100話到達記念SS
お陰様で許嫁の左眼(以下略)が100話到達しました!ありがとうございます!今後も読んでもらえたら嬉しいです!
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「風の神子、今まで黙っていたが…我には100の人格があるのだ」
「100の人格…てことは多重人格って事?」
「その通りだ。ちなみに現在の人格はコードネーム『ダークネス』だ」
ダサい…旭は思わず口に出しそうになったが、何とか堪える。無論、サクヤが多重人格だとは思っていない。
「じゃあ、その前までのサクちゃんは?」
「奴はコードネーム『サクヤ』所謂主人格だ」
「そのまんまなんだね…じゃあ他にどんな人格がいるの?」
「貪欲に戦いを求める『ベルセルク』、村人を尊ぶ『ベルゼバル』、馬を愛する『キマリス』あとは…」
「はいはーい!100も考えるの大変そうだから、私も考えてあげる!」
「かたじけない。して、どの様な人格だ?」
機嫌を損ねると思いきや、乗り気のサクヤに気を良くして、旭は新たな人格を考える。
「私に愛を囁き続ける『ラブ』と、私とハグするのが大好きな『ハグ」と、私とキスしたくてしょうがない『キス』とかどう?」
己の欲望に忠実な旭の提案にサクヤは戸惑い、視線を泳がせる。
「わ、悪くはないと思う…」
「じゃあ!早速『ラブ』で行ってみよう!」
「その人格は…今日は眠っている」
「えー!じゃあ『ハグ』は?」
「本調子じゃなさそうだ」
「だったら『キス』!」
「風の神子よ、…多重人格と言っても、簡単に人格が変わる訳ではない。その点を勘違いして…」
逃げの姿勢に入ったサクヤの頬にそっと口付けてから、旭は満足げにニヤついた。
「えへへ、私の中の『キス』が我慢できなかったみたい!」
設定を逆手に取った旭にサクヤはタジタジになってしまい、このままでは心臓がいくつあっても足りないので、本日を以て多重人格は封印する事にした。