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帰還

「301番!! 起きろ! どうしたんだ!?」


刑務所では、朝から看守が緊急集合し大変なことになっていた。

惨殺事件が再度発生したからだ。

ただし、今までとは違い発見されたのは死体ではなく、重傷の囚人であった。


発見された囚人は、手と背中に重傷を受けているものの命には別状がないとして、医務棟にて治療を受けることになった。


囚人の衣類は自分で切ったのか、手足に巻かれていた。

不思議なのは、手足は室内にも関わらず土で汚れており草もついていた。

一番以上なのは、手には西洋の剣を持っていたことだ。

現場検証を行う法務官にとっては、法務省への事後報告をどうするか、凶器が準備されている以上、内々に処理することはできず、一通り室内の現場検証を行ったあとは囚人本人が目を覚ますのを今か今かと待つだけになった。


すでに図書工場の模範囚が事件に巻き込まれたことは、口の軽い看守から噂が広まっている。

そのため、刑務所内では次は自分ではないかと暴れる囚人や、ここぞとばかり看守の管理能力を攻撃する問題児の対応に看守達は頭を悩ませていた。


そんな、重傷から目を覚まさない状態が一週間続いたある日、さらなる事件が刑務所を襲う。

正確には、刑務所本体と囚人へだが。




◇◇◇囚人目線◇◇◇

「おいっ、また地震だぜ」


「うっせーな、地震くらい。テレビ見させれよ」


「いや、噂では地震がある度に囚人が拐われて死ぬらしいじゃねーか!あのキチガイ図書工場のマサキですら、今は重傷で死ぬ寸前なんだ。俺らが拐われて無事にすむはずがねーだろ!?」


「だったらなんだよ、どーせまた第五棟のやつが行くんだろ。俺ら普通棟には関係ないだろうが。

おい、なんか地震がひどくなってねー?」


「だから言っただろうが!やべえ!あちこち棟が光ってるぞ!」




20時頃、刑務所全体を光が包んだ。


日本の刑務所史上類を見ない、刑務所自体の紛失事件となる。

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