくまがあり疲れが見える猫背である。

若干暗めの声をしているがそれは日々の疲れから来るもので、本当の声はもっと高い。

肌は日焼けしており茶色で筋肉があまり無いものの、185はある長身でスタイルが良い。

そんな彼をスカウトしたのには訳があった。

「スカウトしていった結果男女比が女性に偏ってな」

「能力採用なら遥先輩が気にする事無いでしょう普通」

完全能力主義で各教室へと足を運んだ結果、学年も性別も何も考えていない構成となった生徒会室。

流石に後になって気不味くなったので、比率を合わせるために誘われたという訳だ。

「合コンじゃあるまいし、比率なんて気にしても」

「だって気まずいじゃないか……史上書記と目花庶務が生理用品やランジェリーの話をする生徒会室なんて入りにくいだろう?」

「それはそうですけど、比率が変わってもあの二人ならするんじゃないですか?」

駆は思い浮かべる。

話に出てきた二人の体型をだ。

「暦先輩は身長こそ低いものの、発育の良いグラビア体型ですし、対してスラッとしたまな板体型……」

「やめろ目花庶務がこっち見てるぞ」

「もといモデルのように美しい」

「あからさまに持ち上げたな」

背中に冷や汗を流し、こちらへの関心が消えてから話を続ける。

「持たざる者同士、気になるのは仕方がないというやつです」

「待て、青春会計。その論だと史上書記にも無いものがあるということなのではないか?」

「察してください。二人が聞いているかもしれないのにみなまで言えません」

彼方の目が史上暦へと向いた。

俯いて作業をしている風である。

「つまり?」

「分かりましたか。来てないということが」

「みなまで言わないって言ったばかりじゃない!」

書類が青春の後頭部に叩きつけられ、生徒会室の床に散らばる。

「二人共、当事者を前にデリカシーに欠けるのではないですか?」

無論、こんなことになれば通常は気持ち悪いだのと言われて距離を取られるものだろう。

つまり、史上暦もそうならない訳がある。

その視線は駆に向いていた。

「もう、駆くんはもう!」

「す、すみません許してください史上先輩……」


【諸悪の根源】

生徒会室で土下座をさせられている生徒が一人。

「前生徒会長の貴方がなぜ俺のポスターを貼りまわったのか説明を求めます」

前生徒会長である袋野鼠ふくろの・ねずみが学校中に選挙出馬の表明をするかの如く彼方のポスターを貼りまくった張本人なのである。

「いや、だってさぁ、生徒会選挙が進むに連れてなんか前回生徒会してるからって俺にやんないかって先生達がさぁ?」

「さぁ、じゃないでしょ袋野先輩」

たまたま同席する事になった青春がエクセル表計算に昨年度末の予算の詳細を割り出し、今年度予算の支出予想額を計算しながら言葉を挟む。

「だって、やりたくなかったんだよ!前回の生徒会長も俺は役不足感半端なかったのに、その日たまたま休んだってだけで生徒会長に担ぎ上げられたんだぞ!?」

同情の余地はある。

それは青春に限った話であり、彼方には同情をする気にはなれなかった。

「それで情がほだされるのは青春会計だけだろうな」

「ま、遥先輩は袋野先輩に巻き込まれた当事者ですからね」

エクセル表計算の入力が終わったのか、コピー機に出力を始めた。

「今年度の支出予想額がこちらになります」

「うむ、ありがとう」

受け取る彼方の横から土下座をやめた袋野が覗き込んだ。

「随分早いな……おいおい、部費の計算が間違ってないか?」

「どれです?」

チラッと見ただけで間違いに気が付く観察眼は流石伊達ではない。

昨年度の生徒会長をしただけのことはある。

「よし、この暴挙を許す代わりに提案がある」

袋野の肩に彼方の手が乗った。

「頼りにしているぞ袋野副会長」

「待て待て待て待て!」

「いいや、待たん!」

こうして、前生徒会長は副会長へと就任へ至ったのだった。

目花先めとはな・さき

夢は学校の先生の子供好き。

小学生の時に影響を受けた国語の先生に憧れて、教員免許を取るために文系の大学に進むべく勉強や文芸部の活動へ取り組む内に生徒会長の遥彼方に生徒会庶務にスカウトされた。

生徒会に入ることでの特権に図書室の本の搬入管理というものがあり引き受けた。

現在は二年生で国語が得意な女生徒。

古文を読むことが多いためか、ことわざを使うことがある。

「何事も塵も積もれば山となるです」

「犬も歩けば棒に当たるんですよ」


蛙化現象をするようになったのは親の影響。

両親が不仲であり、恋愛に億劫になった。

自分が男女間で良好な関係を築けるのか不安があり、付き合っても数日で別れるというのを繰り返している。


校則では髪色については不問だったため地毛は黒なのだが、目元にかかる髪に桃色のカラーを入れている。

幼い顔立ちと冷たいトーンの落ち着いた声が男子達に人気であり、かなりモテる。

カラーは美容師になりたいという同生徒会の会計の青春駆に入れてもらった。

肌は健康的な小麦色で、スラッとした細いモデル体型。


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