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刑務所転移

刑務所ごと転移した。


そこが異世界か別の星なのかわからないが、夜に転移したので空にはきれいな月が三つあることから地球でないことは囚人たちにも一目瞭然である。


「おい、なんかTVが消えたぞ!」

「ラジオもだ!」

「オヤジー! おい、報知器も押してもこないぞ!」

「巡回のオヤジがいたのに消えたぞ?」

「どーなってんだ!就寝薬がこねーぞ!」


あちこちの居住棟で叫び声が聞こえる。

看守のいない刑務所は、いくら日本といえど犯罪者の集まりだ。自制心のと乏しい人間だらけの刑務所が混乱と暴力に溢れ変えるのは時間の問題であった。


「おい、小机を扉にぶつけろ!」

「ここの雑居は大机があるから、こっちで壊すぞ!」

「ぼーっとすんなジジイが!オラッ!」

「殺すぞカスがっ!」

「おめえ、いつもオヤジにペコペコしやがって、死ねや!」


雑居の、特に暴力事件を起こしたやつのいる部屋や組織連中の若いやつらはここぞとばかり暴れまくっている。



◇◇◇主人公(マサキ)目線◇◇◇

「いたたっ」


俺は目を覚ました。

点滴と包帯に巻かれた姿だが、傷自体は痛くない。

あの傷が嘘みたいにくっついているようだ。

それでも一週間寝たきりだったため、身体中がギシギシなって痛いようだ。


「医務棟か? あの森から戻ってきたのか?」


ゆっくり体を起こし周りを見ると、病気などの休養中の受刑者へ配本をしたときに見覚えのある医務棟の部屋だった。

消毒液とカビが混ざった独特の匂いがする。


「オヤジはいるのか?」


喉が渇いてるが、備えつけのヤカンには何も入ってないため、報知器でオヤジを呼ぶ。

しかし、何分たっても看守がこないため、医務棟のみある病人用呼び出しボタンを押すが、それでも常駐の看護士がくる気配もない。


点滴も底をつきそうなため、そのまま針を抜き扉に向かう。


医務棟の場合、通常の居室と厳重な鍵つき扉がなく、医務棟入り口にのみ鍵がかかっている。

とりあえず医務棟を回るも誰もいなく、ふとあの森の匂いがしたので窓の外を見る。


月が三つ、光っていた。


「どーゆーことだ?元に戻らず建物だけまた移動したのか?けど、二棟や三棟辺りがうるさいから、受刑者はいるのか?」


他居室から叫び声や、時折扉を何かで打ち付ける音が聞こえる。


「まさか、刑務所ごとここにきたのか?けどオヤジ達はいる気配がない。」


マサキは、またもや異世界にきたかもしれない事実に目眩を覚えた。

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