使うのは能力と己の頭脳
「あ~~~~」風呂の中でだらしない声を出す自分。
難しい課題で凝り固まった頭をリセットするために風呂に入ってはいるが、時々終わっていない課題が頭をよぎるせいで如何せんリラックスできない。
とりあえず風呂を上がって課題をどうするか考えている時、何かに躓いた。
室内、それも勝手知ったる我が家。当然注意などしていなかった。
手が空を切る、足が前に出ない、身体が倒れる。
最後に見たのは机の角だった。
話し声が聞こえる、意識がはっきりしない。倒れた身体を起こそうとすると、力が入らない。
それでも何とか顔を上げると、異様な光景が目に入った。真っ白。ぽつぽつと人がいるが、皆白い服を着て話し合っている。
自分はこの状況が飲み込めずにしばらく呆然としていると、何処かから声が聞こえる。
「 」
分からなかった。声は聞き取れるものの、どう発音しているのかさえ分からない。
皆も謎の声に気づいているようで、そこかしこからざわめきが発せられている。
「 ..ぇているか?」
「聞こえているか?」
声は同じであるが、不思議と意味は分かる。
「単刀直入に言う。貴様らは間引きされた。」
白い部屋、脱力感、同じような人々、意味の分からない声。
与えられる情報全てが自分を混乱させる。
ただ、これは夢ではない事を頭の痛みが告げている。